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2009年9月 アーカイブ

2009年9月 5日

開発日記其の五拾七

本読みから帰ってきたぞーーー! おーーーー!!
今回は現場の張りつめた緊張感をリアルにお伝えするため、画像多めで生々しくお届けします。

まず、リテイク続きで難航していた主題歌のアレンジの最新版を制作チームのみなさんに聴いてもらう。
慎重な面もちで音源を再生する鳥羽P。

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鳥羽P「すみません、来る途中に車に泥跳ねられました」
おれ「まるで模様のようじゃないですか!」

結果...

文句なしのOKが出た!!
音響監督さんに至っては「いいですねー!」と繰り返し絶賛していた。
いやーよかったよかった...。
音楽チームの苦労も報われますよ。
期待しててくださいね!!

そして現れるメイキングチーム。
今回はチームではなかった! ディレクターさんひとりだった!
前回は4人がかりだったというのに!
つつましく撮影が開始。

撮る側を撮ってみた。フリーダム。

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ディレクター「監督さん、ズボンを穿いてもらえますか?」
 

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右・監督「だってね~、涼しいじゃんね~」
左・音響さん「今日はブリーフなんですね、そんなフリーダムなあなたが大好きです」
 

鳥羽P「そんなことより飯届きましたよ、飯にしましょう!」

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みんな「やったー!!」
 

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右・監督「お、うめぇよ、このポテト」
左・音響さん「あれ? さっきも持ってなかったですか?」
右・監督「さっきのはタイノエっていう、鯛の口の中に寄生する虫だよ。何勘違いしてんだよ」
左・音響さん「昨日テレビでやってましたね。よく手に入りましたね。しかも気持ち悪い。二度とポテト食えなくなりましたよ」
 

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ディレクター「すみませんが、仕事してください。監督のブリーフ姿とタイノエしか撮れてません。ある意味貴重ですが」
みんな「は~~い」

という張りつめた空気の中、なんとか終わりました!!
ついに残すは最終話の第十三話だけですよ...。
もうすぐおれの仕事も終わるんだなあ...。
ほんと、来月には終わりますよ!!

そして、帰りの山手線でおれグロッキー。

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今週は挿入歌の歌詞も書いたよ。これはほんとね...泣ける。2バージョン用意する予定。
理由は観てもらえばわかると思う。
さらにガルデモの曲も書いた。たぶんこれが最後の曲。
すげー書いたなー!
もう多分、ガルデモの曲は書くことはないんだろうな...。
ちょっと寂しいが...
でも、ものすごい曲数を書きためてきたぶん、壮絶なレコーディングが待ち受けている!
頑張っていきます...(汗

以前、出張中にバッグの中でミネラルウォーターのペットボトルの蓋が開いて、ポメラが水で濡れちゃったって書いたじゃないですか。
ほんのちょっとの水だったんですよ。残り少なかったから。
大丈夫だろ、と思いこんでたんです。
で、SSの最終話を書こうと立ち上げてみたら...

壊れてる!! どかーーー--ーーーん!!

ごめーーーん!! 藤井くん!!(借り物)

まずすべてが初期化されてた...。画面の表示形式から単語登録まで、すべてリセット。
そして、「な」を押すと、なぜか日付と時間が表示される! ホワーイ!?
エディタソフトによくある機能のひとつですが...
なぜ「な」に宛われた?
これは設定の問題なのか? 直るのか?
よくわかんない...。
借り物だし、これがなきゃSSは完成させられないし...
くそぅ...
Amazonでポチった...。

あと今日、出張から帰ってきてファミマに寄ったら...
なんと...

おろしソースのチキンカツ弁当が復活していたあぁぁぁーーー!!

これって奇跡なんじゃないでしょうか?
一度消えた弁当が復活するってすごく希なんじゃないでしょうか?
すでに上記のサンドイッチをアニプレックスさんで頂いていたので、今日は買えなかったけど...
明日は食うぞ!!
やほーーーーい!!
みなさんもこの機会を逃さぬようどうぞ!!

殺伐ラジオへのお便りもありがとうございました。
ものすごい数が届いています。出来る限り読もうと思っています。
あと知らぬ間に販売が始まって、知らぬ間に売れ切れていた殺伐ウォッチもお買いあげありがとうございました!
実はね...
こんな高価なものになるとは思ってもみなかったんですよ!(汗
休職明けの5月ぐらいですかね、おれが最初にした仕事が、この時計のデザインだったんですよ。
んな1シナリオライターがデザインしたシロモノなんかに価値はない、とにかく機能性を充実させよう、ちゃんと使えるものにしようと苦心した結果...それがこの値段だったんですよ!(汗
藤井くんは空気読んで、安くしてるし!!(というかなぜおまえまでデザインしている!?)
クロノグラフとかいうのにしたせいなのか?
頑張ってメッセージカード書くんで、車も描くんで、是非大事にしてください。よろしくお願いします。

さて来週は殺伐ラジオ収録です。
中川くんと殺伐と語ってきます。

2009年9月13日

開発日記其の五拾八

怒濤の一週間が終わった...。
まず火曜日から、殺伐ラジオの台本作りに入ったんですよ。
土曜に収録だから、今週は集中してこれを行う予定だったのだけど...
水曜から、ガルデモ楽曲のギターレコーディングだった!!
すっかり忘れてた!!
ボーカルレコーディングは済んでいるものの、オケはまだ仮だったんですよ。
その本チャンレコーディングです。

今回ガルデモ楽曲の編曲とギターを担当してくれているHくんと、いつもお世話になっているミックスとエンジニア担当のNさんが来社。
慌てて、台本書きの手を止め、ディレクションに入る。

今回は、社長が、「使わなさすぎ」「なんのために作ったんや」「宝の持ち腐れ」とぼやく、我がKeyが有するKSLスタジオで収録が行われました!

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レコーディングでいうと、時を刻む唄以来の使用です。どれだけ使われてないねん。

ギター、つーか、そもそも生楽器の収録に初めて立ち会ったのだけど、すごく新鮮でしたね。
スピーカーだけをスタジオのブースの中に入れて、その前にマイクを立てて、録音するんだよね。
こんな感じで。

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ライン録りじゃないんだよね。
エフェクターもね、マルチエフェクターじゃなく、こんな数の単品エフェクターを駆使して音色を作るんだよ。

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ギタリストは、コンソールスペースで弾く、という形。アンプもこちら側において、シールドをぶっ刺す。

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こうするのが、一番いい音が録れるんだそうな。

今回使われたのはこの二本のギター。

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ちゃんとボーカルが弾くリズムギターと、リードが弾くリードギターで、使い分けているのだ!
ちなみにこれすげー高価なんですよ。左のテレキャスに至っては、定価25万だそうです...。
 

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突如、レコーディングに飛び入り参加するおれ(うそ)

で、使われなさすぎで宝の持ち腐れなKSLスタジオなんだけど...
音が外に漏れる漏れる!!
二日間は開発室にディストーションの轟音が鳴り渡っている中、Keyのスタッフは仕事していたという...
みんな、ごめんね(汗

いつもボーカルレコーディングの時は、ディレクションは村山さん任せなので、ほとんど何も言わないNさんなんですけど...今回は凄まじくこだわったディレクションを見せてくれた!
ラフのデモ音源に比べて、「音が大人っぽくなってしまった」とか「演奏が落ち着いてしまっている」とか、おれら以上に設定が学生バンドであることを考えてくれている!
で、おれにもどう思いますか?って訊いてくるんですけど、ニュアンスが細かすぎて、よくわからないのね(汗
正直にわからないんで、って言って、おれはほんと、ただ居ただけ(汗
「音の粒がデモでは見えるんですが」とか、「音がひとつの塊みたいになっちゃってるんですよ」とか、「もうちょっとロウを...もうちょっとミッドを...」とか、「もうちょっと歪みを...」とか、音作りだけで、2時間もかけるという、こだわりぶり!!
録り始めると一発OKが続いたり早かったんだけど、2曲を録るのに13時スタートで21時までかかってしまった。
そのため、ラジオの台本が午前中しか作れなかった~!!
やばい、ぜんぜん作り込めない...。
ネタを仕込みきれない...。

でも、始めての生楽器のレコーディングは楽しかった。特に好きなギターだしね。リズムとリードの二本が重なるのを聴いた瞬間は鳥肌立ちました。
第三話の途中でかかる曲がかっけー!! イントロからぞくぞくきますよ。

で、Hくんとふたりで目指したのは、「4ピースのバンドで再現できる音」だったんですよ。
Nさんは、サビで盛り上がりに欠けることを気にしていて、もう一本ギターががーん!と入ってきたら、それで解決するんですけどね、と言っていたんだけど、絵ではふたりしかギターを弾いていないのに、三本めのギターが鳴ってくる、というのはどーしても許せなかったんですよ。
たぶん実際アニメを見ていて、バンドが演奏を始めて、サビに入った瞬間に、あれ三本鳴ってないか?と気づける人は、音楽やってる人なぐらいで、ほとんどいないと思うんですけど、でもそこだけは、こだわりたかったんです。
ということをNさんに言ったらば...

「すでにボーカルのハモリでやっちゃってますけどね」

どかーーーーーーーーーん!!

そうだった!!
岩沢のハモリを岩沢がやっちゃってるんだ!!
そうそう思い出した...ボーカルレコーディングの寸前までおれはすげー悩んでたんだった...
これは、ベースの子がハモリをやってるように聞こえさせるため、ハモリ用のボーカリストを用意するべきなのでは...?と。
でも、やっぱ本人の声でハモッたほうが綺麗なんだよね。
なので、ハモリ問題は自分の中では折り合いを付けたつもりでいたんだ。
しかし、このギターレコーディング中に再燃した!!
ほんとうにいいのか...?
ギターはここまで2本にこだわってきたのに...
岩沢のボーカルに岩沢がハモッちゃって...
しかも一話でかかる曲は、メインボーカルのおっかけまであるから、岩沢が同時に三人居ることになるぞ...?(汗
鳥羽Pにメールで相談。
とりあえず、ハモあり、なしの2バージョンのラフミックスを用意してもらって後は、監督さんたちの判断に任せましょう、とのことに。

で、最終日の三日目は、アコギ一本の弾き語り曲なので、こんな感じの収録風景に。
マイクに取り囲まれるHくん。

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この曲はやけに評判がよい。レポ漫画を描いてくれているこもわたさんも、全曲の中でこれが一番好きと言ってくれてるし、藤井くんに至っては、音楽性の相違により、おれの曲についてはかつて褒めたことも触れたこともなかったのに、この曲だけは、「ボーカルが乗ったら、びっくりするぐらいいい曲になった」とまで言わしめる。
そもそも岩沢のボーカル役は、この曲との相性をなによりも優先して選んでいるので、それは計算通りなのだけどな!

レコーディングが終わり、Hくんに感想を聞いてみた。
「麻枝さんの曲は、デモがものすごい形で届くので、いつも恐れおののいています」
とのこと。
ぶっちゃけHくんに渡すデモのアレンジは手を抜きまくってるのね、おれ(汗。
ひどい時は、ベース音しか鳴ってないもん。
アレンジの手がかりがまったくない!みたいな。
でも、そこはHくんの編曲能力を信じてるのだから、自由に上にギター載せてねって意味なんですよ。
実際アレンジはどれも素晴らしくて、リテイクをおれは一回も出してないのね。
それも「不気味でした...」と語っていた。
いや、文句の付けようがないからだよ!
でも、ほんとアレンジは巧妙だ。分解していくと、あーそんなことしてたんだーと感心しきり。

レコーディングが終わると、ちょうどこの日は、ビジュアルスタイルで4コマ漫画を連載してくれている日向ののかさんが打ち合わせで来社されてて、終わってから、Keyのみんなとお食事をすることになっていたのだ。
夜7時になって、お店に移動。
Keyのみんなと呑むのも久々だったということもあり、大変盛り上がり、すげー楽しかった。
翌日が朝から出張なので、すぐ帰るつもりが、気づくと、23時を回っていた。
「麻枝さん、最初から最後まで飛ばしまくりでしたね~」と都乃河くんに言われる。
確かに、羽目を外しすぎたね!

あれ?

...ラジオの台本作りは?

帰ってからせっせか台本作り。
なんとか素稿を上げて、アニプレックスに送る。
就寝。

翌朝8時に起きる。
体が動かない。
無理だ...起きれない...。
一瞬だけ寝直し、再び執念だけで起きる。
荷物を詰め詰めし、バッグを背負い、東京へ発つ。
中川が、「絶対、麻枝が先に居てくれないと、知らない人だらけで困るのでよろしく!」と言われていたので、30分前には入っておく予定で動く必要があったのだ。
新幹線の中で、台本に修正を入れまくる。
渋谷に着き、スタジオを探す。ナツブラの収録も行われているスタジオだ。
着くのが早すぎたのか、閉まっていて入れない。
ようやく開錠してくれるスタジオのスタッフが現れる。
「むちゃくちゃ早いですね!」と驚かれる。
「いや、30分前ですけど」
「いや、15時半スタートですよ?」
「いやいや、13時半スタートなんですが...」
「えええ!?」
みたいなプチハプニングが発生。
鳥羽さんたちも現れ、結局14時にエンジニアさんが駆けつけてくれることにより、30分遅れで始められることに。
鳥羽さんの差し入れのいなり寿司をもりもり食べながら待つ。(いなり寿司はおれの大好物なのだ!)
ゲストの中川がエレベーターから現れる。中川としか言えない風貌で現れる。まさに中川だ。おまえ以外の誰が中川っていうんだ。ってぐらい中川だった。
ふたり向かい合い座るも、何を話そうにも、ラジオの内容とかぶるので、「今、おれたちは話してはダメだ!」ということで、収録開始までは一切喋らないことに。(素人なのになんてプロ意識だ!)
10分前ぐらいになり、音源の確認をしたいのでお願いします、とのことで、ブースに入る。
その音源とは、そう、今回の隠し球...
KIMELLAの音源だ!!

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カセットテープからサルベージし、三曲ぶんだけCD-Rに焼いてきた。(現在のところ世界でただひとつのCD音源)
歌詞カードも当時の原本を中川が発掘して持ってきてくれたのだ。

そして、第二回殺伐ラジオ収録開始。
すげーーーーーーーーーーーーーー喋った。
むちゃくちゃ長いラジオになった。
前回に2時間越えを目指すと言ってましたけど、余裕で越えました。
もう内容については、ここではあえて何も語りませんけどね...
でも、その長い時間、飽きさせない内容になっていると思います。
あの鳥羽Pが「僕だってこんな楽しそうな麻枝さんを知らない!」と嫉妬していたぐらいらしいですよ(苦笑
まあ、中川とは付き合いの長さが桁違いだからね。
月末の配信を是非、楽しみに待っていてください!

次の出張は、17日の木曜日。
Angel Beats!主題歌とエンディングのレコーディングです!!

なんてヘヴィな月なんだ...。

2009年9月25日

開発日記其の五拾九

 
Angel Beats!プレゼンツ・クラナドオフィシャルコミック完結記念対談 『麻枝准×みさき樹里』 in 福岡
 

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みさき樹里
1980年、福岡県生まれ。漫画家。
ゲームのアンソロジー作品を手がける中、クラナドオフィシャルコミック執筆のオファーを受け、2004年から月刊コミックラッシュにて連載開始。今年2月に四年間に渡る連載を終え、コミック全8巻の発刊を果たす。
 

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麻枝准
1975年、三重県生まれ。Key所属のシナリオライター。
代表作に「AIR」「CLANNAD」「リトルバスターズ!」等。
現在は、オリジナルアニメーション『Angel Beats!』の制作に原作・脚本として参加中。
 

みさき:私、梅酒を頂きたいと。どうしよ(笑
麻枝:どうぞ。生中ください。
みさき:じゃ、カシスオレンジで。
麻枝:じゃ、乾杯しましょう。
みさき:お腹すいてる感じですか?
麻枝:いや、つまむ程度でいいですよ。
みさき:なんか適当に、三つぐらい。
麻枝:うん。いいんじゃないですか?
みさき:(笑
麻枝:どうしたんですか?
みさき:(爆笑 すみません(笑
麻枝:取り乱してらっしゃる(笑
みさき:ああ、もう録ってるんですか?
麻枝:録ってますよ。
みさき:まじっすか(汗
麻枝:一応まんべんなく録っておいて、使えるところを。
みさき:そんな使えるんですかね、そんな私と話したのが...
麻枝:そのへんは任せてください。うまいことやっとくので(笑
みさき:なんかせっかく九州なんで...
麻枝:そうですね。なんか九州っぽいものを。
みさき:九州っぽいものってなんだろう? 地鶏とか。鍋とか。もつ鍋は美味しいですよ。
麻枝:もつ鍋って人生で一回も食ったことないんですよ。
みさき:えーほんとですか! ここのもつ鍋は食べたことないのでわからないですけど...
麻枝:やっぱりあるんですか、どこのがもつ鍋がいいとか。
みさき:絶対居酒屋入ったらありますよ。
麻枝:さすが、博多だなあ...。いや、博多=もつ鍋というのもないんだけど(笑、食には疎くて。博多というと明太子ぐらいしか思いつかなくて。
みさき:そう、明太子ばっかりなんです。
麻枝:あ、そうだ、お土産も買ってきたんですよ。
みさき:わーありがとうございます!
麻枝:つまらないものですけど。
みさき:あーどうしよう、私、やばい!(汗
麻枝:ちょっとかさばり...
みさき:いやいや、かさばるのはぜんぜん大丈夫なんですけど、もらってばっかりで...
麻枝:今回は、クラナドのコミック、お疲れさまでした、ありがとうございました、というのみさきさんに伝えに福岡まできたので、そりゃもう、大丈夫ですよ。タイトルも「in福岡」になるって話で。
みさき:ありがとうございます。
麻枝:四年間ですか?
みさき:四年間です。
麻枝:じゃ、四年間、連載お疲れさまでした。(乾杯)
みさき:おつかれさまです、ありがとうございます(笑 これ、今日言いたくて仕方なかったんですよ。
麻枝:なにを?
みさき:ネットとか日記とかに「明日会うんだよ~」って(笑
麻枝:別にそんな、周り反応しないでしょ?
みさき:しますよ! 無茶苦茶反応しますよ!
麻枝:そういう方達が友達にいらっしゃると。
みさき:割と地元にも居ますよ。
麻枝:九州に(笑 九州かー。すごいなー。ちょっとおれ、アホなんで、今、日本地図のどこにいるのかよくわからないですけど(汗
みさき:博多じゃないですよ? ちなみに。博多はここから新幹線で20分ぐらいかかるんですよ。結構遠いんですよ。
麻枝:NUMBER GIRLはどこだっけ?
みさき:なんばとかじゃ?(笑 大阪とかじゃなくて?(笑
麻枝:ああ、食うもんなんかいれましょ。お酒ばっか飲んでたらやばいすよ。
みさき:そうですね、やばいですね。鳥とか、肉とか、魚だとどっちが好きですか?
麻枝:魚よりは肉。
みさき:福岡にいて、宮崎牛を食べることはないんですが...頼んでみます?
麻枝:いいですね。
みさき:にぎりでいきますか? 刺身でいきますか?
麻枝:これ、ステーキになると、こんなタレがかかってて...
みさき:麻枝さんの好きな方で。麻枝さん、そっちのほうが好きそうだなって(笑 じゃ、これと...私はサラダがあれば嬉しいなって。後、もつ、いっちゃいます?
麻枝:もつは夜いってもいいですよ?
みさき:ああ、そうですね。そっちのほうがいいかもしれないですね。
麻枝:あーどうしよかなあ...おれの大好物の鶏の唐揚げが食べたい...。おれ、鶏の唐揚げ大好きなんですよ。
みさき:ありますよ。
麻枝:おれ、唐揚げとウィンナーが大好きなんですよ。でも、こんなところで唐揚げとウィンナー頼んでも、この店の自慢的なものじゃなく、とりあえず置いてまっせ的な...それはもったいないなあ(苦笑 でも、唐揚げ大好物なんです。
みさき:頼みます? 妥協して(笑 あと、九州はチキン南蛮が割と出してるところが多く。
麻枝:ああ! チキン南蛮弁当! おれ、ほか弁でむちゃくちゃ食ってましたよ。
みさき:ありますよね。とりあえずほか弁よりは美味しいと思います。
麻枝:それとか、餃子とか?
みさき:明太もありますよ? 明太は特に?
麻枝:いや、明太子はおれ大好きだけど、明太を使ったなになにより、明太子が好きなので。カレー味のなになにより、カレーが大好きな人間なので。
みさき:わかります(笑
麻枝:しゅーまい? しゅーまい? しゅーまい?
みさき:ああ、いいですよ、それ。ぶたですか?
麻枝:いや、えびでも...。でも、三個なんですね。やっぱ餃子いっといていいですか? とりあえず三品。ジャブ程度に。
みさき:(笑 すっごい私なんか...(笑
麻枝:そろそろ緊張を解いてください(笑。あれだけの偉業を成し遂げたんですから。それは距離があるので、一緒にやってる感は少ないかもしれませんけど。
みさき:いや、なんか、私、自分ですごい好きなことをさせてもらった感じのほうが強いから...頑張ってやり遂げたはやり遂げたですけど、ちょっといいのかな?という感じもあるんですよ、未だに(笑。よかったのかな~?みたいに。
麻枝:それはもう、みさきさん以外なしえなかったことなので。
みさき:ちょっと面と向かって褒められると、相当どうしていいかわからない感じですね(笑
麻枝:だって、おれが指名したんじゃないですか。
みさき:そーですよ、最初、びっくりしましたよ、ほんと。えー、何かの冗談かと...という(笑、感じでしたね。でも、ほとんど、本編のほうで春原を描ける機会が少なくて...
麻枝:まあ、ヒロインの話を追ってくと、結局そうなっちゃうんですよね。
みさき:今、しゃあさんが、電撃のほうでやってるのは相当スローテンポで...
麻枝:びっくりするスピードですね(笑
みさき:今、どのへんなんだろ、部活のポスターを貼ったり...
麻枝:阻止された、ぐらいですよ、きっと(笑
みさき:終わるのかなー、どこまでいくんだろーって心配になりますね(苦笑
麻枝:当時はTYPE-MOON旋風が吹き荒れてて、クラナドを持ち上げてくれる雑誌社さんがぜんぜんなくて、唯一、JIVEさんが(笑
みさき:編集が...結構やりづらかったです(汗 間に編集さんが入ってたんで、ほとんど打ち合わせなかったんです。
麻枝:すごい適当ですね(笑
みさき:すごかったですよ、ほんと! ほんとにこれでいいのかなあ?って感じで。ほんと、打ち合わせらしい打ち合わせって、麻枝さんと会った時ぐらいですよ。
麻枝:むちゃくちゃ後じゃないですか!
みさき:そうなんですよ!(笑
麻枝:もう6巻目ぐらい出てる頃ですよ!
みさき:ほんと、終わりのほうをどうするかってなった時に初めて困ったんで、相談させてくださいって...
麻枝:遅い...(笑
みさき:いや、まさかそんなに私も長く続くとは思わなかったですもんね。だって最初一年って言われて、一巻だけって言われたんですよ。
麻枝:確かに当時は、どこもクラナドに冷たかったんで(汗
みさき:アニメ化がきてから、いろんなところで...
麻枝:そうそう。生中。
みさき:でも、アニメから来た人は、是非ゲームをやってほしい感じです。
麻枝:でも、おれはフルボイス版にはちょっと悔いが残ってて、音声収録は移植会社に丸投げだったんですよ。なので、後から、こんなふうになりました、って聞かされて、渚の喋りはこんなにとろかったのか、と軽く衝撃を受けて(汗
みさき:あ、そんなん聞いたことがあります。遅かったって。評判だけ。
麻枝:(ステーキが来る)美味そうじゃないですか! おれはブログ用に写真とか撮っておかなくちゃいけないんじゃないの? 対談の間に、写真を挟んでいかないと飽きると思うんで...。

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麻枝:このソースはつけて食べるのか? かけるのか?
みさき:かけたほうがいいかもしれないですね。
麻枝:これ、髪の毛ですね(ブロッコリーの上に髪の毛を発見)
みさき:髪の毛ですね(笑 店員呼びますか? これだけどかしときますか?
麻枝:いいですよ、おれが食べますんで。
みさき:私の周りの人は言っちゃう人ばっかりなんで(笑 大阪の人って結構言いそうな感じがすごいするんですけど...
麻枝:いや、おれは泣き寝入りするタイプですよ。(ステーキを食す) んま! うわっ、んまっ! んまっ!
みさき:ああ、よかった(笑
麻枝:さすがやなー。神戸牛は違うなー。(※宮崎牛です)
みさき:すごい柔らかいですね。美味しいです。しゃべり方とか結構突っ込まれてるのかと思いましたよ。
麻枝:いやいや、ノーディレクションなんですよ。おれがディレクション入るとなると、当時お腹の病気がえらいことになってて、東京まで行けなかったので、あのー髪の毛付きのブロッコリー食っときますね。だから、東京で録るってなって、移動できなかったから、立ち会えなくて。
みさき:私は逆に声なししかやってないので、アニメ見たとき、かなり違和感ありましたけどね。ほとんど、私アニメ見てないんですよ、実は。
麻枝:マジッすか。
みさき:マジッす(汗
麻枝:だって、おれ、自分で録画したの見直して、何回もダーーッ!って泣いてる。18話から21話が神懸かり的な出来で...。
みさき:その麻枝さんが褒められてる部分だけ見て、私が考えて考えてできなかったことをやってたから、うわ、悔しい!っと思って、それから見なかったですね(爆。やられたー!って思って(笑。○○を強行した、あのへんのやりとりとか、上手いことをフォローされてて。
麻枝:あー。
みさき:あのへんはうわーやれれたーって思って。泣きましたけど。
麻枝:別の意味で?(笑
みさき:いやいやっ、普通に感動して泣きましたけど、ちょっと悔しい感じがしましたねぇ。
麻枝:でもクリエイターからしてみれば、すごく贅沢な話で。あれだけのものにしてくれたら本望もいいところで。
みさき:渚が○んだ以降が見てみたいなって思うんですけど、見逃しちゃって、DVDのを買うのもなーみたいな、もらってないし(笑
麻枝:まあ、繋がり的にはもらえないですよね。
みさき:そうなんですよ、雑誌社を挟んでるから、関係ないところだから(苦笑。自腹で一期だけ買ったんですよ。
麻枝:肉、どんなけ食いますか? もういいんですか?
みさき:じゃ、あと一切れだけ。
麻枝:熱いうちに食ってくださいね。自分の描いてる物語がアニメになってるのに見てないってのはすごいですね。
みさき:私ですか? 私は違うじゃないですか。なんだろう...原作があってのものだから、私が描いたぞ!とえばれるようなものじゃない感じがすごいあるんですよ。8巻出たんですよ、すごいねー!と言われて、でも私は原作付いてるのを漫画にしただけだから、そんなそんなーって、感じですねぇ(笑
麻枝:でも、RUSHの中じゃすごい売れてるんじゃないですか?
みさき:結構すごい感じですね。他のがわかんないですけど。相当頑張って、あんだけ長いこと描かさせてくれたこともすごい...
麻枝:それはもうみさきさんの力ですよ。何物でもない。
みさき:(笑
麻枝:読者アンケートとか届くんですか?
みさき:届いたことないです。見たことないです(笑
麻枝:ひどい話ですね(笑。よくあるじゃないですか、○○先生に、応援のお便りをって。
みさき:柱とかに書いてありますね。見たことないっすよ(笑
麻枝:それは実際に来てないのか、編集のほうの都合なのか。
みさき:うーん、編集ではないと信じたいですね(苦笑。一応、私個人サイトを持ってるから、メッセージとか直に来ることとか、後はコミケ会場で直接、会って話して、買いました、っていうのはありました。お便りはもらったことないです、ほんとに(笑
麻枝:でも、みさきさんって、ものすごい昔からですよね?
みさき:そうなんですよ。ものすっごい昔からなんですよ。そのへんもいろいろ聞こうと思って(笑。Key以前とか聞いたらちょっとまずいですか?(笑
麻枝:大丈夫ですよ。
みさき:私あの、ONEのプレステ版が出た頃からです。相当古いです(笑
麻枝:おれは、あの、「乙であります」のアスキーアートの人じゃん!って、おれ、あれで知ったんですよ。あれ? これ「乙であります」の人じゃん?って(笑
みさき:私ぜんぜん知らないですよ。いつの間にかアスキーアートになってて、へーって(笑
麻枝:おれ、だから、ウチのNa-Gaくんにずっと訊いてたんです、絵だけは知ってたから、この絵描きさんは誰だろうって? すごくいい絵だったから、絵を描いてる人を知りたいって。で、Na-Gaくんもわからないですねぇ、って結局わからず仕舞いで。後でわかったんですよね。みさきさんだと知った時は、えーっ!て驚きましたね。
みさき:そうなんですか(笑。すごい複雑ですよね(笑。でも、存在はアンソロで名前とか知ってもらえたんですよね?
麻枝:そうですよ。クラナドのアンソロで知ったんですよ。たぶん、遅いと思うんですけど。
みさき:結構以前にAIRとかも描いてたりしてたんですよ、ちょびっと。それから、Fateがすごい来たから、TYPE-MOON系ばーっと描いたりしてました。クラナドのアンソロ、ほとんど出てなかったですよね?
麻枝:そうそう。そういう寒々とした時期があったんですよ。酒どーしよーかなー。
みさき:早いですね、お酒が。後、聞くことをほんといろいろとメモ帳に書いてきたんですけど、忘れてしまいそうだったから...
麻枝:おれも、インタビューで聞かんといかんなあということをノートに走り書きはしてきたんですか、そっちから聞きますか?
みさき:えー、うーん...
麻枝:でも、順番的にはおれから聞かんとおかしいんですよ、クラナドのコミックのお疲れさま会なので。ちょっと酒、頼むんで。
みさき:あ、来る直前に思い出したことがあって、そういや、ダイエットはどうなったんでしょう?
麻枝:成功しましたよ。
みさき:あ、そうなんですか、あれ以降、記録が途絶えた感じになってから...
麻枝:最近、日記の内容的に、最後に体重なんて記すと、興ざめする感じの流れになってたから...
みさき:ああ、書かなかったんだ。
麻枝:肉体改造に成功して。でも、今は70キロあるかなあ? 一時期はずっと60キロ台をキープしてて...
みさき:麻枝さん、身長いくつですか?
麻枝:おれは、178かな。体重でいったら、74キロぐらいあってもいいんだけど、お腹が出てるがイヤだったから、すげーダイエットしてて、シェイプボクシングで完全に肉体改造に成功しましたね。68キロとか、体脂肪率15%とか。梅酒ってなんなんですか? 福岡は梅酒なの?
みさき:梅酒多いんですよ。居酒屋行ったら、梅酒相当種類多いんですよ。
麻枝:おれ、ウィスキー呑みたい。
みさき:(笑 結構どれでもいける感じなんですか?
麻枝:日本酒はあんまり呑まないけど...
みさき:ウィスキーが呑める大人なんすね...私、カクテルしか呑めない...
麻枝:いいじゃないですが、女の子らしくて。
みさき:最近、ビールがやっとちょっと飲めるようになったぐらいで。
麻枝:炭酸が苦手でビール呑めない人って多いですよ。
みさき:そうなんですよ、炭酸苦手なんです(笑。
麻枝:焼酎は、すんげー美味しいのを家で呑んじゃってるんで、何呑んでも、それに劣っちゃうっていう...。あ、角瓶があるのか。角瓶のロックで。

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麻枝:じゃ、おれから質問しますね。
みさき:相当緊張する...(汗。
麻枝:大した質問じゃないっすよ。クラナド4年の連載を終えて一言。
みさき:終わったなーという。
麻枝:それはどういう?
みさき:ちゃんと無事に描ききって、ほんと終わって良かったーって。
麻枝:達成的な? やりきった的な?
みさき:やりきった的なほうですね。やりきって、描くことがなくなったから、ちょっと寂しいですね。
麻枝:今、おれもAngel Beats!の...ちょっとAngel Beats!の話も挟んでおかないとまずいですけど、Angel Beats!の開発日誌なんで(苦笑、Angel Beats!の本読みが後ちょっとで終わっちゃうんで、そういう今まで延々と続けてきて、すげぇ大変だったけど、なくなるという喪失感はものすごいだろうな、というのがあって、逆にどうなんですか? そういうクライマックスにかけて、もうすぐ終わるんだ、とか逆に恐さとか。
みさき:いやーあの時はですねー、一ヶ月、一ヶ月が怖くて、〆切がどんどん来るじゃないですか。いつもすっごいぎりぎりだったんですよ、私。だから、なんかちゃんと自分が話を描けてるかどうかわからないまま突っ走ってた感じなんで、ほっとしました、ほんとは。やり遂げたはやり遂げたけど、よかったかな?も強かったので。ほっとしましたね。
麻枝:ファンも納得できる終わり方になってて、評価もすごくよかったし、おれも、これはすごく上手いことやられたなあ、と思ってて。
みさき:あれをほんと、こうしようと決まったのが、〆切の何週間前で、そっから作業して、ぎりぎりでがーん!って出したから、ほんとそのへんの頃って覚えてないですね。
麻枝:(笑。
みさき:毎月、毎月がほんとギリギリの状態で。どっからどこまでとかなくて、こっからここまでがキリがいいから、こっからここまで描きました!って感じで、それがKeyに行ってたと思いますけど(笑。
麻枝:そうだったんですね(汗 次の質問が、どうやってモチベーションをキープしてたのか。
みさき:あー! 私、やめようと思った時あったんですよ。収集がつかなくて、どうしていいかわからなくて、いっぱいいっぱいだった時に。確か、5、6巻辺り、同棲が始まる辺り、そのへんがなにも大きな事件がないまま進んだから、すごいどうしたらいいんだろう...って思うことがあって、その時、確か一ヶ月お休みをもらったんです。で、休んで...自力で...
麻枝:自力で(笑
みさき:自力で這い上がりましたね(笑
麻枝:すごいな! たくましいっすね、みさきさんは!(笑
みさき:そんな仕事でもらったのに、中途半端で終わらせられないですよ、クラナドですしね。
麻枝:お疲れさまです。
みさき:ほんと、どうやって這い上がったか覚えてないですね(笑 なんだったんだろう...なんか休んで、描かない時間を置いて、趣味の絵を描いたりして、それで楽しくなってきて、仕事に戻った...みたいな。
麻枝:ほんと、これだけ長い期間、コンスタンスに仕事を上げられて、終えられたって、みさきさんぐらいですよ。
みさき:RUSHってマイナー雑誌じゃないですか、それのおかげもあるのかなって思ってました。発行部数が多いと、反応が直で返ってくるじゃないですか。今、それの続きを描いてるのに、この話がダメだった、とか粗を探されると、やる気なくなるじゃないですか。そういう反応ぜんぜんなかったんですよ。単行本出てから、やっと、よかったーみたいに色々言われたのがよくて、それでモチベーションががくんと落ちることがなかったという...
麻枝:でも、無反応でやってたわけでしょ?
みさき:無反応でした(笑
麻枝:それでよくやってたなー。
みさき:単行本出すの、楽しみでしたもん。この単行本ではここを山にしようって。
麻枝:単行本単位で、反響を心待ちにして頑張ってたっていう。
みさき:そんな感じでしたね。6巻辺りが一番キツイところで、なんにもなかったから。7巻以降は、渚が○くなるところですから、描いてて楽しかったです。泣け!と思いながら、描いてて(笑
麻枝:強靱な精神力だなあ...。好きなキャラは? 好きでも動かしづらかったキャラとか。
みさき:朋也。動かしづらかったです。描くのは好きなんですけど、自分も得意だと思って描いてたら、あまり格好良くない言われて、ショックだったんですけど(笑。朋也は、あーだこーだ考えるじゃないですか、主人公だから。そのへんの理屈が通らないとやっぱ動かせなくて、途中で他のキャラに助けてもらったりして話をなんとか動かした感じですね。
麻枝:基本的に、朋也は引っ張るタイプではないので、主人公としては使い勝手が悪いかもしれないですね。基本、やる気がない人間なので。
みさき:(笑 他のキャラは動かしやすかったです、割と。芳野さんがちょっときつかったかな? 動かしづらかったかな。
麻枝:単に苦手なキャラだったのでは?
みさき:いや、描くのすごい好きなんですけど、カッコイイキャラだったじゃないですか。崩して描いたら怒られる、みたいなのがちょっとあって。
麻枝:声も緑川光さんだし、みたいな。
みさき:ちょっとありますね(笑
麻枝:それが一番大きいんじゃ(笑
みさき:年上のキャラだから、あまり考え方がわからない、みたいな。年上の男キャラは、アッキーも難しかったかもしれないですね。
麻枝:餃子食った?
みさき:食ってないっす。
麻枝:食べてくださいね。おれひとりで六個食ってる(笑 リトバスの恭介もそうですけど、自分より賢いキャラを描くというのが難しいんですよね。
みさき:そうそう! 難しいですよね!
麻枝:芳野さんもそうだし、秋生さんもそうだし、早苗さんもそうだし、みんな、おれより賢いから(笑
みさき:みんな自分よりお利口だから、その考えに行き着くのはどうして?ってなるんですよね。
麻枝:それはおれもあって...
みさき:でも、麻枝さんがシナリオを...
麻枝:書いてんだけど、ぶっちゃけ、おれ、アホだから(笑 物書きのすごいところは、自分より賢いキャラが書けるところがすごいなって思ってて。天才キャラを書けるってのができて、それがおれはぜんぜんできなくて。リトバスの恭介がちょっとそれができた気がして...
みさき:ああ、はい、恭介は、すごい天才系な気がします。
麻枝:自分のキャパを超えたキャラが書けたかなって思って。あれは、やれた!っていう満足感がありますね。
みさき:恭介大人気ですよ。
麻枝:大人気ですね。恭介書いた時に、ようやくシナリオライターっぽいキャラを書いたなって。自分より賢いキャラを書けたっていう。最低限できなきゃいけないことなんですけどね。
みさき:私も酒を頂きまーす。暑い!
麻枝:もう餃子いいですか?
みさき:食べちゃってもらいます?
麻枝:冷めないうちに片づけてしまいますね。
みさき:一回烏龍茶で...
麻枝:一度クールダウンを?
みさき:いっぱい話した気がするけど、まだ一時間なんだ...
麻枝:まだまだっすよ。刺身盛り合わせを行ってみようかな...。
みさき:美味しいと思いますよ。このへん、市場とかやってるんで。
麻枝:じゃ、食べてみます。ほんとは、こっちの八種の高いほう行きたいんですけど、高いなー(汗 ケチで申し訳ないですけど(汗
みさき:いえいえいえ...
麻枝:こっちは四種か...。こっちにしとくか。
みさき:麻枝さんの庶民派な一面を見てしてしまいました。
麻枝:おれ、貯金が減っていく一方で...先月、おれCDだけで7万使ってる。
みさき:すっごいですよねぇ!
麻枝:CDが一番の魔物で、おれ、ストレス貯まるとCD買うから、レコーディングから帰ってきたら、10枚ぐらいぶわあ~って注文して。
みさき:不思議なんですけど、全部聴けるんですか? 散々訊かれてると思うんですけど。シナリオ書きながら聴くって言ってたじゃないですか。それよく書けるなーって思って。私、ネームする時は絶対無音じゃないと描けないです。
麻枝:おれは逆に気分を盛り上げるために、シーンに合う曲をかけます。
みさき:歌詞とか入ってこない?
麻枝:入ってこない。逆にいえば、えーと、厳選の刺身の盛り合わせと。えーと...四種...はい、そっちで。
みさき:烏龍茶で。
麻枝:また、庶民的な一面を見せてしまった...。通ってれば、おれは高いほういってたんだけど、店員が「四種ですか?」って訊いてきたから思わず「そっちで」って言ってしまった(汗
みさき:親近感湧きますけど(笑
麻枝:ぜんっぜん金銭的な余裕はないのでおれは(汗
みさき:日記見てると心配なってきますけど。ちゃんとご飯は食べてるのとか。
麻枝:毎日、天下一品とか。大丈夫ですよ。
みさき:ジャンクフードですね。
麻枝:うーん...刺身じゃなくもっと食い応えがあるもんしとけばよかったかなあ。今、1200円押さえられたので。盛り合わせ八種じゃなく、四種にしたので。唐揚げ、食ったろか。
みさき:すごい(笑 今から本格的に。
麻枝:ここでチキン南蛮食ったろか。
みさき:それはご自由に(笑
麻枝:それはやばいな。味噌キャベツでも頼むかな。(ガタッ)
みさき:手にきてますよ。
麻枝:悪いけど、おれは決して酒に強くはないので。
みさき:酔わないと、喋れないという。
麻枝:そうそう(笑。で、どういう経緯でこのコミックの連載が始まったか、ということですけど。
みさき:パルプライドさんから話がきて、一日考えて決めましたね。最初はほんと、えーどうなんだろうって思って。できるかどうか不安だったから。
麻枝:連載って一回も...
みさき:したことないですよ。ずっとアンソロだったから。一ヶ月12ページからいきなり28ページだったから、思い切ったなあって、最初は。でも麻枝さんの名前が出てたから、指名で言われてたんですよ、って言われて、じゃあ無茶しようって思って。それでですね。

taidaan02.jpg

麻枝:追加で、肉味噌キャベツと黒桐嶋のロックお願いします。(刺身を食す) うっま!
みさき:麻枝さんの名前が出てなかったら...
麻枝:断ってた?
みさき:いやそんな、だって、Keyの新作ですよ?
麻枝:だって、当時、ぜんっぜん...
みさき:だって、それがおかしいですよ。
麻枝:誰も注目してくれなかったから。
みさき:Keyのアニメ化はすごい大きいですよね。Key関係のアニメ化はその後だったような気がするんですけど、それで、なんかKeyすげーみたいな。
麻枝:そうそう、京アニさんが、AIRをアニメ化してくれたから、AIRが神格化されたみたいな。それまではAIRだってぜんぜん。
みさき:私はほんと、もう、前からKeyにどっぷりはまってたから、それ言われただけで、あのKeyが!?みたいな感じでしたけど。今はそういう人じゃない人でも、それが伝わってるという...すごいですよね。
麻枝:そう。京アニさんのおかげ。
みさき:あ、そういえば、Angel Beats!どこになったんですか? って、聞いていいんですか?(笑
麻枝:○○。
みさき:あー。
麻枝:○○やってる。
みさき:あーあーあー!
麻枝:ハイクオリティでしょ?
みさき:うんうん。こっちで放送するのかな~?(笑
麻枝:多分しない。申し訳ないですけど(笑
みさき:がっかりだ!(笑 アニメのほうは、仕事ハードな感じがしますね。
麻枝:どんな意味で?
みさき:今、本読みで出張行ってるじゃないですか。ゲームは納期があるけど、一回一回ごとに打ち合わせだとかやってるから、それは疲れるだろうなって。
麻枝:別におれが東京にいたら、普通の仕事で済む話なんですけどね。おれが大阪に居るから出張続きで大変なだけで。みんな東京だから。
みさき:アニメ関係、ほんと疎いんで。
麻枝:おれも初めてなんで、門外漢もいいところだからさ。こんなにすごい密にやるんだって、驚きがいっぱいで。ゲームだと自分で演出できるけど、普通のアニメでは脚本を納品したらそこまでらしいのだけど、今回は絵コンテにも特別に口出しさせてもらってるんですよ。でも、今までは1からディレクションしてたから。
みさき:それが向こうの本職の人たちに...
麻枝:うん、曲までは書くけど。
みさき:いろいろ自分の頭の中で出来てたものが実際どうなるのか、恐いですよね。
麻枝:第一話の絵コンテで、大体、あーこうなるんだ、というのはわかってきてるんですけどね。アニメは今まで自分が作ってきたゲームとはやり方がぜんぜん違うからわかんない。ゲームなんて、すごいこだわりで演出してたから。CGの発注も、どのぐらいの明るさとか、ここに光入れてとか。
みさき:そんなんもやられてたんですか? そっちのほうがびっくりですけど...(笑
麻枝:おれのディレクションは多分ねぇ...(肉味噌キャベツが届く)

taidaon04.jpg

麻枝:うお、結構な量...もうこれだけでイケそうですね。これをひとりでメリメリ食べてます。(メリメリ...)おっとっ(肉味噌を落とす)
みさき:中に(笑
麻枝:肉味噌入り黒霧島になってしまった...。
みさき:黒糖梅酒ください。
麻枝:うっま! なんやこれ?
みさき:キムチですか?
麻枝:いや、ここに載ってたやつ。よくわからん。はい、クラナドの魅力。
みさき:魅力? 唐突に(笑 魅力ですか...。登場人物、全員にストーリーがちゃんとある。
麻枝:ああ、付けましたね。みんなで頑張りましたよ。
みさき:私聞きたかったんですよ。どうして、そういうゲームを作ろうと思ったか。最初0から考えた時に、無理!ってなるじゃないですか、絶対。
麻枝:いやいや、脇役を作りたくなかったんですよ、おれは。
みさき:最初っから全員に?
麻枝:最初っから企画の時点で。
みさき:それはすごいなあ、と思いました。よくあの人数をエンディング作ってやったー、というのは。
麻枝:おかげで3年もかかりましたけど(苦笑
みさき:すごかったですよ。魅力っていったら、そこかな。
麻枝:町の物語だったんで。
みさき:あ、町の時間の流れがちゃんとわかるんで、よかったです。アフター入ってからとか。アフターからがやっぱ本番かなあって私は気がしますけど。学園編では智代シナリオが一番好きなんですよ。
麻枝:当時確かに、発売前は智代、自信あったんですけどねぇ...。
みさき:最初のプレイが智代シナリオだったんですよ。で、あの冬のCGですよ、コート着て立ってるやつ。うわーって。
麻枝:自分の中では智代シナリオは初めて書いた純粋な恋愛物語だったんですよ。それまでは家族ものだったり、ファンタジーとか。そういうの一切関係なく、恋愛だけで勝負できる一本が書けた!って自信があったんですけど、ユーザーの反応はイマイチでしたね(汗
みさき:どちらかというと、智代が男らしい、みたいな反応でしたよね。
麻枝:でも、智代、10th記念ボックスの人気投票でも一位取ってて、うお、人気あるんだ!ってびびって。
みさき:多分、朋也の行動に不満を覚えた人が多いとか。
麻枝:あれ、まんまおれなんでね(笑 あんな感じなんで、鬱屈とした感じが(笑
みさき:あれ、すっごい感動したんやけどなあ(笑
麻枝:当時から言ってるのは、智代シナリオで感動できるのは、おれと一緒の性格という(苦笑
みさき:恋愛に関しては私もそんな感じで...(笑 去るものは追わず、みたいな(笑
麻枝:あとは、コミック版で力を入れたところとか、見せ所とか。
みさき:仕事のシーンですね。朋也の。あそこは頑張った感じが...。あそこはやっぱ、学園編からいきなり変わるじゃないですか。そこはやっぱり印象強かったんで。
麻枝:そうですね、原作でもそのへんの今まで秋生と早苗の庇護の元で...
みさき:ぬくぬくとしてたりと...
麻枝:そうそう。そのへんはおれも確かに原作では意識してましたよ。
みさき:それをやっぱり漫画を見てる人にもそういうの味わってほしいなって。そこは結構資料とか買って描きましたね。なんか本屋さんで、電気工の何級とかのぜんぜんわかんないんですけど(笑、ペンチとか写真載ってるから、そんなんちゃんと見ながら描いたりして(笑
麻枝:おれも、「初めての出産」みたいな本買って(笑
みさき:私も読んだりしましたね、そのへんも(笑 仕事編と、出産の辺りかなー。本とかいっぱい読んだのはそのへん。読んでる人たちにもゲームの感動をちょっとでも味わってほしいなあと思って、ずっと描いてたんで。それで気に入ったら、ゲームもやってね、って気持ちでずっとやってたんですよ。
麻枝:鑑のような姿勢で。ありがとうございます。
みさき:だから私、あとがきでも、ちゃんとゲームをやってください、というのは、どっかで書いてると思うんですけど、そう思ってずっと描いてます。
麻枝:ありがとうございます。あと、アニメ版の話とかあるんですけど、すでに聞きましたね(笑 見てないのか...(汗
みさき:見てないは見てないですけど、私、どちらかというと、劇場版のほうが好きなんですよ。
麻枝:ああ、言ってましたね。
みさき:劇場版のほうがぜんぜんよかったですよ。よかったというとちょっと違うんですけど。クラナドか?って言われるとまたちょっと違うんですけど。劇場版のほうが、やっぱりストーリー的な盛り上がりとか考えた時に入っていける部分がすごいあって。野島さんの朋也のほうが好きです。アニメ版は、アニメから入った人もものすごいいっぱいあるわけですから、アニメの強みってのはいいところはすごいよかったんだろうなーと思いながら......見てないんですけど(笑
麻枝:書いていいんかな(笑
みさき:出産シーンでは、アニメのほうにやられた、と思いました。後はまともに見てないです(笑
麻枝:それ、書いていいんかな(笑
みさき:でも、描いてる人は結構見ないって言うらしいですよ。他のコミカライズの人も見ないですねぇ。
麻枝:あ、角瓶のロックで。
みさき:クラナドの話を自分でえらそうにしてしまったら、悪い気がして言えないですねぇ...
麻枝:あれだけ立派に成し遂げたんですから、自信を持っていいんじゃないですか?
みさき:何かオリジナルを描いていないと、ダメなのかなあって(笑
麻枝:あるみたいですね、アンソロ作家さん的には。
みさき:やっぱりちょっと...所詮二次創作だし、みたいな。コミカライズで公式と謳ってもらえたので、それはちょっといいかなと。でもやっぱり私が頑張って描いて、ここで感動して泣いたよ!というのは自分の手柄にできないですね。
麻枝:まだ三時ぐらいですか?
みさき:まだ二時半ですね。
麻枝:早! だって今日、おれ朝8時起きたもんな。で、9時に家出て。駅について、ふぁーっ!て花屋探して(笑
みさき:ありがとうございます(笑
麻枝:ほんとは大阪で買うつもりが朝早すぎて花屋が開いてなくて(汗
みさき:すごい...花もらうとか人生で初ですよ。たぶん、卒業式でもらったかもしれないけど、それ以来ないっすね。嬉しいです。ありがとうございます。飾ろ。

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麻枝:約束してたんでね。最終巻に寄せたコメントで。花束持ってありがとうを伝えに行くってね。やっと果たせました。半年遅れで(苦笑 飛行機じゃないですけどね、新幹線で。東京より近いなんて思いもしなかった。こんななら、もっと早く来てればよかった!
みさき:(笑 じゃ、流れで...麻枝さん的には二次創作はOKなんですか?
麻枝:それは別に会社が決めることなんで。おれは別に。言っちゃえば、それは盛り上がってくれることに越したことはないので、やってくれることは喜ばしいことですよ。ありがたいです。
みさき:読んだりとかは?
麻枝:おれがコミケとか即売会というものに一回も行ったことはない人間なんで、どんなものかもさっぱりわからないんですけど...読んだことは...ちょこちょこもらい物的に頂くことはありますけど、自分から買いにいくことはないんですね...欲しいですよ(笑
みさき:私を見てくれたのはアンソロジーじゃないですか。同人は上手い人がもっとごろごろいるんですよ。ほんと上手いひとがむちゃくちゃ居るんですけど、その人達をすり抜けて、私が勝ち取ったのが嬉しいと思ってですね(笑
麻枝:嬉しいんですね(笑 後ろめたいんじゃなくて(笑
みさき:嬉しいです。やった!って感じですね(笑。突然ですが、なんで麻枝さんはフリーにならないのか不思議ですね(笑
麻枝:フリーになったら、稼ぎは跳ね上がったりするんでしょうかね。
みさき:そうなると思いますよ。
麻枝:CD買うのに、邦楽は3000円やから高いな~とか...
みさき:そうですよ、いいと思ったら即クリックですよ! なると思いますけど。なんか理由があるのかなって。
麻枝:そりゃ単にやっぱり個人じゃ売れないですから。やっぱりKeyっていうネームバリューがあるから売れるのであって、麻枝准じゃ売れないっすよ。
みさき:そうかなー。そうですかね? でも、Angel Beats!で麻枝准てばーん!て出てるじゃないですか。
麻枝:出てるけど、それは鳥羽さんが掲げてるだけで。
みさき:たぶん、フリーでぜんぜんで通用する気がする、んー。
麻枝:おれのファンって2000人なんですよ。何か出したら買ってくれるって2000人なんですよ。
みさき:あー。わかんないっすよ。他の人だともっと断然あれな人も居ますしね。でも自分で全部動かないといけないからちょっときつくなるんですかね。
麻枝:コンスタントに作品を発表していかないといけなくなるし、田中ロミオさんだって小説たくさん書いてるし、ほんとに筆が速い人でないとやっていけないと思うし、自分はどっちかというとシナリオライターではなく、ゲームを作る人なので、そういう意味ではフリーになって...
みさき:音楽もあるし...
麻枝:いや、結局のところひとりで仕上げられないというコンプレックスがあって、小説が書けたら、そりゃひとりで書いたらいいですし、音楽だったら、他の会社から外注で仕事とってきて、一から曲作って、納品したら済みますけど、自分は商業で出していいレベルに仕上げてもらうというヘルプが必要なので、それはフリーでは利かないですよね。会社に属していると同僚が手伝ってくれたりとか、そういうのがあって、商業で出せるんであって、自分はある意味プロフェッショナルではないので、そういう意味では自分はサラリーマンが似合ってるなって。
みさき:割と私、いけそうならいっちゃうタイプなので(笑 がーんとひとりで(笑 慎重...やっぱ、そうなるのかー。
麻枝:ひとりで動いて売った時に、売り上げ突きつけられるのも恐いし。新作のゲーム出したら、2000本!みたいな(笑
みさき:それは絶対ないと思うけど(笑 ショックですね。
麻枝:おれの調査では、おれのファンは2000人って自覚してるので。
みさき:それはないと思うけどなー。私、同人で売るじゃないですか。それですら半分は居ますよ。私のファンだといってくれる方。
麻枝:肉薄してるじゃないですか!
みさき:(笑 だから、絶対ないですって(笑 同人で一度流通させたらわかると思うんですけど。
麻枝:だから、フリーになって、2000人のお客さん相手にやっていこうと思うと、どれだけ短いスパンで作品を提供していかないと食っていけないかって話で。だから、今のゆったりとした創作ペースでは絶対ダメで、馬車馬のように働かないとフリーになったら食っていけないなって自覚してて。
みさき:でも会社に属してたら、作品を次々に出す、というのも難しいじゃないですか。個人だったら、作ったら、すぐ発表、すぐ発表ってできるじゃないですか。会社だったら、手続きが色々あって、それで余計スパンが伸びるみたいな。
麻枝:ゲームってやっぱり...
みさき:ゲームは長いですよ...
麻枝:二年以上かかっちゃうんで、その間モチベーションを保つのはものすごい大変だし...
みさき:ゲームは反応がすごい後から来るから、わかんないですよね。
麻枝:ゲーム制作は...ほんと辛い(笑
みさき:(笑
麻枝:精神衛生をチーム内で保っていくのが、すごく難しくて...だから、なかなかたぶん、メインメンバーが同じで何年間もやってるって、奇跡的っていうか...暑いっすね!
みさき:暑いですよ。結構、朝、雨降るかと思ったんですが...(ガラガラとブラインドを閉める)
麻枝:曇ってましたね。
みさき:よかったです~。(ガラガラ)今日こっち雨って書いてあったんですよ、午後から...(ガラガラ)
麻枝:何を引っ張れば閉まるのか、さっぱりわからない(笑
みさき:引いてみてください(笑 あ、それです。
麻枝:(ガラガラ)あ、涼しっ。
みさき:(笑 私、だいぶ気安く話しかけちゃってる感じなんですけど、ほんと尊敬してますから(笑
麻枝:え? そんな改めて言ってもらわなくても(苦笑
みさき:いやいや、改めて言っとかないと、なんか、失礼じゃないですか(笑
麻枝:そんなことないですよ、1サラリーマンですので。
みさき:あ、烏龍茶お願いします。
麻枝:もう呑まないんですね。
みさき:や、交互に(笑。結構、かなりいい感じに回ってるんで、私(笑。昼間からこんなに呑んだの初めて(笑
麻枝:(笑
みさき:何かまだあります? 訊くこと。
麻枝:んー。ま、Key作品を描き始めたきっかけとか。ONE?
みさき:ONEですね。一応、私、MOON.まで全部やってますよ。
麻枝:ありがとうございます。
みさき:ONEで無茶苦茶泣いたんですよ。その頃、学生から専門学生になって、就職しての流れで、何もできない時期があったけど、また戻ってきた時にKanonがちょうどすごい時期で。それから、あ、そうだ、前あそこでONE作ってたところだって...
麻枝:まあ、そのへんはおれの功績ではないのだけどね(笑
みさき:(笑
麻枝:満たされちゃうと、創作活動は止まってしまうかもしれないですね。ファンにちやほやされてるわけでもないし、ものすごいハングリー精神を持ったままがー!って動き続けてるので、だからこそこうやって延々と作品を作り続けられてるのであって、ある程度満たされたり、周りでちやほやされたり...
みさき:あの、それはね、確かに危ないと思います。ちやほやされるとすっごい気持ちいいですけど(笑
麻枝:おれ、ほんっっとにファンと接したことがなくて、2月の10thフェスで、初めて、おれのファンてこんなに居たんだ!って(笑
みさき:それ応募総数って...
麻枝:○○...
みさき:やっぱ2000人近くだ...(笑
麻枝:そう、そこでまたおれのファンは2000人説が裏付けられた(笑
みさき:そんなバカなと思うんやけど(笑 都内の人がそれぐらい...
麻枝:いや、遠方からも来てくださいましたよ?
みさき:行きましたねぇ(笑
麻枝:Keyのファンは何万人と居るかもしれないですけど、麻枝准のファンは2000人なんですよ。それでも贅沢な...シナリオライターなんて日の目を見ない時代の頃からの人間なんで、ありがたい話なんですよ。
みさき:そうかー。でも、麻枝さんがコミケに行くとかなったら、もう、ものすごいことになりますよ?
麻枝:想像付かないっすよ。ほんとに。
みさき:私も、写メとかで会場入る前の人ごみとか撮ったりしてるんですけど、あれが自分の元にわーって来るのを考えるとすっごい気持ちいいですよ、やっぱり。
麻枝:来るんですね。
みさき:いやいや! 私はそこまではないけど、10時から販売が始まって、4時までなんですよね。その間に知り合いが何人か、みさきさーん、こんにちわーって、本持ってきて、うちで作った本ですけどよかったら、みたいな。うちも、出した本をこれよかったら、みたいな交換会というか、あって。で、ちょっとテンション上がるじゃないですか。すごい楽しいですけど(笑 コミケの後は燃え尽きるですけど、あれのすごい大規模のやつって考えたら、ちょっとどうにかなるかもしれないですね(笑 なんか、もう、たぶんコミケ出たら、それだけで...年二回コミケ出るだけで生活できる人も居ますから。会社に属するメリットも逆になくなるとか、あるみたいですけど、そういう人は居なくなったりする可能性も結構高いので、恐いですよね...。麻枝さんはそのままで...。
麻枝:おれはファンにちやほやされることなく地味に作品だけをせっせかと...
みさき:(笑 たまに、ご褒美とかでファンと接する機会もあると嬉しいんですけど。ファンとしても、あの麻枝さんが、と思うし...えへへへへ(笑 とか思うんですけど(笑
麻枝:まだまだっすよ。みさきさんとか、ウチのコアなファンだからこそ、そう言ってくれるのであって、別にそんな大した人間じゃないっすよ。1サラリーマンですよ。
みさき:それがなんか違和感がある(苦笑
麻枝:月給もらわないと暮らしていけない人間なんで。
みさき:ふふふ...そうかー。んー。まあ、でも、会社に属してるのは抜きにして、同人とかで一回なんかやると楽しいですよ。
麻枝:まあね、確かに楽しいかもしれないですね。
みさき:ふふふふ(笑 まあ、気が向いたら(笑
麻枝:これからの目標は?
みさき:オリジナルですね。
麻枝:ですよね。麻雀ですか?
みさき:麻雀でいけたらいいなーみたいな感じです。
麻枝:麻雀好きなんですか?
みさき:好きですよ。私、小学校の時から打ってるので。
麻枝:おれも小学校の時からですよ。
みさき:家族で?
麻枝:そそ。まったく一緒。
みさき:私、あまり計算はできないですけど、役とかは普通にできる感じです。あまり、その、学生時代に打った記憶がないので、今ちょっと相手を探してる。
麻枝:そうそ。おれも今、打ちたくても、相手がいないっていう。
みさき:いないですよ、ほんとに! やります? ふたりでとか(笑 雀荘とか気になるんですけど、絶対無理だなっとか(笑
麻枝:そうそ。ちょっとハードルが高いですよね。
みさき:高いですよね(笑。今、PSPでネット対戦ができるらしいってのを聞いて、それだったらいいなとか思う。
麻枝:でも、やっぱ生で...
みさき:生でやりたいですよねー! 並べて、こう、ぴるってしたいですよね? ドラ回し。ゲーセンとか、あるじゃないですか、やったりします?
麻枝:いやいや、申し訳ないですけど、生の麻雀以外興味ないので。
みさき:私もぜんぜん...。最初ちょろっとやったですけど、それから全然...。麻雀漫画を知らない人でも楽しめるやつを描きたいと思ってるんですよね。ハウツーじゃないですけど。そんなんが描けたらいいなあと思って今、資料を読んでる感じですね。
麻枝:デビュー作が...(笑
みさき:でもそっか、デビュー作がそうなったら、麻雀になるのか。クラナドがやっぱ、ですねぇ、でかいじゃないですか、すごい。
麻枝:ファン的にどうなんですかね? 麻雀って(笑
みさき:えー、別に大丈夫じゃないですかね。
麻枝:案外、おれらのお客さんの層って麻雀のルール知らないですよね。
みさき:あ、そうなんですよ、あんまできる人いないんですよ。おれ知らない、みたいな。ただまあ、今言ってるだけで、まだ雑誌社さんにもぜんぜん相談ちょこっとした程度で、実際プロットとか描いて持ってたら、これはちょっと...と言われる可能性もありますけど(笑
麻枝:たぶん、編集さん的には「ん?」ていう(笑 「麻雀?」(笑
みさき:だから、学園モノにしてしまえばいいとか、いろいろ(笑
麻枝:ああ、手はある、という(笑
みさき:ちなみにAngel Beats!に関することは...あまり...
麻枝:いいですよ。
みさき:ブログでは語らない...?
麻枝:いや、Angel Beats!に関しては、むしろ、盛り込んでおかなくちゃいけない場なんで(苦笑 おまえら、こんなところで何話してんだって話で(苦笑 とりあえず「Angel Beats!プレゼンツ」とか意味もなくタイトルに付けておきましょうか(苦笑 ほんとまったく意味わかりませんけど。
みさき:ファン的にはどこらへんまで麻枝さんが関わってるのかという...。
麻枝:脚本家の域を超えて、ちゃんと絵コンテまで口出せるように鳥羽さんが整えてくれましたから、たぶん、アニメの制作現場では、一番、脚本家としては口出せるレベルまで食い込んで口出させてもらってますよ。
みさき:おー。あの、アニメのエンディングロールでは、すごい麻枝さんの名前がいっぱい出てくるとか(笑
麻枝:そんなことはないっすよ!(笑 アニメって、ものすごい人数が関わるから、百人近い...。
みさき:あー、そんなにいっぱいいるんですか。
麻枝:ゲームとかだったら、そうかもしれないけど、アニメは大丈夫ですよ。そんなことには(笑
みさき:あー、それ見れたら面白いなと思ったんですけど(笑
麻枝:ないですよ。知れてますよ。原作・脚本、後、音楽がちょいちょいみたいな。
みさき:エンディングやオープニングももちろん麻枝さんですよね。
麻枝:はい。
みさき:アルバムとかもばんばん出す感じになるんですよね?
麻枝:ばんばんは出さない(笑
みさき:ばんばんは出さないっすか(笑
麻枝:ばんばんは出さないっすよ(笑
みさき:私、Love Songがものすごいよかったと思うんですけど...
麻枝:ありがとうございます。
みさき:あれ、一番好きなんですけど、あの、ああいう感じとはぜんぜん違いますよね?
麻枝:今回学生バンドがやってるというのがコンセプトで、等身大っていうことを念頭に楽曲作りをしてるので、Love Songみたいにはならないっすね。
みさき:割となんだろう...言っていいのかわからないですけど、一般向けみたいな方に行ってる感じ?
麻枝:そうですね。目指すべきは、いわゆるおれの敷居の高さがなくなったらいいと思ってるので。
みさき:わーすごい。来年、すごいことになってそうですよね。
麻枝:来年っていうかね、今月の30日がすごいことになってそう(笑
みさき:(笑
麻枝:いったいどーなんねんて(笑
みさき:30日にどうなるんですか?
麻枝:30日にG'sマガジンであらゆる情報がばーっと出るし、アニメ絵も出るし、制作会社も出るし、監督の名前も出るし、SSもスタートするし、同時に殺伐ラジオの第二回も配信されるし、ほんと、ユーザーにしたら、どれをネタにすればいいかわからん!みたいな(笑
みさき:小出しにしないんですね。
麻枝:ちょっと殺伐ラジオが強烈すぎて(笑
みさき:あははは(笑 相当楽しみです(笑 KIMELLAの音源は何を流したんですか?
麻枝:KIMELLAは、三曲流しましたよ。
みさき:本当ですか? すっごい聞きましたけど、本当に、本当にアレでした(笑
麻枝:みんな、それしか言ってくれんからな、もう! 素の感想がない!という(苦笑
みさき:私も世代にちょっと入る感じで、ウチの兄とかが聴いてたんで、ああ、なんか懐かしい、という(笑 あれ、歌ってるのはあの中川さん?
麻枝:うん、中川。
みさき:あれ、日の目を見るとか、ライブとかしたんですか?
麻枝:してない! テープ配っただけ。それも100本とか、そんなレベル。そんな、何千人に聴かれる日が来るとは思ってもみなかったという(笑
みさき:(笑 そしたら、ほんと、30日すごいですね。
麻枝:ちょっとしたお祭り(笑
みさき:お祭りですね(笑
麻枝:そういや、ペルソナは買ったんですか?
みさき:ああ、薦めてくれたじゃないですか、すごい興味が湧いて、ちょうどもうすぐPSPで3が出るんですよね?
麻枝:出る出る。
みさき:そうしたら、ちょっと買ってやってみようかな、と。
麻枝:あれ、音声カットされないんかなあ?
みさき:ああ、PSPで? でもPSP、意外と喋りますよね。
麻枝:あー、おれ持ってないんで、わかんないだけど。
みさき:喋りますよ。
麻枝:DSは喋らないんですよ。
みさき:あー。
麻枝:ペルソナ3から行きますか。
みさき:4は最近出たばっかだから、ちょっとまだ待とうかな、と。もうちょい待ったら中古とかで...それこそまた移植もされるやろうし...ほんと中古になって2000円ぐらいになったら買いたいぐらい。
麻枝:なんなんですか、その、おれに負けない金銭ケチぶりは。
みさき:(笑 買えないですよ、そんなの(笑 RPGが苦手なんですよ、そもそも。
麻枝:だったら、4のほうがいいかも知れないですよ? 3は結構戦闘ばかりで...。
みさき:アトラスのゲームって難しいイメージがすっごいあるんですよね。
麻枝:でも、3から易しいキャラゲーライクなものになったので。
みさき:絵が変わった?
麻枝:システムも全部ですよ。悪魔を仲魔にするシステムもなくなりましたから。
みさき:そうなんですか、なくなったんですか。そういうのがあるって聞いてたから、するんだと思ってた。そうなんですね。じゃあ、4見つけたら、買おうかな、みたいな(笑 感じですね(笑
麻枝:キャラ萌えは、おれ的には3のほうがいい。
みさき:なんでですか? 最萌えキャラが?
麻枝:そうそ。
みさき:(笑 あ、今は、他にゲームとかやってるんですか?
麻枝:今は、アークライズファンタジアと、マグナカルタ2やってます。言っても、どっちもわからないでしょうけど。
みさき:ぜんぜんわかんないです。何ゲームですか? コンシューマーですか?
麻枝:うん、コンシューマー。おれ、コンシューマーのRPGしかしないので。
みさき:あれ、ぜんぜん聞いたことない(笑 この質問は、一応...ゲームとアニメと漫画を訊こうかと。でも、ゲームとアニメは私がそれぞれ疎いから、訊いてもあんまりわからないという欠点が(苦笑 アニメは? コードギアスは見ましたか?
麻枝:見てますよ。全部見たんですか?
みさき:私、最終回だけ見ました。
麻枝:あー!!
みさき:もったいない(笑
麻枝:こっちのセリフですよ!!(笑
みさき:ちなみにBLとかについてもどうなんですか?という質問があるんですけど...(笑
麻枝:(笑 リトルバスターズに関してはそういう需要も念頭に置いて...そういうファン層も広めたいな、というのがあって。
みさき:確かに選択肢が怪しかったですもんね。へー。じゃ、今、最近、クラナドとかでもありますけど、それも?
麻枝:いや、クラナドの時期は、BLってのはぜんぜん意識してなかったですよ。
みさき:や、最近、アニメ以降に入った人とかはすごいですよ。
麻枝:え? 誰と誰?
みさき:え、春朋とか(笑
麻枝:おー。春原朋也は確かに聞きましたね。
みさき:すごい...すごいですね...。私はちょっと苦手なところなんで...
麻枝:それは朋子にしちゃえばOKなんですか?
みさき:ああ、私、性別反転のほうがOKです(笑 そっちのほうがあれなんですけど(笑 これはもう、ちょっと知り合いに訊いてきてって言われたんで、私大してその勢いはなかったんですけど(笑 麻枝さんは、なんかでも、この間のKeyの十周年のイベントでも歌ってるのを見ましたけど、みんな、イメージ的には芳野さんですよね、っていう話になったんですけど、芳野さんは自分を投影してるとかそういうのはないんですか?
麻枝:いや、あんな男前ではないんで(笑
みさき:なんかあるのかなーって思って。そんなのはないんですか?
麻枝:ないですよ、別に。
みさき:お茶か何かを...。
麻枝:両方からっぽですね。みごとに。次、交互だとお酒なんですけど、お酒じゃないですか?
みさき:いや、ちょっとお冷やを...(笑 お冷やを頂きたいですけど...(笑
麻枝:はい。
みさき:すみません、お冷やを頂けますかー。ふぅ~。えーと、じゃあ...(笑 ああ、漫画読みます? 漫画。
麻枝:あんま読まないですけど...。
みさき:この作家は好きとか。これは私が個人的に訊きたいだけなんですけど。
麻枝:昔は鬼頭莫宏が大好きで。
みさき:おー、すごい読んでます、私も! あの、「なるたる」ですよね?
麻枝:「なるたる」も最初良かったんですけどねぇ...。
みさき:最後一体何がどうなったのか(笑 最終巻だけ「は?」となって、もっかい読み直すみたいな(笑
麻枝:だから、「ぼくらの」は買ってないんですよ。
みさき:そうなんですか。でも「ぼくらの」はもう終わったらしいから...
麻枝:終わりましたよ。
みさき:最終巻はまだ読んでないんからどうなったのかはわからないですけど。
麻枝:なんの翼でしたっけ?
みさき:ヴァンデミエールの翼。
麻枝:あれがおれの中ではすごく名作で、作品作りにも結構影響受けてて、あれ、ちょうどMOON.を作ってる時期の...
みさき:あー、そうなんですか! うわー、私、読んでない。買おう。
麻枝:ええー! ヴァンデミエールの翼、読んでないんすか!?
みさき:読んでないっす(汗 あれ、品薄なんですよ。見かけないというか、Amazonでもなかなか置いてなかったりする感じ。一時期品切れだったんですよ。
麻枝:でも鬼頭莫宏の最高傑作っていうか、ヴァンデミエールの翼は、大傑作ですよ。
みさき:マジですか。それだけたぶん、読んでない。
麻枝:最悪ですね。
みさき:わあぁー!!
麻枝:一番いいところを読んでないじゃないですか。
みさき:マジっすか。買って帰ろうかな(汗
麻枝:見つけ次第ゲットしてくださいよ。
みさき:ここのですねぇ、下に紀伊国屋があるんで、ちょっと探してみていいですか? あるかなぁ(笑 私、新刊じゃないと買うのイヤな人なんですよ。
麻枝:古本でなくて。
みさき:そう。お金入らないじゃないですか。描いてくれた人に。
麻枝:さすがですね。そのへんは物書きなんですね。
みさき:そのへんはちょっと、申し訳ないので買います。
麻枝:ペルソナ4は中古で2000円になるまで待つのに(笑
みさき:(笑 漫画、他には?
麻枝:よく言ってるけど、ギャグ漫画で言ってるのは、あれですよ、おれはですね、苺ましまろが一番好きで。
みさき:あー、読みましたけど、意外ですね(笑 なんでだろう?
麻枝:ラジオでも言ってますけど、ゲーム化になったら、脚本のオファー来い!って思ってた人間なんで(笑
みさき:あー...えー...なんで?
麻枝:なんでって、あの方のギャグを模倣できるのはおれぐらいしかいないっていうヘンな自信が(笑
みさき:投げっぱなしのギャグみたいなやつですよね? あの人の感じだと。んー...。
麻枝:あと、デフォで買ってるのは、無限の住人とベルセルクとシグルイ、かな。
みさき:濃いーっすね(笑 アフタヌーーンって感じの(笑
麻枝:そもそもおれは、手塚治虫が大好きなので、バイブル的なのは、鳥の...
みさき:火の鳥。
麻枝:ええ。火の鳥で。今、鳥の詩って言いそうになりました(汗
みさき:(笑
麻枝:火の鳥はものすごく好きで。
みさき:へー。うち、文庫版ならありますけど。
麻枝:おれ、高校生の時にハードカバーで買って、後に、文庫本で、今持ってるぐらいで。
みさき:あーでも、手塚治虫だとどうしてもブラックジャックにいっちゃいますね。火の鳥は、なんだろう、ひとりひとりが細かく描かれていない...大きな話の中にキャラがいっぱいいるじゃないですか。
麻枝:あー、やっぱりそのへんは、キャラクター描きという視点で見ちゃうんですね。
みさき:見ちゃいますね、やっぱり。
麻枝:おれはやっぱり壮大な物語が大好きなので、ああいう人生観や宇宙観みたいなものを語られるとものすごく弱くて。
みさき:へー。何編がちなみに? 言ってもでるかな。私は宇宙編が一番...
麻枝:いや、宇宙編はいいですよ!
みさき:本当ですか、まさかここで合うとは思わんかった(笑
麻枝:最初のひとりが、永遠にこの場所で回り続ける、という残され方が...
みさき:結局ひとり離れて、なんかいろんな別れがぱぱぱーんて出て...それがそこまで大きく取り上げてないで、淡々と終わっていく感じが...
麻枝:そうそうそう! 
みさき:気持ち悪くって(笑
麻枝:宇宙編はすごく恐いっすよ。
みさき:恐いですよね。
麻枝:あれはちっちゃい頃に読んだら、トラウマになるぐらい。
みさき:それでたぶん印象強いですね。
麻枝:死ぬまで身動きできない狭いカプセルであの小さな軌道を永遠にぐるぐる回り続けるっていうのは、恐い。
みさき:恐いですよね(笑 あー、へー。
麻枝:宇宙編は大好きですよ。もちろん他のも大好きですけどね。藤子F不二雄もすごくて。
みさき:見てないですけど、知り合いが、藤子不二雄はすごい! 深い! とか言って。
麻枝:なんとかのくじってのは、人類が滅亡した世界で、男女が出会って、最後に地球外文明にSOSを発信し続けるために、どっちかが死んで、食料にならなければならないという、もう片方の。
みさき:えぐい(苦笑
麻枝:で、くじ引きを引くんですよ。負けたら、機械に載せられて...それまでようやく食料にありつけた!美味しい美味しい!って食べてた食事も、ようは前に負けた...
みさき:はぁ~(汗
麻枝:ミートキューブって名前で、ミートキューブにする機械があるんですよ、そこには。人間を食料にするための。で、最後、それまでずっとそこに残ってほうの女の子がはずれを引いてしまって、その子が機械に横たわるところで終わる、そんなストーリーを藤子F不二雄は描いてた、という。
みさき:Fの人、そんなん描くんですか。
麻枝:ものすごいですよ。
みさき:そうなんですか、知らなかったです。
麻枝:ほかの短編集でも、どんどんと将来の自分がタイムマシンでやってくるんですよ。みんな、助言してくるわけですよ。今はおれ、こんな悲惨なことになってるから、この時おまえはこうするべきだったんだ、というのを、小学5年生ぐらいの自分に諭すんだけど、さらにどんどん未来の自分が現れてきて、みんなが喧嘩し始めるんですよ。いやいや、おまえの言ってることは間違いだ! そこでそんなことをしたからこうなったんだ!みたいな言い合いになって、最後にその小学5年生の主人公は、二階の家の窓から飛び降り自殺して、全員消えて終わるんですよ。
みさき:恐い(苦笑
麻枝:部屋には誰もいない、って絵で終わる。最初の自分がいなくなったから。
みさき:鳥肌立った...(苦笑 恐いですね、ブラックですね、すごい(汗
麻枝:そういうのを本来描きたかった人だと思うんですよね。
みさき:へぇ~。
麻枝:永井豪のデビルマンの原作は読みました?
みさき:読んでないけど、すごいって話だけは。
麻枝:あれは何がすごいって、デビルマンになったデビルマンがですよ? 悪魔狩りみたいなのが人間の間で始まって、人間が、大量の人間を拷問にかけて吐かせようとするんですよ。拷問室があって、その部屋にデビルマンが入るなり、「うわあああぁあああぁぁぁぁーー!!」って、デビルマンが引くんですよ。
みさき:うわぁ、すごい(笑
麻枝:デビルの男、ようは悪魔の男が、「うわあああぁあああぁぁぁぁーー!!」って人間に対して引くんですよ(笑
みさき:それ、映像は出てるんですか、何をやってるとか。
麻枝:出てる出てる。拷問されてる幼馴染の父親が、デビルマン...なんとかなんとかだ...って言うんですけど...デビルマンが、「うわあああぁあああぁぁぁぁーー!!」っておののいてる姿がね...衝撃的すぎて...
みさき:おもしろいんですけど(苦笑
麻枝:で、ベルセルクでオマージュされてんだけど、デビルマンの幼馴染の女の子まで殺されて、首とか胴とかを槍に突き刺して人間たちが、わー!ってやってくるんですよ。そん時のデビルマンの鬼の形相ってのが、ベルセルクでも完全にオマージュされてて、そん時、心の底からデビルマンが悪魔と化して、ベルセルクのガッツでいうと、怒り以外の感情がない、人ならざる化身になった、という人間の奥底にあるけど絶対出てこねーよ!みたいな原始的な人間の怒りが1コマの大ゴマで描かれてて、受け継がれてるんですよ。
みさき:へぇ~...うわぁ、なんか恐いですね。全体的に恐いですね(苦笑 読むのが(汗
麻枝:おれは楳図かずおとか読む人間なんで。漂流教室とか。
みさき:見ました、見ました。一時期オカルト系にはまった時期があって。神の左手悪魔の右手。
麻枝:強烈ですね。
みさき:あれ強烈ですよね。トラウマになった! あの、祓いにやってくるおばちゃんが門の近くにいった途端、内臓が(笑
麻枝:どばーって(笑 どばどばーって(笑
みさき:私、あれすごいトラウマで、子供の時に読んでて、わー!ってなって、それ以降読めなくて、最近、ほんと何年か前にちゃんと読もうと思って、読みましたけど、やっぱあそこが一番強烈だった(笑
麻枝:おれ、あれ、樋上さんから借りてて、樋上さんがオカルト好きなので、放っておくと、共有フォルダとかに恐いムービーとかどばぁーって入れてくるんですけど(笑、恐いもの好きなんで。おれは樋上さんに神の左手悪魔の右手借りて、全巻読んだんだけど、強烈でしたね。なんか、パイプの上に、足を載せられて、ぼきぃ!!とか折るシーンとか(笑
みさき:うんうんうん、あった(苦笑 なんでそんなことするの?(笑 よくそんなのが描けるね?って見てましたね(笑
麻枝:ねぇ。次はなんですか?
みさき:歌ですね。最近ハマッてるのかとか。でも、私が訊かなくても結構ブログでぽんぽん紹介してますもんね。
麻枝:そうですね。音楽最近聴いてんのはなんかなー。
みさき:以前オススメのCDをありがとうございました。
麻枝:いやいや、あれから続きのオススメしてなくて...
みさき:私も聴くのすごいゆっくりなんですけど、最近ようやくトルネード竜巻を聴きだしまして...よかったですよ、あれ。
麻枝:よかったでしょ。
みさき:たる~んとした感じが、ああ、結構いいな、と思って。
麻枝:あれはおれも中川も大好きで。おれが中川に薦めたら、中川、衝撃を受けて。
みさき:さっき来る途中も聴いてきたんですよ。
麻枝:ミニアルバムですよね? フルアルバムじゃないですよね? インディーズのミニアルバム二枚がいいんですよ。
みさき:あ、そうなんですか。私、平仮名のタイトルのやつが覚えやすかったからそれを入れたんですよ。
麻枝:あれ? ふれるときこえ、ですか?
みさき:あ、たぶんそれです。
麻枝:それはオススメじゃないっすよ。
みさき:オススメじゃないんだ!
麻枝:悪いですけど、このアルバムはぜんぜんオススメじゃないですねー。パークサイドは夢の中はシングルなのでいいですけど。ブレイドも入ってないんですか? 悪いけど、このアルバムはぜんぜんオススメじゃないです。
みさき:マジッすか!
麻枝:それでトルネード竜巻がいいと思われるとちょっとなんか違いますね。
みさき:マジで!(笑 ミニアルバムの二枚ですね。ちょっと帰ってから...入れます。ちょろちょろ気になったら聴くようにしてるんですけど、なかなかメジャーな有名どころとか聴いてもぴんと来ないんですよね。
麻枝:自分のプレイリストで一番最初に入ってるのは「君の知らない物語」。supercellってわかります? 初音ミクのボーカロイドでオリジナルを作ってて、ニコニコ動画ですごい人気があって、それでソニーから声がかかってメジャーデビューしたっていう。で、「君の知らない物語」は、「化物語」っていう今やってるアニメのエンディングなんですけど、この「君の知らない物語」は、脱ボーカロイドをしたsupercellで、度肝を抜かれました、おれは。
みさき:ほー。
麻枝:これはある意味、ショックを受けました。
みさき:(笑
麻枝:ようは今まさにおれがやりたい!っていう音楽をやられてて、こんなん軽々とやられたら困る(笑 歌詞もすげーよくて、ドラマティックで。カップリングもまたすげーいいのが、これまた憎い(笑
みさき:あ、supercellってあれか、初音ミクの一番最初に出た、一番売れたアルバムみたいな。あ、あれがsupercellなんですね。あれはもう初音ミクだと思ってたから(笑 そうなんですね。
麻枝:それで、初めて生のボーカリスト起用したら、ものすごいことになって。初めからやってろよ!って(笑
みさき:曲を作れる人がすごいですから。ちょっと私の周りにも居るから、話とかは聞きますけど、曲作れるのはすごいですよねー。
麻枝:別に曲を作るのは簡単なんですよ。
みさき:そうですか(苦笑
麻枝:ただそれが、大衆にいい!って思ってもらえるかどうかってのは、すごい壁があって、やっぱりほんとに独りよがりって言うか、そこで落ち着いてしまってる人達がいっぱい居るし、すげぇハイレベルなことをやってても、大衆性がなかったら、売れないし、食ってけないし、それは自己満足でしかないから。
みさき:大衆性ですか。
麻枝:うん。おれはそのへんは絶対に供給に応えなきゃってのがあって。ようはサラリーマンなんで、売れなきゃ食ってけないんで、サラリーマンと芸術家ってのは完全に区別してて、おれは決して芸術家ではないので、みんながいい!って言ってもらえるものを供給し続けてるつもりであるし...
みさき:その...大衆...一般受けを狙って、みたいな感じですか?
麻枝:一般受けっていうか、ウチらのお客さんってちょっと特殊で、例えば、今のJ-POPのチャートに上ってる安室奈美恵とか聴くかっていったら聴かないじゃないですか。コブクロ聴くかといえば聴かないじゃないですか。
みさき:聴かないっすよね。
麻枝:だから、そういうところとは違うところで、ウチらのお客さんが求めてる音楽性ってのはおれは、アンテナを張ってキャッチしてるつもりでいるから、そういうのを研究して、今自分についてくれているお客さんに発信する、という。
みさき:ああー。そういうお客さんのニーズに添って。
麻枝:もちろん、おれのコアな部分も籠めますよ。上っ面だけじゃなくて。だって、ウチのゲーム自体がそうじゃないですか。クラナドだって、学園恋愛モノですよ?みたいなことを言っておいて...
みさき:言っときながらね(笑
麻枝:ようは、敷居を下げておいて、買い求めやすくしといて、プレイしてみたり、聴いてみたりすると、うわあ! すげえ!みたいなところを目指してるので。
みさき:うわーすごい。すごい...なんか...ぜんぜん...どうすればそうなるのかがわからない(苦笑 次、これ、人からちょっと訊いてほしいみたいに言われたんですけど、Key以降の十年で自分のテキストや音楽は変わったか。
麻枝:変わってないっす。それはひたすら、Keyのファンが求めるものがずっと一緒だったから。それが変わっていったら、変わってたかもしれないけど、延々と「泣き」一筋だったから。
みさき:変わるとしたらこれからみたいな感じですか?
麻枝:すでに今ある麻枝准というクリエイターの作品傾向が、泣きゲーしかないから、永遠にそれを求め続けられるんだと思うし、求め続けられる以上おれは、食いっぱぐれしないためにも、そういうのを作り続けていかないと、お客さんも一気に離れていくと思うので、やっぱりそういうものを延々と...。何回も言ってるけど、サラリーマンなので...
みさき:うふふふふ(苦笑
麻枝:やっぱり求められるものを供給し続けるというスタンスで。
みさき:会社の枠がなくなって、自分のしたいことをするってなったらやっぱりRPG?
麻枝:だって、それこそ食ってけないじゃないすか。会社の枠がなくなったら。
みさき:いーーー...まー...そうですけど...でも、自分が一番やりたいのは本当はあるのかな?って。
麻枝:だから会社の庇護の下で、守られつつRPGを作りたいわけですよ。ちゃんと月給が出つつ。
みさき:会社ありきのものを作る。
麻枝:そそ。
みさき:なるほど。ほんと、社員の鑑ですね(笑
麻枝:社長も言ってるよ(苦笑
みさき:無茶はしないんですか(笑
麻枝:無茶はしない。社長に対しては恩義を感じてるから。うちの社長の一番すごいところは、ゲームのクオリティが、クリエイターレベルで納得できるまで発売しない、というところで。ほかの会社だと、締めきりはここまで! はい、終わり!って開発を打ち切られて、はい、出しますよ、ってゲーム出して、ユーザーからしてみれば「あれえ? 惜しいなあ...もうちょっと作り込んだら名作になってたのに...」ってのがいっぱいあるわけですよ。
みさき:ありますねぇ。
麻枝:それは、納期的な問題で、ここまでに出さないと経営的にやばいから出すんであって、ウチの社長は、おれらが「出来ました!」というまで出させないってのがすごくて、Kanonからそうだったから。
みさき:ほー...それは、すごいですね。プレイするほうとしてすごい嬉しいです。
麻枝:そういうところですんげー恩義を感じてるから、それを裏切っちゃいけないってのがおれの中ではすんごいあるから、背信行為はしないでおこうと思ってて。酒は頼めるんすかね?
みさき:まだ大丈夫だと思います。
麻枝:黒霧島のロックで。
みさき:殺伐ラジオは相当楽しみですねー。
麻枝:おれのキャラが壊れすぎていて、その反応が恐い(汗 でも、ラジオの感想を言いたくても、その時の最新のブログはたぶんこの対談だから(笑
みさき:そうなんですか、恥ずかしいー! いいんですかね、ほんとに(汗
麻枝:この殺伐ラジオに対する感想をどこにぶつけていいのかわからん、という。それもまた殺伐としてていいかなと(笑 でも第二回であれだけやっちゃったら、第三回めはどうしたらいいのかさっぱりわからないですね(苦笑
みさき:ゲストですよ、ゲスト!
麻枝:そうなんでしょうけど、でもあの中川の次やからなー(苦笑
みさき:ファンとしては、やっぱりLiaさんとかー。
麻枝:Liaさんかー。思いもしなかったなあ(苦笑
みさき:麻枝さんとLiaさんのコンビというかコラボというか...
麻枝:Liaさんは歯に衣着せないで喋るから面白いかもしれんけど.........
みさき:止まった(笑
麻枝:アメリカンな人なので、ほんとにズバズバ言ってくるから...(汗 オブラートに一切包まずばぁーって言ってくるから(苦笑
みさき:結構、麻枝さんとLiaさんのコンビはいろんなところで露出はあるけども、実際ふたりが話してるところは...
麻枝:ない。
みさき:ないですよねぇ。面白いと思いますよ。期待してます。
麻枝:おれは恐いですけど(汗
みさき:(笑 あと、Angel Beats!のスタッフの人とかと話したら面白いかもしれない。裏の人とか(笑
麻枝:一応、もしNa-Gaくんを是非と、みなさんが言ってくれるのであれば、引っ張ってきますよ、ということは言ってるんですよ。
みさき:あのー、ちょっと聞き逃したのがあったんですけど、Key10周年のイベントを振り返って、今冷静にどうですか?
麻枝:よくやったね!
みさき:(笑 あの後、相当燃え尽きてましたね。
麻枝:だから、あれからおれは、五月まで、完璧なひきこもりと化して、灰になってたから(汗
みさき:わあ、大丈夫かなーっていう感じでずっと見てましたもん(苦笑 やっぱエネルギーをわーって...
麻枝:なんかやるとそうなっちゃう人間なんで...。今も、恐くて、明日から会社なんですけど、レコーディング、本読みってあって、この対談もそうだし、絶対燃え尽きるって思って...。
みさき:(笑 これ燃え尽きます?
麻枝:たぶん、燃え尽きます。
みさき:マジっすか(笑 相当私楽しくなってきましたけど(笑
麻枝:だって、そもそもおれ、明日から会社行っても、当面仕事がないっていうか、締めきりがある仕事が...ケツ叩かれないとやらんタイプだから...
みさき:あーー私もそうです。でも後二日行ったら休みじゃないですか。とか言ったり(笑
麻枝:あ、ほんとだ。木、金、頑張れば休みだ。
みさき:もうちょい頑張れば今月も終わりですよ。
麻枝:いや、別に二十日締めなので、今月という概念は...
みさき:あー、まだ始まったばっかりだ!
麻枝:明日から会社は始まるんですよ。
みさき:会社員も大変ですね(汗
麻枝:ほんと、体調が悪くて。
みさき:大丈夫ですか?
麻枝:病院行ってこうかなと思ってて。
みさき:マッサージとかは?
麻枝:行ってるんだけど、ぜんぜん効果がないので。ちょっと根本的に何かがおかしいなあと。
みさき:食生活とかじゃないですか(汗
麻枝:食生活なんかなあ(汗
みさき:思い当たるふしが...
麻枝:でもおれは、毎日野菜ジュースと、マルチビタミンと、マルチミネラルを...
みさき:サプリじゃないですか!(笑
麻枝:そんなん変わらないっすよ。下手に野菜摂取してるぜ!って豪語する奴よりちゃんと栄養は摂ってるから、おれは健康的なはずなんですよ。
みさき:ううーーーーーーーん...(汗
麻枝:三年前ぐらいの血液検査では、なんも異常なしだったんですよ。
みさき:あ、そうなんですか。
麻枝:だから、今回はまた別の病院行くけど、なにか異常があってほしい。だって、こんなしんどいのおかしいもん。ほんと、生きることが辛いぐらい、しんどいから。
みさき:んーー、心配ですね、それは...。
麻枝:異常があって、なんとかしてほしい。医者にね。
みさき:それは家で寝てたら、やり過ごせる感じでは...
麻枝:じゃないんですよ。この三連休もずっと寝てたけど、昨日もすごくしんどくて、熱計ってみたらずっと微熱が続いてるし...
みさき:今日は大丈夫だったんですか?
麻枝:今日は大丈夫。とりあえずアルコールが入ったらおれ元気になるんで。おれ、もしかして、逆に言えば、アル中なんかなって(汗
みさき:(笑
麻枝:アルコールが切れると、だるくなるんかな? しんどくなるんかな?(苦笑
みさき:その可能性もありますね(苦笑
麻枝:これ、五杯めなんで。
みさき:五杯と言わず呑んでるんじゃないですか?
麻枝:ウィスキーも呑んでるから...あー
みさき:六杯めだ(苦笑 じゃあですねぇ...でも、結構かぶってるんですよね、話したことと。
麻枝:はいはい。
みさき:んー...私は、作品を作る一番の原動力は自分の表現したいものだ、と思ってたんですよ。それはやっぱだんだん変わっていくものなのかな?ってのを訊きたかったんですけど、会社ありきのって言ってたから(苦笑、ちょっと違うのかなって。
麻枝:もちろん、自分の表現したいことってのは籠めてますよ。ただ、その前提として、敷居の低さってのはやっぱり...
みさき:自分の好きにやるような無茶はしない?
麻枝:うん、うん、うん...
みさき:変わってきますか? やってたら、やっぱり?
麻枝:ほんと、ニーズが変わらないので、いつまでも学園恋愛モノってのが求められるので、それしか書けないっていうか。
みさき:でも、それは、ネタ切れしますよね? 絶対。きついですよね?
麻枝:それはねぇ、焼き直しライターと言われてるので、おれは(苦笑
みさき:そういうのは気にしますか? 気にしないとかぜんぜん...
麻枝:いや、結局途中でやりたいことをやっちゃったら、やっぱり消えちゃうんですよ。ここまで残ってるってのは、そこまで徹してきたことの成果であって、それに徹してきてよかったなって。こうしてアニプレックスさんからアニメのオファーがかかるのもそうだし、もう泣きゲーなんて作らねぇ!お笑いだけで行くぜ!みたいに我が道を行ってたら、こんなオファーは来なかったと思うし、そこは徹してきたんですよ、職人的に。やりたいことをやっちゃったらお終いだな、という恐怖感があったから。ファンもいなくなっちゃうだろうし。それは自分が食いつなぐためにも必要なことだったと思うので。それはやってきて正解だったな、というのはありますよ。
みさき:まだやりきれてないというか、自分の一番やりたいことは取ってあるみたいな?
麻枝:からっぽですよ(苦笑 アニメのリレーコラムの第一回でも、鳥羽さんが最後に、最初麻枝さんは断る気でいた、と書いてるのは本当で、そんな今からアニメの話って言われても、もう一本、また新しく泣けて笑えるお話なんて絶対もうおれから出てこないって思ってたから、ほんと、その熱意に押されただけで...。打ち合わせが始まっても、ほんとにこれおれやるんかー...って冷めた目で見てましたよね。
みさき:いつからそんな、やる気まんまんに...じゃないですけど(笑
麻枝:それは舞い降りたんですよ。これはイケる!というのが。逆に言えば、おれは鳥羽さんに、もう一本引き出してもらったっていう。またもう一本、食いつなぐことができたって感じです。
みさき:アニメの新しいのをするってなった時にどういうのがいいかとか、打ち合わせじゃないですけど、いろいろと話し合いはするんですよね?
麻枝:それは延々とブレインストーミングですよ。
みさき:ああ、それそれ! この間初めて知ったんですよ、私(苦笑
麻枝:それを繰り返してたんですよ。
みさき:それはきっつい(苦笑
麻枝:最初に決まってたのは、やっぱりKeyのファンにも受け入れられるように、泣きは絶対押さえましょうってところで始まったんですけど、泣きからしてネタは尽きてるよって話で。いつも死なせて泣かせるじゃないですか。
みさき:ふふふ...(笑
麻枝:じゃあ、もうみんな死んでればいいじゃんって。
みさき:(爆笑
麻枝:それはなんていうかね、結構当てつけ的に思いついた設定で(苦笑
みさき:でも、あれ最初見た時は、ちょっと笑いましたよ(笑 みんな死んでるんだ、あーそうなんだって(笑
麻枝:そうなんですよ(笑 でもそれが突破口になって、今ある自信作とも呼べる13本の脚本が出来上がったのでね、そのひらめきはほんと舞い降りてきたもので、よかったですよ。
みさき:Angel Beats! 楽しみにしてます。
麻枝:はい、ありがとうございます。こちらもみさきさんの今後のご活躍を楽しみにしてます。では、長々と録ってきた対談ですが、四時間半ですね。そろそろ終わりにしようかと。
みさき:すごい時間ですね! ありがとうございます!
麻枝:いえいえ、こちらこそ、こんな企画とお礼を兼ねちゃってすみません。
みさき:いえいえ、すごく嬉しかったです。
麻枝:これ、テキスト起こしも自分でするんですよ。なんて企画だ...。自分で考えておいて、わけがわからない(汗
みさき:頑張ってください!
麻枝:頑張りますよ! それでは...クラナドコミック連載、お疲れさまでした!
みさき:ありがとうございます! お疲れさまでしたー!
 

2009年9月23日福岡県小倉にて
 
 


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みさき樹里/CLANNADオフィシャルコミック/JIVE
 

2009年9月30日

第二回殺伐ラジオ配信開始しました

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About 2009年9月

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