« 2010年1月 | メイン | 2010年3月 »

2010年2月 アーカイブ

2010年2月 7日

開発日記其の六拾七

ついにキャストが発表されましたが、いかがでしょうか。すごいですよね?
ちなみに、ゆり役の櫻井さんですが、オーディションに呼んでもらうように音響監督の飯田さんにお願いしたのは自分です。
しかしオーディションが終わった後日、キャスティングの話し合いの場では、自分はゆり役については黙ったままでいました。リトバスCEでお仕事をご一緒している手前、身内びいき的なことはしたくなかったので。
なので、自分は、天使は花澤さんじゃなきゃヤなんだ~い!とだけ繰り返し訴え続けていました。(そんなガキっぽくは言ってませんが/汗)
そうすると、ゆり役は…という話になり、監督の口から最初に挙がった名前が櫻井さんの名前でした。
その場にこられなかったPAの堀川社長の候補案を制作の小柳さんが授かっており、そこでもゆり役は櫻井さんになっていました。一言、「演技が上手いです」と書いてありました。
まさか、あれだけのすごい方達の中から、真っ先に名が挙がってくるとは…表情は、「天使は花澤さんじゃなきゃヤなんだ~い!」と訴え続けるクールなまま、内心では「櫻井さん…すごいです…」とひとり驚いていました。
他にも候補は挙がりましたが、監督は悩み抜いた末に、「こういう時は自分の勘を信じよう! 櫻井さんで!」と告げ、ゆり役は決まりした。
なので、ちまたでは麻枝が推したに違いない!とか言われてますけど、ゆり役は櫻井さん自身の力で勝ち取った役なのです! 誤解なく!
もちろん、他のキャスティングもこだわり抜いたので、完璧の布陣だと自負しています!
四日後にはついにアフレコが始まります…。アニメのアフレコは初めてで、あれだけの人数がいて、どんな状態になって録るのかさっぱり想像もつきませんが、行ってきます!

今は、BGMのディレクションに奮闘してます。
まず音響監督の飯田さんの発注書があり、それに沿って作って頂いていたのですが、若干BGM過ぎたというか、ようは、シーンには合ってるはいるのだけど、曲としてはもう少し主張があっても良いかな、という感じでして。
最初はアニメなんだし、そっちのほうが正しいのだろうと思ってたのですが、PV6のBGMがあまりに好評なので、もっとアーティスティックにやってしまってもいいのでは?と考えが変わりました。
そもそもKeyでは、Kanonの時点で、劇伴をやってはいないのです。
音楽が主張しすぎていて、プロデューサーがいたなら、クドわふの魁先生も清水くんにそうしたように「もっと自重を」とリテイクを出すレベルのBGMが満載でした。(魁先生には、これがKeyの音楽なんだ!と突き返し音楽監修としての務めを果たしましたが)
それでも、ユーザーさんからは「音楽が主張しすぎ」なんていう声はまったくなく、むしろ好評でした。
AIRで「夏影」というBGMが流れるシーンに至っては、「シナリオを読み進める手を止めて、聴き耽ってしまった」という感想をたくさん頂きました。
完全にBGMがシナリオを食ってしまったのです!
劇伴としては決してやってはいけないことなのですが、皮肉にもその演出が、Keyにおける音楽の評価を決定づけるものとなりました(もちろん、折戸さんや戸越くんの手柄でもあります)。
持論なのですが、音楽もシナリオも絵もCGもプログラムも、すべてが全力。それらを合体させたものが一番いいものになるに決まってる!と思ってます。バランスを合わせるために、どれかをパワーダウンさせるなんてもったいない!
音楽も、常にいい曲が流れているほうが絶対にいいです。地味な曲を流した後に、いい曲を流して盛り上げる、という演出もありますが、それでも地味は地味なりに、やはりいい曲であるべきなのです。
なので自分が書くBGMは大抵「サビ」があります。起伏があるのです。そんなもの劇伴ではありません。
でも、感情を揺るがす強力な演出材料になるのです。
なので、今回BGMをお願いしているユニットさんにも、個性が際だつぐらいアーティスティックにやってください、といきなり方向転換を行いました。
それで現場が混乱してしまい、村山さんをはじめ、ユニットさんにも多大なるご迷惑を目下リアルタイムにかけ中、大変申し訳ないです。でも合ってると思うんですよ!! ただ、発注の仕方に大変問題があり…(汗
納期も寸前で、アニメ制作チーム同様、こちらも壮絶なことになっています…(汗。
おれと音楽で関わった人たちは大体こんなふうに振り回しちゃって、毎回すみません…と思います…。
それによりアフレコの前日、10日に打ち合わせが入りました!! こちらも行ってきます!!

挿入歌のプリプロも行ってきました!
2バージョンあるんですが、片方が、もうこれで完成でいいんじゃね?というぐらいいい出来です。
そうかー、バラードだとこんなエモーショナルに歌えるのかー。
すげー泣けます。
で、そのプリプロの金曜日ですよ!
切符買って、新幹線の改札に向かうと人でごった返し。人の壁が出来上がっていた…。
新幹線が止まってたらしい。
でももう動き始めてるらしいので、電光掲示板の見えるポジションを陣取り、焼酎を呑みながら、DSでデビルサヴァイバーをプレイしながら待つことにしました。
しかし、2時間経っても、おれの乗る新幹線のぞみ○○号は、電光掲示板に表示されない。
つか、後発に抜かされている!?
困った時の藤井きゅん。
電話してネットで確認してもらうと、「○○号は運休です」とのこと。

どがーーーーーーーーーーーーーーん!!

おれの二時間はぁ!?
人ごみの中でデビルサヴァイバーをプレイしていただけじゃん! まあ、そりゃそれで楽しいけどさ!
それに、そんな運休なんてアナウンス一度もなかったぞ…?
駅員は人に取り囲まれ続けているし、切符売り場は長蛇の列。
どうやってその情報を知れと?
怒鳴り声が至るところから聞こえてくる。ああ、おれも今そんな感じだぜ。
だが、なぜか客同士が揉めてたりしている。ホワーイ? やめろ、やめろ。おれたちは帰れない同士じゃないか。
と別に仲裁に入るわけでもなく、ひとり途方に暮れる。
泊まり確定。
再び、藤井くんに連絡を取り、ホテルを予約してもらう。
切符の払い戻しをしてもらいに窓口へ。
払い戻しより、なぜか明日の切符を買うことを勧められたので、朝10時過ぎのを買って、地上に上がる。
ホテルではいつも眠れないので、ドラッグストアを探して、ドリエル的なものを購入。
こういうのって、気休めにもならんのだけど、一応…。
昼飯も夕飯も食べてなかったので、なんだかよくわからないこじゃれたパスタ屋さんに入って、茄子の和風ミートソーススパを食す。
うぅ…温かくて大変美味しいです…。
その後、お好み焼き屋に入り、女性店員のお薦めだというタコとセロリのカルパッチョ的なものを食べながら、呑む。これを薦められたのは、鉄板があるにも関わらず、それを使わずにすぐ出来るからじゃないか?とか邪推しながら、呑み続ける。
0時ぐらいにホテルにチェックイン。
まだ寝るには早いな…。
どうしよう…と考え、DSでデビルサヴァイバーをプレイすることにした。
2時ぐらいになり、ドリエル的なものを飲んで就寝。
一時間ぐらいごろごろ寝返りを打ち続けるも、一向に寝付けない。
やっぱ、ドリエル的なものはおれには利かないようだ…。
起きるはいいが、こんな深夜な何をすればいい?
そうだ、眠くなるまでDSでデビルサヴァイバーをプレイしよう。
プレイする。
気づくと午前4時ぐらいになっていた。
ここから中途半端に寝るより、このまま起き続けて6時の始発で帰ったほうが、楽な気がしてきた。
なので、残り二時間起きていることにする。だが、この二時間をどうしよう…。
そうだ、DSでデビルサヴァイバーをプレイしよう。
って、どれだけデビルサヴァイバープレイしてるんだよ!!
おれ、なんか、アトラスさんから貰ってんのかよ!!
と自分で突っ込まざるを得ないぐらいデビルサヴァイバーをプレイしまくってました。
でも本当に面白いんだ。魔法のようなアイテムなんだぜ、デビルサヴァイバー。
これをプレイしていると時間を忘れる。
今回は片道3時間弱の新幹線も、改札前で過ごした2時間も、眠れないホテルの夜も、すべてこのDSのデビルサバイヴァーで凌いだ。
一番恐いのは、DSの充電が切れることだった…
泊まりは考えてなかったので、ACアダプターを持ってきていないのだ。
だが、最後まで保った!!
10時間以上はプレイしてると思うんだけど、DSすげーー!!
ほんと、デビルサヴァイバーしてると2時間や3時間なんてあっという間なんだ。
クリアしてしまうのが恐いぜ…。なので、出張中以外はプレイしない。厳禁。でるきだけクリアを引き延ばす。おれは一周目で全力で経験値を稼ぎレベルを上げ、バランスをブレイクすることを楽しみ、周回プレイはしないタイプなので。
2月のレコーディングラッシュは3月に移動した。
3月は東京にいるほうが長い。毎日録るんじゃなくて、ボーカルさんのために中日(なかび)を作るんだけど、おれはその日は東京に居て、完全にフリーになる。何をすればいいんだ? 長き一日をひとりきりでどう過ごせばいいんだ?
はい、デビルサヴァイバー!
というわけで、ホテルに篭もって、日がな一日DSでデビルサヴァイバーをプレイするんだーい! そう考えると過酷なレコーディングがなんだか楽しくなってきたぞ!? うわ~い!
本当言うと、レコーディング中もディレクションしながらデビルサヴァイバーをプレイしていたい。さすがにストーリーを進めながらは無理だが、悪魔合成をしながらならやれる自信がある。(やらんが)
そして、朝6時になりチェックアウトを済ませ、東京駅に。
はい、ここでトラブル! またも切符なくしたーーーーー!
ポケットを探すも、鞄の中を探すも、ホテルに電話するも、見つかりません。
タコとセロリのカルパッチョ的なものを食べた、あの鉄板があるのに鉄板料理を食べなかったお好み焼き屋か?
とにかく見つかりません。
はい、また自腹ーーー!
うぅ、毎回、なぜに仕事しにきて、無駄な出費をしてるんだ…。しかも新幹線の切符なんて高価なものを…。
前回と合わせたら2万8000円無駄にしてるぜ…。
PS3が買えてたじゃん!!
そう考えるとすごいショックだ…。

今週は、毎日、天下一品を食ってた。
ラーメン定食。ようはご飯がついてくる。
おれは焼き肉にはライスを付けない男だが、天下一品にはどーーしても付けたくなる。
なんてライスが合う食べ物なんだ、天下一品!!
最後には、残ったスープにご飯を入れて、リゾット感覚で小粋に食べる。
きっとこれが通の食べ方だ。しらんが。
いつもは中津店にいくんだけど、スクリプターのYonieくんも天一ッツァーで(おれがたった今作った造語。天下一品をこよなく愛する者たちの総称。テンイッツァーと読む。直に流行る)、彼いわく中津店の味は上品すぎるらしい。
いわく前の社屋の近くにあった、南森町店は下品な味(彼なりの褒め言葉)でいいらしい。
そんな店舗によって違うものなのか?
彼が言うには、その南森町店でさえ、日によって味のばらつきがあるそうだ。彼は相当な天一ッツァーだ。
なのでその下品な味(褒め言葉)を確かめに、今日はチャリを飛ばして南森町店に入ってみた。
食券制なのか…。
こってり並とご飯を注文する。
運ばれてきた、こってりラーメン。見た目からなんか違う!!
よくわからんが中津店は、トッピングが小綺麗なのね。ここのは…なんか…ごにょごにょしてる!!
食べてみる。
うん、違う。確かに違うが…形容しがたい。
なんていうか…ごにょごにょしている!!
で、トッピングに辛子味噌なるものが別に置いてあるんだが、それも違う!
中津店は赤くてとても辛いんだけど、こっちは、味噌成分のほうが明らかに多くて黒ずんでいてあまり辛くない、なんていうか…
ごにょごにょしている!!
結局…なんだかよくわからんかった!!
おれは中津店でいいと思った!!

ここで、この場を借りてお礼を言いたいと思います。
これはペンネームだったら出していいのかな?
さよなら乾先生さん、CDありがとうございました!!
TM NETWORKの限定コンプリートボックスを頂いたんですよ。
おれと中川が(誰だ?)、第二回殺伐ラジオでTMについて熱く語り合っているのを聴いて、当時の青春時代のことを色々と思い出せた、そのお礼なんだそうな。
中川も「それは凄いな…」というお宝です。
なので先月からTM漬けです。おれも郷愁に駆られてます…。

こちらはご紹介なのですが、これまたプレゼントで頂いたTSUJIMOTO COFFEEという会社のドリップコーヒーにどハマリしています。
毎日5杯は飲んでます。
ブレンド系は普通なのですが、キリマンジャロとマンデリンが非常に美味しいです。
かつておれが最高の賛辞を送ったカフェグレコ以上かもしれない。お薦めです。

で、百年の孤独が一番美味い焼酎だけど、高くて買えないよ!というみなさんに朗報です。
夢想仙楽という焼酎が、百年の孤独と同じ味で、お値段半額以下で買えます!
って、スパムみたいだな…。

『至急受け取り確認お願い致します☆現金200万円当選しております☆』
的な。

『夢想仙楽という焼酎が百年の孤独の半額で買えます☆百年の孤独と同じ味です☆』
みたいな。

怪しすぎる…。
まあ、おれはその夢想仙楽というのを毎晩嗜んでおります。
あと、魔王も美味くて…でもこれも高くて買えねーよ!!
今度は魔王のジェネリック的なものを探そう…。

今、宅録でギターを録ろうとしてるんですが…(なんの開発日誌だ?)
MIDI上ではパワーコードしか置いてないので、それだけを録るならすぐ終わる。
一応、二本は重ねようと思うが、パワーコードを弾いていないもう一本のギターは一体何を弾けばいいんだ…?
で、なんか折戸さんがむきむきとギターが上手くなっていて(なんとリライトのボーカル曲のデモのバッキングを自分で弾いて録っていた! いい曲だったよ!)、おれもそれで焦ってAmazonで、
『これからはじめる!! ロックギター入門-これだけは知っておきたいすべてが見て・弾けるDVD付』
『ギター・マガジン ギター基礎トレ365日!(CD付き) 』
という教則本を勢いで2冊も買ってしまった!!
これからはじめる!!って…
まあ、触るのは学生時代以来だから、いいかもね…(汗
で、折戸さんも言ってたんだけど、練習するにはアンプ通さないと意味ないんだよね。
なので、さらに、ORANGE CR3 MICRO CRASHというミニギターアンプまで注文しちゃった!
Amazonてほんとなんでもあるなー。すげーなー。ほんと死後の世界に持っていきたいね。
じゃなくて、散財しすぎ!!
貯金がどんどん減ってくぜ…へへ…。
でも、独り身だからいいんだ~い! うわ~い!

もう日本では入手困難な、
Best of System F and Gouryella, Pt.1
Best of System F and Gouryella, Pt.2
の二枚のCDも、7990円で注文しちまったぜ!!
ふわああぁあぁぁぁああ!!

よつばとも全巻大人注文しちまったんだった!! 今日届いた重い荷物はそれだった!
BAKUMANをその前に大人買いして、最新刊にそろそろ追いつきそうなので、それから読むんだ~い!
そういや、以前コメントで、「それ町」を薦めてくださった方がいましたよね? ありがとうございます! 最高に面白かったです! ネムルバカも最高でした!

お返しにというわけでもないのですが、最近民安さんに頂いた漫画「星守る犬」が大変よかったです。
何度も読み返してしまう、味わい深い本です。
あとお薦めはしませんが、自分の中で押切蓮介という漫画家がブレイクしてます。
とりあえず樋上さんにミスミソウ全三巻を布教しておきました。この作品はよく出来ています。

ゲームはシュタゲを夢中でクリアして、今はテイルズのヴェスペリアをやってます。X-BOXと同時に買ったのに、ずっと積みゲーにしてたから崩しにかかろうかと。なるほど…リタが萌える!! この開発日誌当初におれがヴェスペリアには萌えヒロインがいない!と嘆いたならばリタが居るじゃないですか!と言ってくれた方、すみません! 居ました! やっぱおれの生き甲斐は萌えヒロインの居るRPGをプレイすることのようです。
それと併行してプロジェクトシルフィードをやってます。X-BOXフル稼働。シルフィードはすげー! マクロスのあの空中戦をまんま体感できます。敵機をロックオンしてミサイル発射。しゅばしゅばーとミサイルが飛んでいき、遠くでどごーん!て敵機をKILLしていくこの快感! でもおれシューティングはめっちゃ苦手なんで、序盤から20回ぐらいリトライしてクリアしてます…(汗 これ一対一で戦うこともあるの? そんなの無理だよ(汗
Fallout3もやったのだけど、地上に出た時点で燃え尽きた!
あの世界は過酷すぎるよ! だって友達の母親が巨大ゴキブリに食べられていても助けずに無視できるんだよ? さすが18禁。

音楽ではMASS OF THE FERMENTING DREGSが来そうな感じだ。
相対性理論と購買層が被ってるのか。
相対性理論+渋谷慶一郎のアワーミュージックは賛否分かれてるけど、おれはすごく好きだなあ…。
ピアノだけでやくしまるえつこが歌うってのがこんなにハマとは思わなかった。スタンドアローンで十分通用するんだなあ…。
ただ、確かに、やくしまるえつこはもっとそっとしておいてあげろ、とは思う。

なんだか学生のような生活をしているな…。
ありゃ? ひとりぼっちを満喫してないかい?
 
 

SN3J00082.jpg

おれはどこに向かっている?

2010年2月13日

開発日記其の六拾八

第一話のアフレコに行ってきました!!

と、その前日には音楽の打ち合わせがあり、いろいろとこちらにも不備があり、胃が痛むような申し訳ない気持ちの中、出来る限りのリテイクを出させて頂きました。
そしてなぜかPの策略により、おれが「夏影」や「渚」のようなキラーBGMを書くハメに!!
そんなの無理です!! プロデューサー!!

5時間に及ぶ打ち合わせが終わり、ホテルにチェックイン。
ドアを開くなり、誰かがすでに中に居てびびる。が、それは鏡だった。なぜにこんな位置に姿見を…?
シングルで予約したはずなのに、部屋はツインだった。
寝ていて、ふと起きて時間を確かめるために携帯を開くと、画面が真っ青になっていた。何を押してもうんともすんとも言わない…壊れている…。買い換えたばかりなのに…。
隣のベッドを見ると、布団が不自然に盛り上がっていた。

翌朝、チェックアウトし、スタジオに向かう。
関係者がたくさんいて、ものすごい賑やかなことになっていた。
ここでNa-Gaくんと合流する。
よう、ついにこの時が来たな!とハイタッチを交わす。(嘘です。ノリで脚色してしまいました/汗)
時間となり、飯田音響監督と鳥羽Pと共に録音ブースの中に入り、キャストのみなさんにご挨拶をする。
すごい人数&メンツで圧倒され、何を言ったかよく覚えていない(汗
キャストのみなさんからしても、やけに名前だけはプッシュされてるものの、この人は一体何者なのだろう?という感じではなかったのだろーか…(汗
改めまして、「泣きゲー」なるものを作り続けてきた者です。代表作は「CLANNAD」になるのかな? アニメにもなってるのでその名が一番通りいいかと。今作の原作・脚本を務めてます! よろしくお願いします!
収録が始まる。
まずはキャラ作りも兼ねてのAパートの通し。
スタジオのこっち側にも大きいスクリーンがあって、動いている絵が見れるのね。
おれは、PV6以外の動いているシーンを見たことがなかったので、すげー楽しみにしていたんです。
所々、線画のままのところがあったけど、キャラはぐりんぐりん動きまくっていました!
とにかく、後ろでキャラが動く動く。1クールなのに、異様に登場キャラ多いですしね(汗
後のG’sさんのインタビューでPAの堀川社長が語ってたのですが、背景の人物が動くことにはこだわりを持って作っているのだそうな。そして、本来ならそんな引きでは絵コンテは切らないのだけど、それを切ってくる岸監督。情熱のぶつかり合いを感じました。
そしてキャストさんたちの演技。
今公開されてるキャストさんについて感想を述べさせて頂きますが…
神谷さん。素人意見で申し訳ないですが、上手い!! その一言に尽きます。
そして、頭が下がるほど、作品に対して真摯なのです。
Aパートの収録が終わっての休憩時間の間も、休憩スペースにて、ひとり黙って脚本に目を通されていました。
すべての収録が終わった後、「音無は記憶喪失という設定ですが、脚本は先にすべて読んでおくべきでしょうか? それとも読まないでおくべきでしょうか?」という質問を飯田さんにしていたのも印象深い。
だって、脚本はすべて手元に届いてるんですよ? 俺だったら「どんな記憶を失ってるんだー? 最後はどうなるんだー? どれどれー? ふむふむ、へー」とぺらぺらと読んでしまうと思うんです!
でも、神谷さんは、「記憶喪失の主人公」を演じきるため、敢えて、読むのを止めていたんです。
本当に何も知らないままで音無を演じていたんです。
なんてプロ意識!
続きましては天使役の花澤さん。おれがずっと天使は花澤さんじゃなきゃヤなんだ~い!というこだわりを持ってのキャスティングだったのですが…
完璧です。あの澄んだ声は、唯一無二のものだと思います。
あまりに完璧すぎて、監督からも飯田さんからも一切演技指導やリテイクがなかったほどです。
それが返って不安にさせたのか、最後、挨拶に来られた際に「大丈夫だったんでしょうか…?」と訊いてこられたぐらいです(汗 確かにあれだけ触れられなかったら不安にもなるというものです(苦笑
そして、ゆり役の櫻井さん。第一話は、世界観説明の役も担っているため、セリフ量が尋常ではなかったのですが、時に乱暴だったり、時に可愛かったり、時に計算高かったり、時に悪魔のようだったり、魅力的にゆりを演じられていました。数多くの声優さんと携わってきた堀川社長に「演技が上手い」と言わしめた、その経験に裏打ちされたスキルを存分に発揮されていました。
喜多村さんは本日はいらっしゃいませんでした! 残念!
今回のアフレコで一番感動したのは、背景の人物の声録りでした。
メインで喋ってるキャラのバックで動いているキャラの声です。
堀川社長も後のインタビューでもそういうのが作っていて一番楽しいと語っていたのですが、声が重ねられていくと、背景キャラでもひとりひとりに「命」が吹き込まれていき、ものすごい臨場感でシーンが活きていきます。
Angel Beats!は登場キャラがとにかく多いので、そういう異様に賑やかな部分も是非味わってください。
そして、俺の中でのクライマックスはガヤ録りでした。
全員が起立し(その後ろ姿だけで壮観!)、シーンに合うセリフを思いつくままに喋りまくるのです。
それが一番プロフェッショナルな仕事に映りました。脚本もないのに!
役者さんってすげー!と思いました。
それに引き換え、ひきこもって脚本だけをパソコンに向かってポチポチと打ち続けている自分がどれだけ小さく感じたか! 俺ってちいせぇーー!!
チームワークもすごくて、限られた本数のマイクに向けて、まるで予行練習でも行ってきたかのように、みなさん入れ替わり立つのです。俺だったら、誰かと激突するか、その勢いで唇が触れ合ってしまうか(ゲーム的発想)、登場してるのにマイクに辿り着けていません!
帰りの新幹線の中では、Na-Gaくんと、ものすごいことになってきたな! 俺たちも頑張ろうぜ!と固い握手を交わしました。(嘘です。ノリで脚色してしまいました/汗)

明日、日曜は、PAさんの東京スタジオにお邪魔してきます。今まさに戦争が行われている、その戦場ですよ!
打ち合わせなんですが、なんの打ち合わせかは言えません!
新大阪から東京駅まで2時間50分、さらにそこから50分の位置にあるそうです(汗
携帯がよくわからない現象で壊れて、時間も確認できない今、無事辿り着けるかわかんないけど、いってきます!
 


CA3904402jpg.jpg

収録現場。すごい人数。
たぶん後ろ姿は神谷さんです。
来週にはもう第二話の収録。ギャグが多いので楽しみです。

2010年2月23日

開発日記其の六拾九

第二話のアフレコも先週行われました!
自分で言うのもなんだけど、この回は面白い!!
まず通しのテストを行うのだけど、え?もう終わったの?と驚くほど早かった。
それほど、夢中になって見入っていた。
椎名の声について、監督と音響監督と話し合いをする。
ハスキーすぎて、まるで宝塚歌劇団の男役のような声になってしまっていて、これでは人気が出ない! 低くてもいいからもうちょっと女の子らしい艶のある声で!と要望を出す。
若干ゆりと被ってしまう恐れもあったが、おれの意見が通った!!
この日から、日向役の方も合流。
日向役も自分の第一希望の方だったので、感無量。すごくいい声です! おれもこんな声で喋ってみたい!

で、先週の金曜の夜ですよ…。
いきなり藤井きゅんから
「アニプレさんからテレビ出演のオファーです。
 MBS毎日放送で3月3日21時54分の情報番組でAB!を取り上げるそうです。
 で麻枝さんのインタビューを流したいと」
というテレビ出演依頼が!!
ふわあぁああぁぁあぁぁ!!
おれが地上波テレビ出演だとおぉぉぉ!?
しかもぎりぎりゴールデンタイムだ!! お子さまもまだぎんぎんに起きている時間だぞ!?
…受けるか受けざるか悩みました。
というのも、この後、26日ぐらいに、ブシロードさんのイベントで公開されたメイキングのダイジェストがこのサイトにもアップされるのですが…
それのおれのイケてなさっぷりっと言ったらもう!!
基本、朝目覚めた寝癖がその日のヘアスタイルになるので、ぜんぜんキマッてなかったり、すげー髪が跳ねてたりするんですよ。
そのメイキングのダイジェストも、どれだけ「これは使わないでください…」とリテイクを出して、手を煩わしてしまったか…。(申し訳ありません!)
で、今回の収録は、
・確認、リテイクは一切不可 編集は先方さん任せ
・確認は本放送のみです
という、一発勝負!! しかも収録は二日後(昨日です!)
これは断ろう…と思ったんですよ、最初は。
でも、こんな機会は二度とないかもしれない…と思い直し、孫も作れないような親不孝もんだから、親孝行のためにも、出よう!と決めました。
「ようし、出てやろう! どうにでもなれだ! ふわーーーーはっはっは!」(原文ママ)と藤井くんにメールを返しました。

寝癖がすべてなので、前日の風呂上がりには髪が跳ねないよう、周到にドライヤーを当てました。
そして翌朝。
奇跡が起きた!
いい感じの寝癖だ!! メイキングのように跳ねていない!!
これを今日一日キープし続けろ!
新幹線に乗り、デビルサヴァイバーでモスマンという移動においては欠かせない重要な悪魔を合成しながら、収録場所である東京のアニプレックスさんに向かう。
午後1時到着。
受付で、「本日は打ち合わせではなく、テレビ取材を受けにきた麻枝ですが」と芸能人的オーラをぎらぎらと発しながら到着を知らせる。
部屋に通されると、目映く光る謎の囲いが出来ていた!
 
 
face1.jpg
 

どうやらこの囲いの中で受け答えするようだ。
今回は貴重な体験のため、記念にG’sのコアラさんにお願いして過程を逐一デジカメで撮ってもらう。
 

face2.jpg
 

持参した愛用の鏡(両端に立てるための支えが付いていたが、取っ払ってきた)で、最後のヘアセットを試みるおれ。
なんだ? どうしたら格好良く映るんだ?
焦る。
いつでもいいですよ、と合図が。
覚悟を決め、謎の光る囲いの中にハマる。
収録開始。
 

face3.jpg
 

インタビュアーの質問に答えていく。
カメラを回されることも、答えることもメイキングで慣れているので、緊張することはなかった。

冒頭に横顔のシルエットが出るらしい。
 

face4.jpg
 

それも撮る。
 

果たしてどんな感じにカメラに映ってるのか?
メイキングのようにイケてない残念ヘアーになっていないのか?
「今、見れるなら見せて頂けないでしょうか…」とお願いする。
動いてる映像は無理だそうだけど、写真みたいなカットを数枚見せてもらう。
 

face5.jpg
 

確認中。真剣な眼差しのおれ…。

自分で見た感想。
…すごく神経質そうなクリエイターっぽい人が映っている…。
少なくとも営業職ではないわ…。

収録時間は5分ぐらい。
だって放送1分の番組だからね!
お疲れさまでした!
この5分のためだけに東京にきて、大阪へとんぼ帰りするおれ。

「FACE~時代をつくる人々~」
という題の番組らしいです。(おれは時代を作ってるのか! すごいな!)
直前の番組を確かめてみたらば、水曜劇場「赤かぶ検事」…!!
なんて視聴者の被ってなさ! 接点のなさ!!
「赤かぶ検事」を見ていた人は、チャンネルを変えなかったら、自動的におれを見てしまうことになるんだけど、誰もが、「何者だ、こいつ?」と思うだろう…。お子さまに至っては、泣き出すかもしれない。
関西在住でMBS毎日放送が観れる方は、「赤かぶ検事」に続き、突如神経質そうなクリエイターが現れ語り出す、そのシュールな光景を是非チェックしてみてください!

鳥羽Pから第九話の絵コンテを頂いたので、帰りの新幹線でチェックする。
すごく面白いじゃないか!!

それからデビルサヴァイバーで、飛翔能力を持つバイブ・カハと、力と魔両方が高いライラを弱点属性がなくなるように合成しながら大阪へ。
すごく面白いじゃないか!!

最近の出張は帰ってこれる時間が早くていいなあ。
新大阪駅構内で、五右衛門のパスタが食べられる! これが今の楽しみ!
本読み時代は、必ず22時を回っていたので閉店していたのだ。
先週のアフレコに続き、今日も食べてきた。
社長も言ってたが、五右衛門のパスタは、ほんと美味しいのだ。
食に対して無頓着を豪語するNa-Gaくんも、五右衛門のパスタだけはメンズセットで大盛りにしてわしわし食べるのだ。(おれはレディースセット)
五右衛門は、どれも美味しくて目移りしすぎる。

帰ってくると、Amazonから商品の発送メールが。
・極限脱出 9時間9人9の扉
・トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説
頼んだ記憶がない…。
眠る寸前に注文したようだ…。
眠る寸前の記憶は度々飛ぶ。
3月から始まる東京でのホテル暮らしを「よぅし、これで満喫しよう!」という意図だったのだろう。
デビルサヴァイバーにYs7に、上記の二本。
35歳の男が東京の夜にやることが携帯ゲーム一色。
外に出るという発想が一切ないところが、さすがひきこもりクリエイターだぜ…。

さて、Na-Ga氏をゲストに迎える『殺伐ラジオ最終回』のお便りの〆が今月末までと迫っております。
どんなご質問でも構いません。
今月末のG’sさんでメインのキャストさんがほぼすべて発表されますので、それを受けてでもいいです。
こちらから投稿をよろしくお願いします!

About 2010年2月

2010年2月にブログ「麻枝准Angel Beats!開発日記」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2010年1月です。

次のアーカイブは2010年3月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

©2009 VisualArt's/Key All Rights Reserved.