2010年3月31日

開発日記其の七拾参

何にでも、始まりがあり、終わりがあります。
Angel Beats!本編は4月から始まりますが、この開発日記は今回のエントリーが最後になります。
番組放映中に、原作者がどーのこーの言うのは野暮だと思うからです。
みなさんが感じるままに、受け取ってもらいたいからです。
これはもう、ずっと前から決めていたことで、ようやく先週のアフレコで鳥羽さんにそのことを伝えて、了解をもらいました。

ちょうど一年前からスタートしたこのAngel Beats!開発日記ですが…
当時は「アニメ」ということすら発表できなくて、言えることは「Angel Beats!という謎のプロジェクトがスタートした!」ということのみ。それで一体何を書けばいいんだ?と悩み、ネタに走る毎日でした。
ようやくアニメと発表され、それらしい開発日記となっていきましたが(昔のようにネタに走ることも多々ありましたが/汗)、脚本の執筆作業でも悩むこともあり、書くこと自体のモチベーションが下がってきた時期もありました。
そんな時、支えになったのは、みなさんから寄せられたコメントでした。
そのおかげで、プロジェクト発表から一年間、この開発日記、テキスト量にして約450KB。それを書き続け、そして本日、書き終えることができました。
コメントを付けてくださった方、そして訪問してくださったすべての方に感謝しています。ありがとうございました。

毎回長文の日記をチェックしてくれた鳥羽さんにも、感謝しています。
ブログを始めてください、と言われた日がほんと遠い日のことのようです。
もちろん、Angel Beats!はまだなお制作中です。スタッフのみなさんは頑張ってくれています。
ですが、自分から出せる公式サイト上におけるコンテンツは最後になります。
あくまでも放映までを繋ぐ、ひとつのコンテンツだったので。
自分も盛り上げるために必死でした。
殺伐ラジオもそのひとつ。なんとか最終回を迎えることができました。
当時を振り返れば、1シナリオライターにラジオをやりませんか?というのも、かなりの無茶ぶりでしたね(苦笑
こちらもプロの声優さんによるAngel Beats!SSSラジオにバトンタッチです。

いろいろ苦しいこともありました。正直、無茶苦茶大変でした。
でも、高い壁のほうが乗り越えた時、見渡せる景色はすごく壮大で気持ちいいはずだと思い、それに挑んでみました。

きっと素晴らしいアニメになります。
ラジオやインタビューでも言ってますが、本当に、自分のような者がこの「すごいアニメを作るぞ!」というプロジェクトに呼んで頂けて光栄でした。
素晴らしいスタッフ、環境に囲まれて、幸せでした。
こんな幸せなクリエイターはきっといません。

では4月よりスタートしますオリジナルアニメーション「Angel Beats!」をよろしくお願いします!
俺にとっては、これが今、一番の宝物です。
どうか、この作品があなたの宝物になりますように。

麻枝 准
 
 


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2010年3月19日

開発日記其の七拾弐

本日はアニメ本編で使用される最後のボーカル曲の収録でした。
挿入歌なのですが、これは2バージョンあり、前回収録したのはLiSAさん版。
もうひとつは本日収録したKさんによるものなのです。
この声だ!Angel Beats!にはこの歌声が欲しかったんだ!と去年のうちに見つけ、歌唱をお願いしました。
しかしここから苦難の日々が始まったのです。
挿入歌のプリプロは、年明けの1月に行いました。
プリプロとは、キー合わせを含め、どんなニュアンスで歌えばいいか、その打ち合わせのようなもので、録音もされました。
自分が心配していたのは、むしろLiSAさんのほうでした。
あのロックな声質はバラードでも映えるのだろうか?
そんなものは杞憂に終わりました。
感情の籠もった歌声が、訴えかけてきます。おお、すげー!と度肝を抜かれました。
逆にまったく心配していなかったKさんのほうに不安が残りました。
ぜんぜん曲が映えなかったのです。
歌い方の方向性も決めないままこの日を迎えたため、歌い慣れていないせいだ、と思いました。
そう思うようにしていたんですが…
時間が経つごとにその不安は焦燥感に変わっていきました。
このままではまずい…
ウェイトでは、LiSAさん版よりはるかに重いとても大事な曲。
こちらのほうが泣けなければならないのだ。
そうでなければAngel Beats!という作品のバランスが狂う。
ほんとにボーカルはKさんで大丈夫なのか? 俺の判断は正しかったのか? 身勝手ながらそう悩み始めました。
いいフィルムや音楽があがってきているのに、自分が果たすべき仕事として、これだけがずっと気がかりでいました。
音響監督の飯田さんにそれとなくプリプロの録音を聴かせてみたところ、LiSAさん版のほうはいいですね、と言われ、Kさん版のほうにはまったく触れられませんでした。
ああ、やっぱりか…。
焦燥は確信に変わり、鳥羽Pとも相談し、コンペ形式にする案が浮上しました。
もうひとりボーカルさんを立て、両方レコーディングしてみて、いいほうを採用する、という案です。
そのことを今回音楽のディレクションをお願いしている村山さんに相談しました。
恐らくここで相当村山さんも苦心されたと思います。
村山さんも情にすごく厚い人で、一度目をかけた人間を簡単には見放せないのです。
二度めのプリプロが、自分が立ち会わない東京でひっそりと行われました。
その音源を聴いてから判断してほしいと村山さんに言われました。
そんな短時間でおれが考え直すようなものは録れない。
そう思っていました。
時間的にもぎりぎり。もうひとりのボーカルさんを立てようとしてた時、それは届きました。
結果、その音源は、おれを踏みとどまらせました。
まだまだLiSAさん版よりは弱い。
でも、この短期間で、ここまで変わるものなのか…と驚かされる音源でした。
結局もうひとりのボーカルは立てず、コンペ形式は採りませんでした。

そして本日。
あのプリプロの日以来会う、Kさんただひとりによる、最後のボーカル曲のレコーディングが行われました。
マイクテストでまず通しで歌ってもらいました。
サビに入った瞬間、おれの目から涙がこぼれ落ちていました。
歌い終わる頃には、ぼろぼろに泣いていました。
おれはAngel Beats!の物語の全貌を知っているし、それを知っていれば相乗効果で泣ける曲になるようにメロディも歌詞も作ってある。
自分の書いた物語や曲で泣いてりゃ世話ないが、おれはそういう馬鹿だ。
でも、その涙は、それだけじゃなく、あの日から始まったKさんの頑張りが、無茶苦茶伝わってくる歌声で…
ああ、すんげぇ頑張ったんだな、この人は…と思い知らされる歌声で…
隣で泣いているおれを見た村山さんがびっくりしていて…
ああ、こんなことがあるんだな…
物を作るってすげぇな…と思って…
アニメの制作現場も壮絶なことになってるし…
劇伴を作るのもすごい壮絶だったし…
そして、Kさんのこの三ヶ月もきっと壮絶でがむしゃらで…
「ずっと、これだけのために何ヶ月も頑張ってきた」
と言って、最後には、
「よかった…」
って泣いて…。

みんなが懸命に頑張っている。
ぼろぼろになっても、全力で駆け抜けようとしている。
Angel Beats!はそんな作品だから、絶対いいものになる。

早くみんなにこの歌を届けたいな…
 
 
 


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2010年3月16日

開発日記其の七拾壱

先週木曜に第四話のアフレコ&第二話のダビングが終了。
第四話は、野田が面白い!! 椎名は人気出る!!
自分は火曜から東京に乗り込み、レコーディングの日々なのですが…
毎日、手応えを覚える曲が生まれていっている!!
LiSAさんの歌声もLiaさんと同じく、確実に曲を化かしてくれる。
なんて心強いんだ!!
昔は、すぐにも聴きたいから、その日に録れたラフミックスをCDに焼いてもらい、頂いて帰ってひたすら聴きまくっていたのだけど、いつからか、まあ、本ちゃんのミックスを後日頂ければいいか、となってしまっていたのだけど…
久々に、持って帰りたい!と思う出来の連続。
いや、ホテル暮らしだからもらっても、いい環境で聴けないのだけどさ…
そういう初期衝動を思い出させるボーカル録りが続いていて新鮮です。

さて、その真っ直中の13日に、打ち入りなるものに参加してきました。
これは、打ち上げの逆で、これから頑張るぞー!とスタッフのみなさんの士気を上げるためのものらしいです。
いろんな制作スタッフさんに挨拶させて頂きました。
富山から来られたPAのスタッフさんは、若い女性ばかりで驚いた!
そして、飯田さんに連れられて声優さんへの挨拶。
アフレコは第四話まで終わってますが、最初にみなさんの前で挨拶させて頂いただけで、基本、原作者と声優さんが直接会話をすることはありません。
入られる時、帰られる時に、頭を下げ合う程度です。
この日は初めてひとりずつご挨拶ができる日なのでした。
何役がどなたなのかも顔が一致していなかったのですが、顔覚えの悪いおれでもこの日のおかげで、マスターすることができたと思います。
なにより、緊張したのは…Oさんです。
Oさんはまだ登場していないキャラなので、名前は出せないのですが…
話せた!
そして、新参のおれに対して、Oさんは、「これだけは覚えておいて。生みの親がいるから、ここにいるみんなは幸せでいられる」と、優しく諭してくれた!
その言葉忘れません!
その後、キャストさんがひとりずつマイクでコメントしていくコーナーがあったのだけど、飯田さんが忘れていたのか、そこにはまだご挨拶していない日向役の木村さんのお姿が!
おれは走って駆けつけて、「木村さんは僕の第一希望でした! そのちょっと気の抜けた声、すごく大好きなんです! それは誰にも出せません!」とご挨拶し、おれは覚えてなかったのだけど、Na-Gaくん曰く木村さんの手を握って言っていたらしい…。
次に、歌い手さんたちがマイクを手にみなさんの前で挨拶。Liaさんは産後すぐなため欠席。
多田さんと、marinaさんと、今一緒にレコーディング中のLiSAさんのお三方。
LiSAさんは人前で緊張していたのだろうか? いや、あれだけライブの場数を踏んできている人が?
マイクを握るも、言葉に詰まって何も言えずにいた。
…紡ぎ出される言葉はとぎれとぎれで、涙混じりになっていた。
それは、第一話を見て、そして、そんなすごいものを作り上げたスタッフの作品に関われたことに対する、プレッシャー、責任感、そして喜びも、いろんなものが混ざって感極まってのものだったと思う。
まだ若い。23歳だ。無理もない。
終わった後、戻る時、おれに気づいてか、おれの前にしゃがみ込む。
おれは、「大丈夫。ちゃんと出来たよ。ちゃんと出来てるよ」とその頭を撫でてやった。
こんな子まで泣かせてしまうなんて、なんて罪作りな作品なんだ、Angel Beats!
その後、ひとりきりで黄昏れている木村さんを見つけ、隣に座り、ずっと話してた気がする。
木村さんは、一挙手一投足すべてが格好良くて、男のおれでも惚れ惚れする。
最後に原作者としてマイクでみなさんの士気を上げるコメントをする手順になっているので、緊張を解くため、ビールをグラスで10杯ぐらい空けていた。
打ち入りも終わり近く。「ではこの方に。原作・脚本の麻枝さん、どうぞ!」とゆまさんの声。おれは泥水状態で、半分寝ていた。無理です!と隣の木村さんに気を使わせてしまうハメに…。
いや、やります!と立ち上がり、マイクを握る。覚えてないが、結構長々と話した気がする…。
戻ってくると、岸監督が親指を突き上げ、よくやった!サインを送ってくれた。
よっしゃ、本望だ! これで終わりだーー!
クライマックスは、第一話Bパートの試写。
おれも完全に絵が出来ているのを観るのは初めて。
そして、エンディングロール。
もう、終わるみたいじゃん…。
なんだ、この寂しさ、切なさ…。
映画のようだった。
こんな第一話見たことない…。
でもぜんぜん始まりなんだ、これが。
Angel Beats!の物語の。

感傷に浸っていたところへ、Oさんが現れ「二次会行くよね? もちろん?」と誘われる。
Oさんに誘われたら、行くしかないでしょう…!(汗
翌朝は殺伐ラジオ収録なんだけどさ(汗
結局何時まで呑んでたんだろう。
「こんな分厚い台本を久々に受け取った」とOさんは語っていた。
「でも詰め込んであるだけじゃなく、ちゃんと必要な間があるんだよね」
「それが岸監督の凄さなんです!」と力説するおれ。
岸監督が「え?」と振り返る。
この時、岸監督はさらに第一話のブラッシュアップを計るべく、呑み屋のテーブルの上で仕事をしていたのだ。
すでにあれだけ完成してるのに!?と驚いた。
なんてこだわり、そして執念だ…。
途中、酒が回りすぎてグロッキーになって、おれはひとり壁にもたれる。
気が付くと、いつの間にか、いろんな声優さんが自分を囲んでくれていた…。
なんか感動…。
おれは、夢中になって話した。
だって、もう、打ち上げまでみなさんと話しする機会なんてないだろうから。
木村さんとは、まるで友達になれそうなぐらい打ち解けられた。
(後にNa-Gaくんから聞いてわかったことだが、実はこの日の木村さんは、滝沢の格好をしていたのだ! 本人から「今日は東のエデン劇場版Ⅱの公開日で、その舞台挨拶してきたんですよ」と聞かされていたのに、それに気づかなかったおれ!! ふわあぁああああぁぁ!! なんて落ち度!!)
「目力がすごい」と言われた。
木村さんは第二話のアフレコからの参加だったのだけど、最初挨拶したときにおれの目を見て、一発で、「すごい目をしている。こんな情熱的な目をしている人の作品に携われて光栄」と語ってくれた。
単なる三白眼です、と言っても「違う!」と牧野さんと共に否定された…(汗 このお二人は本当兄妹のように仲がいい。微笑ましかった。
お二人とも若いが、子役上がりなので、超ベテラン。(後にNa-Gaくんから聞いて知ったことだが、牧野さんはおれの大好きな岩井俊二作品に三回も出演されていたのだ! ふわあぁああああぁぁ!! 先に教えてよ!Na-Gaくん!!汗)
明日朝からラジオの収録のことも忘れて、話し続けた。

で、翌朝…
おれは声がでなくなっていた…。
殺伐ラジオ収録のためブースに入るも、たどたどしくしか喋れない…。
舌の奥が腫れ上がったようになっていて、舌がぜんぜん回らない…。
昨日、酒呑んで、喋りまくったせいだろう…。
浮かれすぎた…。
収録は延期に。
どがーーーーーーーーーーん!!
なんたる失態だ…。
スタジオまでブッキングしてもらったのに大変申し訳ない…。
でも当初の公開予定日には間に合わせます!
ちゃんと体調を整えて。

その後、一度大阪に帰ってくる。
体重が3キロ近く減っていた。
そりゃ飯田さんに、麻枝さんがどんどんやつれていく…と言われるってもんだ(汗
また今日からは東京でレコーディング再開です。
頑張ってきます!

2010年3月 8日

開発日記其の七拾

行ってきました! 中川の結婚式! 今回はそのリポートです!(なんの開発日誌だ?)
まず、松山まで陸路で行くのは、時間がかかりすぎることがわかり、前々日にて、「飛行機でもやぶさかではない」ということを、忙しい新郎に告げ、「結婚式参列計画2(超ビギナーモード)」というレポートを中川に作成させ送ってもらう。(ちなみに結婚式参列計画1は陸路コースであった)
ちなみに飛行機に乗るのは初めて。
しかも高所恐怖症。
あんな鉄の塊が飛ぶわけがない!!派の人間です。
でも陸路では5時間のところ、空路では、1時間。いくらデビルサヴァイバーが面白いといっても、往復にして8時間の差は多忙な自分にとっては、迷う余地はない!
が、緊張しすぎて、眠れず、朝7時に起きる。
何度かトイレに行って、タクシーを拾い、まず新大阪へ。(ここでまず梅田に行くほうが早いのだが、そちらは煩雑なのだ)
そこから「リムジンバス」なるリッチなバスに乗車し、伊丹空港へ。
JALに辿り着く。
 

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が、慌てることはない。中川が作成してくれた、「結婚式参列計画2(超ビギナーモード)」には、自動券売機でのチケットの買い方が事細かに記されている。
迷うことなく、チケットをゲット!
 

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緊張のため、1時間も前に辿り着いていたので、カフェに入り、生ビールを呑む。
きっとアルコールが緊張感も緩和してくれることだろう…。
そもそも結婚式に参席することさえ初めてなのだ。35歳にして。いかに友達がいないかがわかってもらえるだろう…。
時間になり、トイレを済ませ、ゲートをくぐろうとしたところで違和感。
右後ろポケットにいつも感じる重みがない!
そこには財布が!!
体中をはたいて探すも、ないないない!!
切符に飽きたらず、財布までなくしてしまうとは!!
クレジットカードとか、郵貯カードとか、免許証とか、保険証とか、現金も結構…
とにかく、財布を落としたら、とにかく面倒らしい。
つかそもそも一銭もなしに、松山へは飛べない。
考えられるのは、さっきのカッフェか?
来た道を駆ける!
JAL内を駆け抜ける!
カッフェに辿り着くと、自分の席にはファミリーが座っていた。
自分がお盆を返したカウンターを見ても、ない。
ない、ない、ない…
「あ、もしかして、おにーさん、あれですか?」
と、ファミリーのパパがおれに話しかけてくれる。
「財布忘れましたか?」
「はい!」
「店員にお渡ししましたよ」
…なんという幸運!
日本の少子化に立ち向かうべく編成されたアットホームなファミリーの大黒柱たるパパは、おれの財布を店員に落とし物として預けてくださったのだ!!
これが、少子化なんて関係あるかい、おれは孤独で結構、ひとりで生きていくんじゃい、お、大金、ラッキー!というような心ない人に拾われていたらば、金だけかすめ取られて、財布は二度と見つからないような場所に捨てられていたことだろう。
店員がやってくる。
「お名前は?」
「まえだじゅんです!」
「間違いありませんね。どうぞ」
財布が無事返ってくる。
ありがとうございます! ありがとうございます!と、店員や、日本の少子化に立ち向かうべく編成されたアットホームなファミリーに頭を下げ、カッフェを立ち去る。

全力疾走で汗をかきながら、入場。
まず荷物検査。
中川作成の「結婚式参列計画2(超ビギナーモード)」にペットボトルはダメ、と書いてあったから、先に飲み干し捨てておいた。中で買いなおす。
23番という端っこのゲートの前で椅子に座って待つ。
大阪は朝から雨だ。
松山も雨なのだろう。
傘を差しながらの参列になるのだろうな。
時間になり、ゲートをくぐり、雨の降りしきる中、搭乗。
 

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飛行機が予想以上に小さくてびびる。
あのいわゆる、ジャンボジェット機というやつじゃないのか…。
プロペラ機なのか、へー…。
 

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乗れる人数も少ない。へー…。

松山までは1時間。
発着時と、着地時の15分は電気機は使ってはいけないとのこと。デビルサヴァイバーがほとんどできないじゃん、と思いきや、眼下に広がる光景が…
 

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まさにAIR!!
美しい…。
こんな風景も写真でしか知らずに生きてきたんだなあ…
なんて35歳だ…。

その後、緊張して昨夜寝られなかったせいか、ぐっすり眠ってしまった…。
気づいたら、松山に到着していた!!
なんの恐怖もなかった!!
飛行機を克服した!!
やったーー!!
さらにここから、リムジンバスというリッチなバスに乗り、松山駅まで移動。
松山駅とJR松山駅は別なのか? ドキドキしながら、JR松山駅を通過。
最終、松山駅に辿り着いた! やたーーー!!
ここからは中川作成の「結婚式参列計画2(超ビギナーモード)」によると、タクシーで移動。
「道後のいさにわ神社まで」と運ちゃんに告げる。
「観光ですかー、ちょうどさっきまで○○がありましてー、こちらでしたら、道後温泉は浸かっておいて損はないですよー、で、正岡子規がなんたらうんちゃら~」
へー、ほーと返すものの、おれにとってはどーでもいい話が続く。
おれは、中川の結婚式に参席しにきたのだ。それ以外にはまったく興味がない!! 観光なんぞまったくせず帰る!! ここがラスベガスだろうが、ロンドンのアビイ・ロードであろうが、それは同じだ!!
松山では、機関車が、道路の真ん中を走っていた。
 

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記念にぱしゃり☆
旅を満喫などしていなーい!!
こんなのが走ってたら、邪魔だろうなーと思っただけだ。

ついに、そのいさにわ神社という、一回聞いただけでは覚えられそうもない、三日後にはいわさわだっけ?とか勘違いしそうな名の、きっと名高い神社に着く。
 

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こんな感じ。
この神社で、挙式が行われるのだ。
雨はぴたりと止んでいた。
まだ30分以上ある。
それっぽい人たちが集まってくる。
みんな親族の方だろう。
雨が止んでよかったことをみんな喜び合っている。
うむ、本当に良かった。
しかし…
みなさん、黒いスーツ(礼服)を着ている…。
おれはというと、ちょっとグレーが入ってるんですが…あとストライプも…。
やべ…浮いてる…おれだけ茶髪だし…
(この時中川の嫁さんからは、「あの人がまえださん? 茶髪だし…顔、青白いけど大丈夫?」と心配されていたらしい。どれだけおれの移動に不安があるかを旦那から聞かされたいたようだ/汗)
教えてgooか、yahoo知恵袋で調べてくるんだった…(汗
でも、黒のスーツなんて持ってないんだけど…
すると、開始寸前になって、同い年ぐらいの男性二名現れる。
地元の友達なんだろう。だが、ふたりも、真っ黒いスーツであった!
おれ浮いてね?
大丈夫かね?
「よろしければ、始めます」
と、神社の神主さん(実際には神主さんではないかもしれんが)が告げる。
「みなさん、お並びください」
と集められる。
そのまま、神社の中に通されていく。
これはおれたちも行っていいのか?と若い三人が目を合わせる。
「行かなきゃ、来た意味ないでしょっ」とおれが戦陣切って、親族のみが通されることが許される敷居を跨ぐ。
が、神主に、
「お友達はそこで待っててください」
と、端っこに追いやられる!!
そりゃそうだよなぁ…椅子も何もかも親族のぶんしか用意してないもんなぁ…友達が混ざれるはずがない(汗
厳かに挙式が始まる。
こんな感じ。
 

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そりゃ、こんな中に友達のおれが座っていたら、不自然だわな(汗
残る中川の友達のふたりは、ひとりはロッチの片方に似てたので、ロッチくんとし、もう片方は、アンジャッシュの片方に似てなくもないため、アンジャッシュくんと以後呼ぶが、そのふたりはおれより後ろで縮こまっていたのだが…
「ここからは写真を撮ってもよいですよ」
という神主の合図を聞いて、あれだけ目立たないように端っこにいたアンジャッシュくんのほうが、そこは跨いではいけないのではないのか!?という敷居を跨ぎ、親族ゾーンへと進入!!
なんて思いっきりの良さだ!! アンジャッシュくん!!
しかし、ここは乗らない手はない!!
おれも続いた!!
 

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真横から撮る!
親族のみなさん、すみません、へんなのがうろついて!

中川が、誓いの言葉を読み上げる。

 誓いのことば
 謹んで申し上げます
 ただいま大神の御前でわたしたちは婚礼をおこないました
 これより後は本日の感激を終生忘れることなくお互いに苦楽をわかち全幅の信頼と愛情を捧げて立派な生涯を送りたいと厳粛な気持でお誓いいたします

そして指輪の交換。
 

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戻ってくるふたり。
 

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おれはこんな勇ましい顔をした中川を見たことがない。
いつだってあいつはアウトローで、他人を斜に見ていたのだ。
なのに、なんたる堂々たる姿だ!
昔だったら、こんな奴ら、ふたりで笑ってたのに!
ふたりで笑ってた側なのに!
いつのまにおまえは、そっち側に行っちまったんだ!?
生涯をふたりで送ることを誓うなんて、簡単にできないんだぞ?
すごいことを今、おまえは誓ったんだぞ? それがわかってるのか!?
 

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守るものを持った顔だ。
もう新婦はご懐妊。8月に第一子誕生の予定。
遠いよ、中川…。
もっと遊ぼうぜぇ…。

中川のお母さんとお父さんが挨拶しにきてくれた。
思ってみなかったので、あたふたしてしまって、どうして真っ先に「このたびは誠におめでとうございます」とちゃんと言えなかったのか、それが悔やまれる。
中川はおれのことをどう親御さんに話してくれてるんだろうか。
おれから「たぶん、一番親しい友達です」と言うしかなかった。
正確には「おれからは、一番親しい友達です」なのだけど。
じゃないと、同じく挙式に呼ばれたロッチくんとアンジャッシュくんの手前、申し訳ないではないか。抜け駆けのようではないか。
でも、そう言いたかった。そう信じていたし、だから言った。
それはもう…といった感じで、畏まってくださり、大変恐縮した。
よく考えたら、ここに居る人たちはみんな地元の人たちで、海を越えて来たのはおれだけなんじゃないのか?
みんな車で移動する時も、「ひとりで大丈夫?」と中川のお母さんは気を遣ってくれた。
大丈夫です。息子さんが前日に急遽作ってくださった「結婚式参列計画2(超ビギナーモード)」がありますから!とは言えなかったが、大丈夫です、と伝えた。
長い石段を下り、タクシーを捕まえ、披露宴式場へ。
式自体が30分ぐらい早く始まったため、受付開始まで20分ぐらいある。
寒いが会場の前で待つことにする。
隣には、なに党か知らないが政党の事務所があり、テレビカメラがわんさと押し掛けていた。
ひたすら20分待ち、15時きっかりに中へ。

受付にはこんなものが。
 

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鳥羽Pめ! 憎いことをしやがるぜ。(今回唯一のAngel Beats!関連の話題)
 
待合室に通される。
 

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おれひとりしかいないではないか、ホワーイ?
ロッチくんとアンジャッシュくんは?
これはほとんど埋まることなく、1時間後、「披露宴のご用意が整いましたので、上へお願いしま~す!」と告げられ、会場となる部屋へ移動。

『英』というテーブル。
中川が先に「麻枝がひとりきりでも大丈夫な席」を用意しておいてくれたというのだが…
隣にはアンジャッシュくーん! その向こうはロッチ! おう、いえー!(そんなハイタッチはやらなかったが)
アンジャッシュくんはすごく好青年で(中川と同い年ならひとつ上だが)、気を遣ってくれて、何遍もビールを注いでくれる。
話を聞くと、ふたりは中川と高校生時代の友達らしい。
おれは当たり前を装って、「じゃ、おふたりも結婚されてるんですね?」と訊くと、案の定、当たり前のように「はい」と返ってきた。
これが一般ピープルなのだ! ひきこもりクリエイターとは住む世界が違うぜ!!
 

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新郎新婦登場。
ちなみにこのテーブルの残り4方はTSUTAYA関係者であった。
Angel Beats!をよろしくお願いします!と言おうとしたが、伝わらないだろうから、やめておいた。
 
ケーキ入刀。
そして、「新郎から食べさせてやってください」ドッキリにも、対応するこの柔和な表情。
 

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おれにはできねー! 中川よ、おまえは本当におれの知ってる中川なのか!?
 

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衣装替えをして現れる新郎新婦。
やっぱ花嫁はウェディングドレスだよね。
美しかったです。

そして、さっきから大変美味しい料理にまったく手つかず状態になっている、隣のロッチくん&アンジャッシュくん。
 

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見ると、それぞれ手にベースとギターを持っているではないか!
「マックスで緊張してます」とのこと。どうも、演奏して歌うらしい。
「中川の好きな曲をやるんですか?」と訊くと、
「もちろんです」と。
なにやるんだろ…。
 

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「中川がカラオケでよく歌っていたNight of the Knifeです」
誰も知らねーーー!!
おれひとりが「ラストシングル! ヒュー!」と奇声を上げて盛り上げていた…。
すると、ここからもドッキリで、アンジャッシュくんが、
「僕たち二番の歌詞は知りません。ここからは中川くんに歌ってもらいましょう」という展開に…。
 

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何が起ころうとこの日は大人の対応を見せ続ける中川。美声を響かせる。

おれがその曲を知っていたことに驚いたのか、大仕事を終え、テーブルに戻ってきたアンジャッシュくんは、おれに、
「中川からTMが好きっての聞かされてたんですか?」
と訊かれる(苦笑。もちろんこの人たちは、Kimellaの存在も、中川が殺伐ラジオに出たことも、おれが今アニメを作ってることも知らない。彼らからすれば大学時代からの友達のひとりでしかない。
 

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最後のデザート。そういや、美味しい料理の写真をひとつも撮っていなかったことに気づく。撮っておく。
これも食べかけだけどね(汗

ふたりのヒストリーが中川編集のビデオで流される。
 

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おれの知らない高校時代の中川だ。弓道をしている。中川にも高校時代や中学時代があったのか。不思議な気持ちだ。

披露宴ももう終わり。
ふたりが、すべてのテーブルの蝋燭に火を灯して回る。
最後にふたりの蝋燭に火を灯す。
 

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ちなみにここで流れていたBGMは、ムーンライダースの「幸せの洪水の前で」。おれしかわからねー!(汗

クライマックスは、新婦からご家族への手紙。
 

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おれはここから涙が出て、止まらなかった。
ロッチくんやアンジャッシュくんにも、顔を向けられなかった。
なんで泣いてんの?と不思議がらせそうで。
おれにもよくわからない。
ひたすら、ナプキンで涙をぬぐい続けた。
 

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最後に、お互いの両親にお礼を言うふたり。
その背中が本当に遠い。
 

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なあ、中川。

いつのまに大人になっちまったんだい?
いつまでだって遊んでられると思ってたのに。
いつのまに、守るべき人を見つけて、子供を宿して、家族なんて…そんな当時のおれたちからしたら鼻で笑ってしまうようなものを築こうと思ったんだい?
14年前、大学を卒業し、おれたちは別々の道をスタートして、それでも音楽とオタクな話だけは盛り上がれて、会えばいつまでも大学生気分でいられたのに。
おまえは、それを卒業しちまうんだな。
もちろん、それはめでたいことだ。
それが普通の生き方なんだから。
でも、おれひとりが泣いてるのはなんでなんだろう?
寂しいのかな?
おれは取り残されてしまったのかな?

いや、いつまでもおれのように、独り身でぐだぐだと生きていくんだろうな、普通の幸せとは無縁でいるんだろな、と思っていた唯一の親友が、幸せになってくれて…それで嬉しいんだ。
これは、嬉し泣きだ。

おれは、結局片づけが始まるまで、ひとり会場に残っていた。
「閉めますんで」と係りの人に言われ、ようやく立ち上がり、最後に会場を出た。

見送りしてくれるふたりを前にしたら…
また…
目頭が熱くなって…
涙が止めどなく溢れた。
涙を必死でぬぐうおれがいた。
中川がおれを見て、
「なんで、おまえが泣いてんのや」
と笑った。
あの日、14年も前。
大学を卒業して、スタートしたお互いの暮らし。感性だけは合っていたけど、生きるのが果てしなく下手くそだったふたり。ひたすら好きな音楽を語り合っていただけのふたり。幸せなんてものとは縁遠かったふたり。そのひとりがそのゴールに辿り着いたんだ。
泣けないわけがない。
おれは新婦の手をとった。そして、
「中川をお願いします」
と頭を下げた。
それが中川の嫁さんに初めて言った、そして今回残せた、唯一の言葉だった。

会場を後にして、帰りのタクシーの中でも涙は止まらなかった。

 
 
 


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平成22年3月6日ホテルJALシティ松山披露宴会場にて中川と
 
 
 

2010年2月23日

開発日記其の六拾九

第二話のアフレコも先週行われました!
自分で言うのもなんだけど、この回は面白い!!
まず通しのテストを行うのだけど、え?もう終わったの?と驚くほど早かった。
それほど、夢中になって見入っていた。
椎名の声について、監督と音響監督と話し合いをする。
ハスキーすぎて、まるで宝塚歌劇団の男役のような声になってしまっていて、これでは人気が出ない! 低くてもいいからもうちょっと女の子らしい艶のある声で!と要望を出す。
若干ゆりと被ってしまう恐れもあったが、おれの意見が通った!!
この日から、日向役の方も合流。
日向役も自分の第一希望の方だったので、感無量。すごくいい声です! おれもこんな声で喋ってみたい!

で、先週の金曜の夜ですよ…。
いきなり藤井きゅんから
「アニプレさんからテレビ出演のオファーです。
 MBS毎日放送で3月3日21時54分の情報番組でAB!を取り上げるそうです。
 で麻枝さんのインタビューを流したいと」
というテレビ出演依頼が!!
ふわあぁああぁぁあぁぁ!!
おれが地上波テレビ出演だとおぉぉぉ!?
しかもぎりぎりゴールデンタイムだ!! お子さまもまだぎんぎんに起きている時間だぞ!?
…受けるか受けざるか悩みました。
というのも、この後、26日ぐらいに、ブシロードさんのイベントで公開されたメイキングのダイジェストがこのサイトにもアップされるのですが…
それのおれのイケてなさっぷりっと言ったらもう!!
基本、朝目覚めた寝癖がその日のヘアスタイルになるので、ぜんぜんキマッてなかったり、すげー髪が跳ねてたりするんですよ。
そのメイキングのダイジェストも、どれだけ「これは使わないでください…」とリテイクを出して、手を煩わしてしまったか…。(申し訳ありません!)
で、今回の収録は、
・確認、リテイクは一切不可 編集は先方さん任せ
・確認は本放送のみです
という、一発勝負!! しかも収録は二日後(昨日です!)
これは断ろう…と思ったんですよ、最初は。
でも、こんな機会は二度とないかもしれない…と思い直し、孫も作れないような親不孝もんだから、親孝行のためにも、出よう!と決めました。
「ようし、出てやろう! どうにでもなれだ! ふわーーーーはっはっは!」(原文ママ)と藤井くんにメールを返しました。

寝癖がすべてなので、前日の風呂上がりには髪が跳ねないよう、周到にドライヤーを当てました。
そして翌朝。
奇跡が起きた!
いい感じの寝癖だ!! メイキングのように跳ねていない!!
これを今日一日キープし続けろ!
新幹線に乗り、デビルサヴァイバーでモスマンという移動においては欠かせない重要な悪魔を合成しながら、収録場所である東京のアニプレックスさんに向かう。
午後1時到着。
受付で、「本日は打ち合わせではなく、テレビ取材を受けにきた麻枝ですが」と芸能人的オーラをぎらぎらと発しながら到着を知らせる。
部屋に通されると、目映く光る謎の囲いが出来ていた!
 
 
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どうやらこの囲いの中で受け答えするようだ。
今回は貴重な体験のため、記念にG’sのコアラさんにお願いして過程を逐一デジカメで撮ってもらう。
 

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持参した愛用の鏡(両端に立てるための支えが付いていたが、取っ払ってきた)で、最後のヘアセットを試みるおれ。
なんだ? どうしたら格好良く映るんだ?
焦る。
いつでもいいですよ、と合図が。
覚悟を決め、謎の光る囲いの中にハマる。
収録開始。
 

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インタビュアーの質問に答えていく。
カメラを回されることも、答えることもメイキングで慣れているので、緊張することはなかった。

冒頭に横顔のシルエットが出るらしい。
 

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それも撮る。
 

果たしてどんな感じにカメラに映ってるのか?
メイキングのようにイケてない残念ヘアーになっていないのか?
「今、見れるなら見せて頂けないでしょうか…」とお願いする。
動いてる映像は無理だそうだけど、写真みたいなカットを数枚見せてもらう。
 

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確認中。真剣な眼差しのおれ…。

自分で見た感想。
…すごく神経質そうなクリエイターっぽい人が映っている…。
少なくとも営業職ではないわ…。

収録時間は5分ぐらい。
だって放送1分の番組だからね!
お疲れさまでした!
この5分のためだけに東京にきて、大阪へとんぼ帰りするおれ。

「FACE~時代をつくる人々~」
という題の番組らしいです。(おれは時代を作ってるのか! すごいな!)
直前の番組を確かめてみたらば、水曜劇場「赤かぶ検事」…!!
なんて視聴者の被ってなさ! 接点のなさ!!
「赤かぶ検事」を見ていた人は、チャンネルを変えなかったら、自動的におれを見てしまうことになるんだけど、誰もが、「何者だ、こいつ?」と思うだろう…。お子さまに至っては、泣き出すかもしれない。
関西在住でMBS毎日放送が観れる方は、「赤かぶ検事」に続き、突如神経質そうなクリエイターが現れ語り出す、そのシュールな光景を是非チェックしてみてください!

鳥羽Pから第九話の絵コンテを頂いたので、帰りの新幹線でチェックする。
すごく面白いじゃないか!!

それからデビルサヴァイバーで、飛翔能力を持つバイブ・カハと、力と魔両方が高いライラを弱点属性がなくなるように合成しながら大阪へ。
すごく面白いじゃないか!!

最近の出張は帰ってこれる時間が早くていいなあ。
新大阪駅構内で、五右衛門のパスタが食べられる! これが今の楽しみ!
本読み時代は、必ず22時を回っていたので閉店していたのだ。
先週のアフレコに続き、今日も食べてきた。
社長も言ってたが、五右衛門のパスタは、ほんと美味しいのだ。
食に対して無頓着を豪語するNa-Gaくんも、五右衛門のパスタだけはメンズセットで大盛りにしてわしわし食べるのだ。(おれはレディースセット)
五右衛門は、どれも美味しくて目移りしすぎる。

帰ってくると、Amazonから商品の発送メールが。
・極限脱出 9時間9人9の扉
・トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説
頼んだ記憶がない…。
眠る寸前に注文したようだ…。
眠る寸前の記憶は度々飛ぶ。
3月から始まる東京でのホテル暮らしを「よぅし、これで満喫しよう!」という意図だったのだろう。
デビルサヴァイバーにYs7に、上記の二本。
35歳の男が東京の夜にやることが携帯ゲーム一色。
外に出るという発想が一切ないところが、さすがひきこもりクリエイターだぜ…。

さて、Na-Ga氏をゲストに迎える『殺伐ラジオ最終回』のお便りの〆が今月末までと迫っております。
どんなご質問でも構いません。
今月末のG’sさんでメインのキャストさんがほぼすべて発表されますので、それを受けてでもいいです。
こちらから投稿をよろしくお願いします!

2010年2月13日

開発日記其の六拾八

第一話のアフレコに行ってきました!!

と、その前日には音楽の打ち合わせがあり、いろいろとこちらにも不備があり、胃が痛むような申し訳ない気持ちの中、出来る限りのリテイクを出させて頂きました。
そしてなぜかPの策略により、おれが「夏影」や「渚」のようなキラーBGMを書くハメに!!
そんなの無理です!! プロデューサー!!

5時間に及ぶ打ち合わせが終わり、ホテルにチェックイン。
ドアを開くなり、誰かがすでに中に居てびびる。が、それは鏡だった。なぜにこんな位置に姿見を…?
シングルで予約したはずなのに、部屋はツインだった。
寝ていて、ふと起きて時間を確かめるために携帯を開くと、画面が真っ青になっていた。何を押してもうんともすんとも言わない…壊れている…。買い換えたばかりなのに…。
隣のベッドを見ると、布団が不自然に盛り上がっていた。

翌朝、チェックアウトし、スタジオに向かう。
関係者がたくさんいて、ものすごい賑やかなことになっていた。
ここでNa-Gaくんと合流する。
よう、ついにこの時が来たな!とハイタッチを交わす。(嘘です。ノリで脚色してしまいました/汗)
時間となり、飯田音響監督と鳥羽Pと共に録音ブースの中に入り、キャストのみなさんにご挨拶をする。
すごい人数&メンツで圧倒され、何を言ったかよく覚えていない(汗
キャストのみなさんからしても、やけに名前だけはプッシュされてるものの、この人は一体何者なのだろう?という感じではなかったのだろーか…(汗
改めまして、「泣きゲー」なるものを作り続けてきた者です。代表作は「CLANNAD」になるのかな? アニメにもなってるのでその名が一番通りいいかと。今作の原作・脚本を務めてます! よろしくお願いします!
収録が始まる。
まずはキャラ作りも兼ねてのAパートの通し。
スタジオのこっち側にも大きいスクリーンがあって、動いている絵が見れるのね。
おれは、PV6以外の動いているシーンを見たことがなかったので、すげー楽しみにしていたんです。
所々、線画のままのところがあったけど、キャラはぐりんぐりん動きまくっていました!
とにかく、後ろでキャラが動く動く。1クールなのに、異様に登場キャラ多いですしね(汗
後のG’sさんのインタビューでPAの堀川社長が語ってたのですが、背景の人物が動くことにはこだわりを持って作っているのだそうな。そして、本来ならそんな引きでは絵コンテは切らないのだけど、それを切ってくる岸監督。情熱のぶつかり合いを感じました。
そしてキャストさんたちの演技。
今公開されてるキャストさんについて感想を述べさせて頂きますが…
神谷さん。素人意見で申し訳ないですが、上手い!! その一言に尽きます。
そして、頭が下がるほど、作品に対して真摯なのです。
Aパートの収録が終わっての休憩時間の間も、休憩スペースにて、ひとり黙って脚本に目を通されていました。
すべての収録が終わった後、「音無は記憶喪失という設定ですが、脚本は先にすべて読んでおくべきでしょうか? それとも読まないでおくべきでしょうか?」という質問を飯田さんにしていたのも印象深い。
だって、脚本はすべて手元に届いてるんですよ? 俺だったら「どんな記憶を失ってるんだー? 最後はどうなるんだー? どれどれー? ふむふむ、へー」とぺらぺらと読んでしまうと思うんです!
でも、神谷さんは、「記憶喪失の主人公」を演じきるため、敢えて、読むのを止めていたんです。
本当に何も知らないままで音無を演じていたんです。
なんてプロ意識!
続きましては天使役の花澤さん。おれがずっと天使は花澤さんじゃなきゃヤなんだ~い!というこだわりを持ってのキャスティングだったのですが…
完璧です。あの澄んだ声は、唯一無二のものだと思います。
あまりに完璧すぎて、監督からも飯田さんからも一切演技指導やリテイクがなかったほどです。
それが返って不安にさせたのか、最後、挨拶に来られた際に「大丈夫だったんでしょうか…?」と訊いてこられたぐらいです(汗 確かにあれだけ触れられなかったら不安にもなるというものです(苦笑
そして、ゆり役の櫻井さん。第一話は、世界観説明の役も担っているため、セリフ量が尋常ではなかったのですが、時に乱暴だったり、時に可愛かったり、時に計算高かったり、時に悪魔のようだったり、魅力的にゆりを演じられていました。数多くの声優さんと携わってきた堀川社長に「演技が上手い」と言わしめた、その経験に裏打ちされたスキルを存分に発揮されていました。
喜多村さんは本日はいらっしゃいませんでした! 残念!
今回のアフレコで一番感動したのは、背景の人物の声録りでした。
メインで喋ってるキャラのバックで動いているキャラの声です。
堀川社長も後のインタビューでもそういうのが作っていて一番楽しいと語っていたのですが、声が重ねられていくと、背景キャラでもひとりひとりに「命」が吹き込まれていき、ものすごい臨場感でシーンが活きていきます。
Angel Beats!は登場キャラがとにかく多いので、そういう異様に賑やかな部分も是非味わってください。
そして、俺の中でのクライマックスはガヤ録りでした。
全員が起立し(その後ろ姿だけで壮観!)、シーンに合うセリフを思いつくままに喋りまくるのです。
それが一番プロフェッショナルな仕事に映りました。脚本もないのに!
役者さんってすげー!と思いました。
それに引き換え、ひきこもって脚本だけをパソコンに向かってポチポチと打ち続けている自分がどれだけ小さく感じたか! 俺ってちいせぇーー!!
チームワークもすごくて、限られた本数のマイクに向けて、まるで予行練習でも行ってきたかのように、みなさん入れ替わり立つのです。俺だったら、誰かと激突するか、その勢いで唇が触れ合ってしまうか(ゲーム的発想)、登場してるのにマイクに辿り着けていません!
帰りの新幹線の中では、Na-Gaくんと、ものすごいことになってきたな! 俺たちも頑張ろうぜ!と固い握手を交わしました。(嘘です。ノリで脚色してしまいました/汗)

明日、日曜は、PAさんの東京スタジオにお邪魔してきます。今まさに戦争が行われている、その戦場ですよ!
打ち合わせなんですが、なんの打ち合わせかは言えません!
新大阪から東京駅まで2時間50分、さらにそこから50分の位置にあるそうです(汗
携帯がよくわからない現象で壊れて、時間も確認できない今、無事辿り着けるかわかんないけど、いってきます!
 


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収録現場。すごい人数。
たぶん後ろ姿は神谷さんです。
来週にはもう第二話の収録。ギャグが多いので楽しみです。

2010年2月 7日

開発日記其の六拾七

ついにキャストが発表されましたが、いかがでしょうか。すごいですよね?
ちなみに、ゆり役の櫻井さんですが、オーディションに呼んでもらうように音響監督の飯田さんにお願いしたのは自分です。
しかしオーディションが終わった後日、キャスティングの話し合いの場では、自分はゆり役については黙ったままでいました。リトバスCEでお仕事をご一緒している手前、身内びいき的なことはしたくなかったので。
なので、自分は、天使は花澤さんじゃなきゃヤなんだ~い!とだけ繰り返し訴え続けていました。(そんなガキっぽくは言ってませんが/汗)
そうすると、ゆり役は…という話になり、監督の口から最初に挙がった名前が櫻井さんの名前でした。
その場にこられなかったPAの堀川社長の候補案を制作の小柳さんが授かっており、そこでもゆり役は櫻井さんになっていました。一言、「演技が上手いです」と書いてありました。
まさか、あれだけのすごい方達の中から、真っ先に名が挙がってくるとは…表情は、「天使は花澤さんじゃなきゃヤなんだ~い!」と訴え続けるクールなまま、内心では「櫻井さん…すごいです…」とひとり驚いていました。
他にも候補は挙がりましたが、監督は悩み抜いた末に、「こういう時は自分の勘を信じよう! 櫻井さんで!」と告げ、ゆり役は決まりした。
なので、ちまたでは麻枝が推したに違いない!とか言われてますけど、ゆり役は櫻井さん自身の力で勝ち取った役なのです! 誤解なく!
もちろん、他のキャスティングもこだわり抜いたので、完璧の布陣だと自負しています!
四日後にはついにアフレコが始まります…。アニメのアフレコは初めてで、あれだけの人数がいて、どんな状態になって録るのかさっぱり想像もつきませんが、行ってきます!

今は、BGMのディレクションに奮闘してます。
まず音響監督の飯田さんの発注書があり、それに沿って作って頂いていたのですが、若干BGM過ぎたというか、ようは、シーンには合ってるはいるのだけど、曲としてはもう少し主張があっても良いかな、という感じでして。
最初はアニメなんだし、そっちのほうが正しいのだろうと思ってたのですが、PV6のBGMがあまりに好評なので、もっとアーティスティックにやってしまってもいいのでは?と考えが変わりました。
そもそもKeyでは、Kanonの時点で、劇伴をやってはいないのです。
音楽が主張しすぎていて、プロデューサーがいたなら、クドわふの魁先生も清水くんにそうしたように「もっと自重を」とリテイクを出すレベルのBGMが満載でした。(魁先生には、これがKeyの音楽なんだ!と突き返し音楽監修としての務めを果たしましたが)
それでも、ユーザーさんからは「音楽が主張しすぎ」なんていう声はまったくなく、むしろ好評でした。
AIRで「夏影」というBGMが流れるシーンに至っては、「シナリオを読み進める手を止めて、聴き耽ってしまった」という感想をたくさん頂きました。
完全にBGMがシナリオを食ってしまったのです!
劇伴としては決してやってはいけないことなのですが、皮肉にもその演出が、Keyにおける音楽の評価を決定づけるものとなりました(もちろん、折戸さんや戸越くんの手柄でもあります)。
持論なのですが、音楽もシナリオも絵もCGもプログラムも、すべてが全力。それらを合体させたものが一番いいものになるに決まってる!と思ってます。バランスを合わせるために、どれかをパワーダウンさせるなんてもったいない!
音楽も、常にいい曲が流れているほうが絶対にいいです。地味な曲を流した後に、いい曲を流して盛り上げる、という演出もありますが、それでも地味は地味なりに、やはりいい曲であるべきなのです。
なので自分が書くBGMは大抵「サビ」があります。起伏があるのです。そんなもの劇伴ではありません。
でも、感情を揺るがす強力な演出材料になるのです。
なので、今回BGMをお願いしているユニットさんにも、個性が際だつぐらいアーティスティックにやってください、といきなり方向転換を行いました。
それで現場が混乱してしまい、村山さんをはじめ、ユニットさんにも多大なるご迷惑を目下リアルタイムにかけ中、大変申し訳ないです。でも合ってると思うんですよ!! ただ、発注の仕方に大変問題があり…(汗
納期も寸前で、アニメ制作チーム同様、こちらも壮絶なことになっています…(汗。
おれと音楽で関わった人たちは大体こんなふうに振り回しちゃって、毎回すみません…と思います…。
それによりアフレコの前日、10日に打ち合わせが入りました!! こちらも行ってきます!!

挿入歌のプリプロも行ってきました!
2バージョンあるんですが、片方が、もうこれで完成でいいんじゃね?というぐらいいい出来です。
そうかー、バラードだとこんなエモーショナルに歌えるのかー。
すげー泣けます。
で、そのプリプロの金曜日ですよ!
切符買って、新幹線の改札に向かうと人でごった返し。人の壁が出来上がっていた…。
新幹線が止まってたらしい。
でももう動き始めてるらしいので、電光掲示板の見えるポジションを陣取り、焼酎を呑みながら、DSでデビルサヴァイバーをプレイしながら待つことにしました。
しかし、2時間経っても、おれの乗る新幹線のぞみ○○号は、電光掲示板に表示されない。
つか、後発に抜かされている!?
困った時の藤井きゅん。
電話してネットで確認してもらうと、「○○号は運休です」とのこと。

どがーーーーーーーーーーーーーーん!!

おれの二時間はぁ!?
人ごみの中でデビルサヴァイバーをプレイしていただけじゃん! まあ、そりゃそれで楽しいけどさ!
それに、そんな運休なんてアナウンス一度もなかったぞ…?
駅員は人に取り囲まれ続けているし、切符売り場は長蛇の列。
どうやってその情報を知れと?
怒鳴り声が至るところから聞こえてくる。ああ、おれも今そんな感じだぜ。
だが、なぜか客同士が揉めてたりしている。ホワーイ? やめろ、やめろ。おれたちは帰れない同士じゃないか。
と別に仲裁に入るわけでもなく、ひとり途方に暮れる。
泊まり確定。
再び、藤井くんに連絡を取り、ホテルを予約してもらう。
切符の払い戻しをしてもらいに窓口へ。
払い戻しより、なぜか明日の切符を買うことを勧められたので、朝10時過ぎのを買って、地上に上がる。
ホテルではいつも眠れないので、ドラッグストアを探して、ドリエル的なものを購入。
こういうのって、気休めにもならんのだけど、一応…。
昼飯も夕飯も食べてなかったので、なんだかよくわからないこじゃれたパスタ屋さんに入って、茄子の和風ミートソーススパを食す。
うぅ…温かくて大変美味しいです…。
その後、お好み焼き屋に入り、女性店員のお薦めだというタコとセロリのカルパッチョ的なものを食べながら、呑む。これを薦められたのは、鉄板があるにも関わらず、それを使わずにすぐ出来るからじゃないか?とか邪推しながら、呑み続ける。
0時ぐらいにホテルにチェックイン。
まだ寝るには早いな…。
どうしよう…と考え、DSでデビルサヴァイバーをプレイすることにした。
2時ぐらいになり、ドリエル的なものを飲んで就寝。
一時間ぐらいごろごろ寝返りを打ち続けるも、一向に寝付けない。
やっぱ、ドリエル的なものはおれには利かないようだ…。
起きるはいいが、こんな深夜な何をすればいい?
そうだ、眠くなるまでDSでデビルサヴァイバーをプレイしよう。
プレイする。
気づくと午前4時ぐらいになっていた。
ここから中途半端に寝るより、このまま起き続けて6時の始発で帰ったほうが、楽な気がしてきた。
なので、残り二時間起きていることにする。だが、この二時間をどうしよう…。
そうだ、DSでデビルサヴァイバーをプレイしよう。
って、どれだけデビルサヴァイバープレイしてるんだよ!!
おれ、なんか、アトラスさんから貰ってんのかよ!!
と自分で突っ込まざるを得ないぐらいデビルサヴァイバーをプレイしまくってました。
でも本当に面白いんだ。魔法のようなアイテムなんだぜ、デビルサヴァイバー。
これをプレイしていると時間を忘れる。
今回は片道3時間弱の新幹線も、改札前で過ごした2時間も、眠れないホテルの夜も、すべてこのDSのデビルサバイヴァーで凌いだ。
一番恐いのは、DSの充電が切れることだった…
泊まりは考えてなかったので、ACアダプターを持ってきていないのだ。
だが、最後まで保った!!
10時間以上はプレイしてると思うんだけど、DSすげーー!!
ほんと、デビルサヴァイバーしてると2時間や3時間なんてあっという間なんだ。
クリアしてしまうのが恐いぜ…。なので、出張中以外はプレイしない。厳禁。でるきだけクリアを引き延ばす。おれは一周目で全力で経験値を稼ぎレベルを上げ、バランスをブレイクすることを楽しみ、周回プレイはしないタイプなので。
2月のレコーディングラッシュは3月に移動した。
3月は東京にいるほうが長い。毎日録るんじゃなくて、ボーカルさんのために中日(なかび)を作るんだけど、おれはその日は東京に居て、完全にフリーになる。何をすればいいんだ? 長き一日をひとりきりでどう過ごせばいいんだ?
はい、デビルサヴァイバー!
というわけで、ホテルに篭もって、日がな一日DSでデビルサヴァイバーをプレイするんだーい! そう考えると過酷なレコーディングがなんだか楽しくなってきたぞ!? うわ~い!
本当言うと、レコーディング中もディレクションしながらデビルサヴァイバーをプレイしていたい。さすがにストーリーを進めながらは無理だが、悪魔合成をしながらならやれる自信がある。(やらんが)
そして、朝6時になりチェックアウトを済ませ、東京駅に。
はい、ここでトラブル! またも切符なくしたーーーーー!
ポケットを探すも、鞄の中を探すも、ホテルに電話するも、見つかりません。
タコとセロリのカルパッチョ的なものを食べた、あの鉄板があるのに鉄板料理を食べなかったお好み焼き屋か?
とにかく見つかりません。
はい、また自腹ーーー!
うぅ、毎回、なぜに仕事しにきて、無駄な出費をしてるんだ…。しかも新幹線の切符なんて高価なものを…。
前回と合わせたら2万8000円無駄にしてるぜ…。
PS3が買えてたじゃん!!
そう考えるとすごいショックだ…。

今週は、毎日、天下一品を食ってた。
ラーメン定食。ようはご飯がついてくる。
おれは焼き肉にはライスを付けない男だが、天下一品にはどーーしても付けたくなる。
なんてライスが合う食べ物なんだ、天下一品!!
最後には、残ったスープにご飯を入れて、リゾット感覚で小粋に食べる。
きっとこれが通の食べ方だ。しらんが。
いつもは中津店にいくんだけど、スクリプターのYonieくんも天一ッツァーで(おれがたった今作った造語。天下一品をこよなく愛する者たちの総称。テンイッツァーと読む。直に流行る)、彼いわく中津店の味は上品すぎるらしい。
いわく前の社屋の近くにあった、南森町店は下品な味(彼なりの褒め言葉)でいいらしい。
そんな店舗によって違うものなのか?
彼が言うには、その南森町店でさえ、日によって味のばらつきがあるそうだ。彼は相当な天一ッツァーだ。
なのでその下品な味(褒め言葉)を確かめに、今日はチャリを飛ばして南森町店に入ってみた。
食券制なのか…。
こってり並とご飯を注文する。
運ばれてきた、こってりラーメン。見た目からなんか違う!!
よくわからんが中津店は、トッピングが小綺麗なのね。ここのは…なんか…ごにょごにょしてる!!
食べてみる。
うん、違う。確かに違うが…形容しがたい。
なんていうか…ごにょごにょしている!!
で、トッピングに辛子味噌なるものが別に置いてあるんだが、それも違う!
中津店は赤くてとても辛いんだけど、こっちは、味噌成分のほうが明らかに多くて黒ずんでいてあまり辛くない、なんていうか…
ごにょごにょしている!!
結局…なんだかよくわからんかった!!
おれは中津店でいいと思った!!

ここで、この場を借りてお礼を言いたいと思います。
これはペンネームだったら出していいのかな?
さよなら乾先生さん、CDありがとうございました!!
TM NETWORKの限定コンプリートボックスを頂いたんですよ。
おれと中川が(誰だ?)、第二回殺伐ラジオでTMについて熱く語り合っているのを聴いて、当時の青春時代のことを色々と思い出せた、そのお礼なんだそうな。
中川も「それは凄いな…」というお宝です。
なので先月からTM漬けです。おれも郷愁に駆られてます…。

こちらはご紹介なのですが、これまたプレゼントで頂いたTSUJIMOTO COFFEEという会社のドリップコーヒーにどハマリしています。
毎日5杯は飲んでます。
ブレンド系は普通なのですが、キリマンジャロとマンデリンが非常に美味しいです。
かつておれが最高の賛辞を送ったカフェグレコ以上かもしれない。お薦めです。

で、百年の孤独が一番美味い焼酎だけど、高くて買えないよ!というみなさんに朗報です。
夢想仙楽という焼酎が、百年の孤独と同じ味で、お値段半額以下で買えます!
って、スパムみたいだな…。

『至急受け取り確認お願い致します☆現金200万円当選しております☆』
的な。

『夢想仙楽という焼酎が百年の孤独の半額で買えます☆百年の孤独と同じ味です☆』
みたいな。

怪しすぎる…。
まあ、おれはその夢想仙楽というのを毎晩嗜んでおります。
あと、魔王も美味くて…でもこれも高くて買えねーよ!!
今度は魔王のジェネリック的なものを探そう…。

今、宅録でギターを録ろうとしてるんですが…(なんの開発日誌だ?)
MIDI上ではパワーコードしか置いてないので、それだけを録るならすぐ終わる。
一応、二本は重ねようと思うが、パワーコードを弾いていないもう一本のギターは一体何を弾けばいいんだ…?
で、なんか折戸さんがむきむきとギターが上手くなっていて(なんとリライトのボーカル曲のデモのバッキングを自分で弾いて録っていた! いい曲だったよ!)、おれもそれで焦ってAmazonで、
『これからはじめる!! ロックギター入門-これだけは知っておきたいすべてが見て・弾けるDVD付』
『ギター・マガジン ギター基礎トレ365日!(CD付き) 』
という教則本を勢いで2冊も買ってしまった!!
これからはじめる!!って…
まあ、触るのは学生時代以来だから、いいかもね…(汗
で、折戸さんも言ってたんだけど、練習するにはアンプ通さないと意味ないんだよね。
なので、さらに、ORANGE CR3 MICRO CRASHというミニギターアンプまで注文しちゃった!
Amazonてほんとなんでもあるなー。すげーなー。ほんと死後の世界に持っていきたいね。
じゃなくて、散財しすぎ!!
貯金がどんどん減ってくぜ…へへ…。
でも、独り身だからいいんだ~い! うわ~い!

もう日本では入手困難な、
Best of System F and Gouryella, Pt.1
Best of System F and Gouryella, Pt.2
の二枚のCDも、7990円で注文しちまったぜ!!
ふわああぁあぁぁぁああ!!

よつばとも全巻大人注文しちまったんだった!! 今日届いた重い荷物はそれだった!
BAKUMANをその前に大人買いして、最新刊にそろそろ追いつきそうなので、それから読むんだ~い!
そういや、以前コメントで、「それ町」を薦めてくださった方がいましたよね? ありがとうございます! 最高に面白かったです! ネムルバカも最高でした!

お返しにというわけでもないのですが、最近民安さんに頂いた漫画「星守る犬」が大変よかったです。
何度も読み返してしまう、味わい深い本です。
あとお薦めはしませんが、自分の中で押切蓮介という漫画家がブレイクしてます。
とりあえず樋上さんにミスミソウ全三巻を布教しておきました。この作品はよく出来ています。

ゲームはシュタゲを夢中でクリアして、今はテイルズのヴェスペリアをやってます。X-BOXと同時に買ったのに、ずっと積みゲーにしてたから崩しにかかろうかと。なるほど…リタが萌える!! この開発日誌当初におれがヴェスペリアには萌えヒロインがいない!と嘆いたならばリタが居るじゃないですか!と言ってくれた方、すみません! 居ました! やっぱおれの生き甲斐は萌えヒロインの居るRPGをプレイすることのようです。
それと併行してプロジェクトシルフィードをやってます。X-BOXフル稼働。シルフィードはすげー! マクロスのあの空中戦をまんま体感できます。敵機をロックオンしてミサイル発射。しゅばしゅばーとミサイルが飛んでいき、遠くでどごーん!て敵機をKILLしていくこの快感! でもおれシューティングはめっちゃ苦手なんで、序盤から20回ぐらいリトライしてクリアしてます…(汗 これ一対一で戦うこともあるの? そんなの無理だよ(汗
Fallout3もやったのだけど、地上に出た時点で燃え尽きた!
あの世界は過酷すぎるよ! だって友達の母親が巨大ゴキブリに食べられていても助けずに無視できるんだよ? さすが18禁。

音楽ではMASS OF THE FERMENTING DREGSが来そうな感じだ。
相対性理論と購買層が被ってるのか。
相対性理論+渋谷慶一郎のアワーミュージックは賛否分かれてるけど、おれはすごく好きだなあ…。
ピアノだけでやくしまるえつこが歌うってのがこんなにハマとは思わなかった。スタンドアローンで十分通用するんだなあ…。
ただ、確かに、やくしまるえつこはもっとそっとしておいてあげろ、とは思う。

なんだか学生のような生活をしているな…。
ありゃ? ひとりぼっちを満喫してないかい?
 
 

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おれはどこに向かっている?

2010年1月28日

開発日記其の六拾六

Angel Beats!の制作状況ですが…
G’sマガジン掲載のこもわた遥華さんによる取材レポ漫画のラフ原稿で、先月今月と、現場の様子を垣間見ることができたんですが…
こんなにも現場は壮絶なことになっているのか!!
岸監督がゲストで出たラジオも聴きました。
いつ緊張の糸が切れてしまうかもわからない、ものすごい張りつめたぎりぎりのところでみなさん頑張ってられるとのこと!!
平田さんのコメントが身に染みます。
「普通TVアニメは、30分でできることを前提に作るんですが、Angel Beats!は、麻枝さんが作りたいものを30分に詰め込んでいる」と。
自分がやりたい放題やって、みなさんに迷惑をかけまくっている…
その事実にようやく気づいて愕然としてしまいました…
おれはとんでもない脚本を書いて、いろんな人をその巻き添えにしてしまったんじゃないのか…
それをG’s編集部のコアラさんに泣き言のように伝えたらば…

  確かに壮絶なことになっていましたが、
  迷惑というのは違います。
  僕も取材と称して、富山のPAさんとか背景のT2studioさんとか、
  あるいはインタビューで、岸さんや堀川さん、飯田さんにお話聞いてきましたが、
  みなさん、やる気に満ちてますよ。

  堀川さんがインタビューでおっしゃっていましたが、
  「この業界は、お金目当てで仕事するには、見返りが少ない。
   だからみんな、『これは俺が作ったんだ』と胸を張っていえる、
  やりがいある仕事を求めているんです」
  と。

  どこの部署の方々も、「やりがいある仕事を得た!」という
  気持ちなんだと思います。

  そしてその最初の火付け役になったのは、
  紛れもなく麻枝さんです。
  麻枝さんの脚本が、岸さんや堀川さんに火を付けたんだと思います。

  総作画監督の平田さんにも話を伺ったんですが、
  「岸監督は天才ですよ。あれだけ映像にこだわりを持っている人は
   監督でも異色です。麻枝さんのシナリオは、素晴らしいけれど、
   ふつうの制作会社や監督なら、シナリオを書き直させるような要素の詰め込み方です。
   それをPAワークスさんが大変な思いをすることは覚悟の上で請け負い、
   岸監督は、面白がって、もっとすごいものにしようと、
   制作にいろんな注文をつける。
   ほんと、「監督、そこは止めてくれよ」って思うこともありますが、
   いままでにないアニメになるのは間違いないので、
   私も全力でがんばります」

  って。
  麻枝さんのムチャぶりのような脚本を、
  岸さんが引き受け、また制作陣にムチャぶりする。
  でも全員が、面白がってやっているんです。
  「絶対、話題になるものが作れる」という
  確信があるんだと思います。

  いいもので出来る時って、
  こういう空気感の中から生まれるんじゃないだろうか、
  と思いました。

  僕も最初は、麻枝さんのシナリオ、ということで
  Keyファンだけでも着いてきてくれれば、と思っていたんですが、
  岸監督は、明らかにそれを、さらに大きなものにしようとしています。

  ほんとに4月が楽しみです。
  これだけの人たちが本気になっているんだから、
  いいものができないわけはないと思います。

…という生の現場の声を聞いてきたコアラさんから長文メールを頂いて。
涙が出そうになりました。
絶対すごいものになります!!
ならないわけがない!!
あの無茶ぶりにみなさんが応えようとしてくれているのだから!!

平田さんも「でも、普通の脚本家には書けないもの仕上がっているのでがんばる価値があります!」と語ってくれているのがその証明でしょうか。
PVのあのクオリティも平田さんが総作画監督としてすべてチェックしていることで保たれています。
本編もすべてチェックされ、全13話、あのクオリティが維持されます。
大変なものを振ってしまいましたが、平田さん、岸監督、PAスタッフのみなさん、そのほか関係者のみなさん、何卒よろしくお願いします!!
何かありましたら、いつでも駆けつけますので!!
夜食でしたら、麻枝特製の、通常4分のところ、20分以上寝かせて、汁をたっぷり吸わせて麺をぶよぶよにしたカップラーメン、通称「ぶよぶよラーメン」をお作りいたしますので!! 美味しいですよ!!

30日発売のG’sマガジンさんでは、ついにメインキャスト発表です!!
フライングで情報が出てそうな明日は、自分は東京出張です。
Angel Beats!の肝とも言える、挿入歌のディレクションに行ってきます。
レコーディングは後日なんですが、今、いろんな可能性を考えていて、どんなオケで、どんなニュアンスの声で歌ってもらったらいいか、それを決めます。
流れた時に一番「心を打つ」「泣ける」選択肢を絞ってきます。
AIRでいう「青空」、CLANNADでいう「Ana」(これは自分の作曲ではありませんが)、リトルバスターズでいうところの「遥か彼方」など、Keyではかかせない演出の強力なパーツとなっています。
それら以上の感動の一曲に仕上げてみせます!

さて、告知です。
30日に第三回の殺伐ラジオの戦後処理が配信されまして、それと同時に、殺伐ラジオ…ついに最終回!のお便り募集が始まります。
その最終回のゲストはもちろん、Angel Beats!で一緒に頑張ってきた盟友、キャラ原案担当のNa-Ga氏です。
是非、Na-Gaくんへの質問のお便りなど、どしどしお寄せください。絵のこと、アニメのこと、Keyのこと、趣味のこと、結婚観までなんでもOKです。
収録は3月ぐらいなので、Angel Beats!のアフレコもすでに始まっています。そのことについての質問もお待ちしています。
本当に最終回です。もう自分がパーソナリティなんて二度としないかもしれないので、最後の機会です。たくさんのお便り、お待ちしております。よろしくお願いします。
しかしアニメ放映までの繋ぎだったこのラジオ…ひきこもりクリエイターがパーソナリティでよく最終回まで漕ぎ着けたなー…。感無量です。
アニメが始まったら、ちゃんと声優さんによるAngel Beats!のラジオが始まりますので、そちらもお楽しみに!

あと、もうひとつ、この場を借りまして…
Angel Beats!のコラボイラストも描いてくださっている依澄れいさん画、麻枝准原作の漫画「ヒビキのマホウ」について、「続きはどうなったんですか?」というご質問もちょくちょく頂くのですが、ちゃんと続きはあります!
ただ、依澄れいさんが、現在体調面で漫画が描けない状態にあります。そこでお願いなのですが、ヒビキのマホウを応援してくださっているファンの方がここをもしご覧になっていましたら、是非励ましのお便りを送ってあげてほしいのです。
それで体調がどうなるわけではないのですが、たくさんの思いはきっと力になると信じています。
トップ絵が、ヒビキとシイなのも(これも素晴らしいイラストです)、依澄さんが、描きたい!と思ってくれている証拠だと思います。
雑誌社さんのほうも、ありがたいことにいつでも掲載してもらえるようお待ち頂いているので、ヒビキのマホウの連載が再開する、という奇跡を、みなさんのエールで起こして頂けたら嬉しいです。
自分は、当時(もう6年以上前の話になりますが)の担当さんが感動してくれたラストシーンまで辿り着けることを信じています。
 
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今こうして表紙を見ただけでも、依澄さんの、仕事に対する情熱を思い出します。
決して妥協や手抜きを自分に許さず、表紙はもちろんその折り返し、裏表紙、目次や、空いた右ページの余白に至るまで、すべて、納得できるまで、たくさんのパターンの絵を描き上げ、用意してくれました。
本誌で読んでもらっている人たちに対してもできるだけ楽しんでもらえるよう、単行本化の際にはすでに完成しているにも関わらず、さらにがしがし手を入れ、おまけ漫画もせっせと描く頑張り屋さんでした。
まだまだ人生は長いです。できる範囲で頑張っていきましょう、ということを自分からはお伝えしてあります。
そんなヒビキのマホウもよろしくお願いします。

2010年1月14日

開発日記其の六拾伍

告知です!(なんと珍しい!)

今月30日発売のG’sマガジンさんにて、メインキャラ四人のキャストが発表されます!
ちなみにメイン四人とは、音無とゆりと天使とユイです。
前回書いたようにですね、おれの最終的な希望ほぼそのまま通りました!
特に天使は、おれは存じ上げない声優さんだったのですけど、オーディションで聴いたら…「この澄み切った声…天使役はこの人しかいない!! この人以外はイヤだ!! イヤだったらイヤなんだーーい!!」とガキのようにダダをこね始めたぐらい、ハマリ役だと自負します!
お楽しみに!
以上、Angel Beats!新情報でした。

と、それだけではなんなんで…
昨日と今日は、G'sマガジン増刊号用のSSを書いてました。
本誌ではアニメの前日譚ということで続き物として書いていましたが、今回は増刊号なので、完全な読み切り。気が楽だわー。
「ガルデモの話がいいです」という編集さんのその発注だけを受けて、自由に、ギャグオンリーのハチャメチャなものを書いてやりました! 編集さんのチェックが通るか恐いところです(汗 でもちゃんとガルデモの話じゃん!? 違う?(汗
そのTrack Zeroですが…本誌ではもう残り三回となっているのですが、さっっぱり読者さんの反応がわかりません(汗
編集のコアラさんが、一切そういう情報を流してくれないんですよ。
雑誌にはアンケートハガキが付いてるじゃないですか。毎月、面白かったか面白くなかったか読者さんに○を付けて採点されてるはずなんです。
…え? おれに伝わってこないというのは、伝えないでおこう…という計らい?
これを伝えると途中でこいつ折れる、みたいな(汗
はい、聞かないでおきましょう。
ぼきぃぃっっ!!て音立てておれの精神へし折れますから。

ここからは話が変わりますが、前に宅録する気でいまっせ!的な報告をしたじゃないですか。
フハハハハ、ついに揃いましたよ…。
すべての機材とソフトが!!
紹介しましょうか。
まずシーケンスソフトSingerSongWriterくん。
Vstiに対応していて数値でステップ入力ができる唯一のシーケンスソフトなのだ。

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次にでたーーーーー!! Cubase5!!
これがあればもうなんもいらないぐらいの最強DAWソフトなのである。

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そして次に取り出すはSUPERIOR DRUMMER 2.0!!
これはMIDIで操作できるドラム音源としては最高の使いやすさと音なのだという!!

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で、でたーーーーー!! アンプシミュレーター(この前シュミレーターと書いてしまっていた!/汗)、AmpliTube Fender野郎ーー!!
デモで聴いたSONICというアンプの音がすげぇ好みだったので、これに決めた。
人気商品なのか、どこも在庫切れでなかなか手に入らなかった。だが手に入れてみせたぜ!!

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そして、予想以上にでかい箱で届いたオーディオインターフェース、スタインバーグ社のMR816X!!
同じ会社なだけに、Cubaseとの愛称はバツグン!!
これで無敵だーーー!! ラックマウント型なのにラックないけどさ!! どう置いたらいいのさ!? ホワーイ?

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最後に……きたーーーーーーーーーーーーーー!!
レスポールスペシャル!! おれはテレキャスでもストラトでもなくレスポールが欲しかったんだ!! なぜならカッコイイから!!
このモデルは石橋楽器だと26万だったのに、なんと心斎橋の三木楽器に一本だけ入荷、特価19万8000円というお得商品で、これはすぐ買いにいかなければ速攻売り切れてしまう! だがおれはこれから殺伐ラジオの収録で東京出張なのだ! 後は頼んだ藤井くん!! と彼に買いにパシらせたシロモノだーーー!!

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完璧な布陣だ…。
すべてがハイスペックすぎる…。
もう勝ったも同然の宅録生活だ…。

と、揃ったのはいいが…

ここからどうすればいいんだ…?

どうしたら音が鳴るんだい?
どうやって、マシンと繋ぐんだい?
オーディオインターフェースってなに?
ギターはどこにぶっ刺すんだい?
AmpliTubeのエフェクターはどうしたらかかるんだい?
SUPERIOR DRUMMER 2.0とやらはどうやって操るんだい?
そもそもCubaseがあったらSingerSongWriterは要らないんじゃないのかい?
さっき自分で「これがあればもうなんもいらないぐらいの最強DAWソフトなのである」と豪語したところじゃないのかい?
で、そのCubaseは最強DAWソフトとおれに謳わせておきながら、一体何ができるソフトなんだい?

う…
うぅ…

さっぱりわからない…
 

どがーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!
 

2010年1月 5日

開発日記其の六拾四

あけましておめでとうございます。

たくさんのお祝いのお言葉ありがとうございます。
一昨日が誕生日でした。
というわけで…35歳になっちまいました。
これはもう、紛れもないオッサンでしょう。
「オッサンですよね!?」
と迫られたら、逃れようがない。
「オ…オッサンです…」
と白状するしかない。
実際同僚のYonieくんはふたりの兄にそれぞれ子供がいて、今やYonieおじさんなのだ。
正月には子供たちにお年玉をやるのだそうだ。
ははは、おっさんやん!
とか思っていたら、おれ自身がオッサンになってしまった…。
でもまだね、前も書いたと思うけど、見た目は、そこまでオッサンしてないと思うんですよ。
例えば、今やってる高校サッカーで、おれがキーパーとしてさらっとイレブンに混じっていてもね、たぶん、誰も35歳のオッサンとは気づかないと思うんです。
審判がレッドカード持ってきて、「きみきみ、オッサンでしょう! オッサンは退場!」なんて見抜けないと思うんです。
特にキーパーはがたいもでかいし、ひとりだけ両手広げたりして、格好も違うから、大体老けて見えるじゃないですか。(おれだけか?)
だから、そのまま試合始まって、味方の反則で許したPKを止めたりして0点で抑えきって、「1年生キーパーの麻枝、無失点記録を続けています!」みたいな実況をされると思います。「一年生にしては老かいな玉さばきですね…」と解説の前園にだけは、ちょっとだけ年の功的な部分を見抜かれてしまかもしれませんが、すぐ「イジメ、カッコワルイ」みたいな話に逸れていくと思います。
仲間にも、空気の読み方が大人なちょっと加齢臭がする高校生で充分通じる気がします。
あだ名は「オッサン」です。
結局オッサンじゃん!!

あと、エグザイルもあれだけ人数がいたら、おれがさらっと混ざって踊っていても、ファンにばれない自信がある。
トークを振られても、「ジュンです。最近背中が痛いです」ってそれっぽく乗り切る自信がある。

PVはすごい反響を頂いています。ありがとうございます。
1月1日を迎えた瞬間は、「あ、Angel Beats!が放送される年になったんだ!」とふと気づいて、緊張が走りました。
ぜんぜん意識していなかったのに、びくっ!って感じで、身が引き締まる思いがしました。
ああ、どうなるんだろう…ほんと緊張するなあ…。

AB!最新情報ですが、メイン4人のキャストが決まり、今はそれ以外のキャラのキャストを決めている最中です。
日夜協議しています。
メイン4人はほぼおれの希望通りになり、決定した瞬間には「やったぜ! どうだ、おらおらーー!!」とNa-Gaくんに息巻いたメールを送ったぐらい興奮しました。
発表をお楽しみに。

そしてこの正月休みは、帰省し、また合宿してました。
AB!SSの最終話をまず書き上げ、続いて歌詞を書きまくりました。
なんと、今年はボーカルフルアルバムを出します!! どがーーーーーーーーーん!!
あまりの量だったので、休みの間に書けきれるか不安だったんですが、書けました!
でもここからが大変なんだ…(汗
ボーカル譜を作らないといけないんだけど、大体おれは、日本語を無理矢理詰め込んだりするから、譜割を直す作業が発生するのね。
今日からmidiデータをちまちまと修正に入りました。
そして歌詞をぽちぽち置いてボーカル譜を順に作製し、2月からは十曲以上をレコーディング!!
東京に居る時間のほうが長いんじゃないだろうか…。
家に帰ってこないとストレスが溜まるおれは死んでしまうよ!!
乗り切れるんだろーか…。
マジで心配だ…。
でも、いいものになると思います。期待していてください!

で、この休みは仕事する自分へのご褒美として、「百年の孤独」という焼酎を楽天で注文して帰ったんです。
以前、VisualStyleの編集長と飲み会をご一緒した時、おれは「焼酎では『甕雫』が一番美味しいです」と言い張り、編集長は「いやいや絶対に、『百年の孤独』のほうが美味しいですって!」と言い争いになっちゃって…(汗
すげー高いんですけど、そこまで言うなら…と今回、試してみたわけです。

うまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

甕雫より美味い!!
おれは編集長に謝らなくてはならない。
はい、焼酎で一番美味いのは「百年の孤独」でした!! ごめんなさい!!
味の形容は難しいんだけど、ウィスキーに近い。アルコールが強いんだけど、それでもぐいぐい呑めてしまうぐらい美味しい。
これ常備しておきたいんだけど、ほんと高いんだよ…。楽天で最安値で6800円ぐらいかな…。
そんなのいいことあった記念日にしか買えないyo!

帰省中は、三枚のCDを回して聴きまくっていました。
一枚目はtoeのニューアルバム「For Long Tomorrow toe」。
「グッバイ」という曲が、アルバムバージョンでは女性シンガーになってるのですが、それが素晴らしい!
確かに四人だけで奏でられるストイックなバンドスタイルではなくなってしまったけど、こりゃamericanfootballだろ!風な曲もあり、ポストロック好きにはたまんない一枚に。
二枚目は平野綾「スピード☆スター」。
前半は1stアルバムに勝るとも劣らない神懸かり的な出来! 後半はちょっとまだ聴き込みが足りないのか、これ!といった曲がなく、個人的にダレる…。ロック一辺倒だからかなー。これからはこんなロックに走っていくのだろうか。心配だ…。前半のキャッチーさも忘れずにいてほしい!
三枚目は石川智晶「僕はまだ何も知らない。 」。
「ぼくらの」のオープニングの「アンインストール」が大好きだったんですが、でも、それ以外の曲で引っかかることがなかったので、ずっとアルバムを買うのは見合わせていたんですけど、「捨て曲一切なしのスルメアルバム」というレビューを信じて、思い切って購入。一回聴くだけでは良さはわからなかったのだけど、聴いてるうちに文字通り捨て曲なしの名盤に化けた! 素晴らしい一枚!! オススメです!!

そういえばと思い出して、年末ジャンボ当たってるか調べてみました。
うおお…
…みごとにはずれまくっている!!
ここでいいことが起きなくてよかった!とほっとするおれがいる…。
それはもちろんAB!が成功する兆しであるからだ。
こんなところで中途半端にいいことが起きてはいけない。
四月にAB!の放送が始まってから、おれは生きててよかった!という人生のクライマックスを迎えるのだ。
それまでは鬱屈としたまま生き続けるのだ、おれは。

というわけで、本年もよろしくお願いします。

リライトとクドわふもよろしくね!
 
 

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上が歌詞ノート。
下がSSのネタ帳。
歌詞やネタは直感勝負なので、ノートに書くようにしています。
歌詞は一曲につき4ページぐらい割きます。修正箇所だらけです。ちゃんと音にはまっていても、もっとぐっとくるいい言い回しがあるはず!と時間をかけて洗練させていきます。
ネタ帳は新幹線など移動時にも書けるように小さいノートを使ってます。
とても下手くそな字で書き殴ってあるので、落としてしまっても解読できない仕様になっています(苦笑

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